完璧を求めた左右対称の造形美・フランス式庭園の見どころや世界の庭園をご紹介
2021/01/31
世界中にある庭園のなかで、フランス式庭園はもっとも豪華な庭園と言えます。
左右対称で幾何学的に配置された花壇や垣根は、自然美を目指すほかのヨーロッパの庭とはまた違った美しさがあります。池や噴水・運河までありました。
この記事では、フランス式庭園の特徴や見どころをご紹介します。また、一生に一度は訪れたいフランス式庭園の代表的な庭も、ご紹介します。
この記事を読んで、「フランス式庭園」の様な庭園を、ご自宅に作ってみたいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
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目次
フランス式庭園とは?
- フランス式庭園とは?
フランス式庭園は、17世紀~18世紀にかけてフランスで発達した庭園様式のことを指します。
平面幾何学式庭園と呼ばれることもあり、文字通り起伏がなく左右対称で幾何学的な形をした花壇や植木が特徴的です。
〇〇式庭園は世界中に存在しますが、イギリス式庭園やイタリア式庭園・日本庭園もありますね。
よく知られるイギリス式庭園(イングリッシュガーデン)は日本でも人気の庭園様式ですが、フランス式庭園はその真逆。
芸術的に刈り込まれたトピアリーや整然と並ぶ幾何学的な花壇、噴水や運河といった豪華な見晴らしも、フランス式庭園の大きな特徴です。
フランス式庭園といえば、もっとも有名なのが「ベルサイユ宮殿の庭園」です。ベルサイユ宮殿の敷地内につくられた庭園は周辺国の庭園に影響を及ぼしました。
フランス式庭園・西洋庭園の歴史
ヨーロッパ各国の貴族庭園は、それぞれが特徴を持ちどれも違った美しさがあります。違う個性を持ちながらも、実はお互いに影響しあってきたという歴史があります。
15世紀末頃、イタリアから帰ってきたシャルル8世は、フランスの庭に新しい風を吹かせます。イタリアで見た美術と庭に感動し、イタリアから造園家を呼び寄せて庭をつくったのです。
その後17世紀に入ると、ルイ14世が造園家ル・ノートルに庭の設計をさせました。このとき出来たのが、ベルサイユ宮殿の庭園です。今では、フランス式庭園の代名詞になっています。
ベルサイユ宮殿の庭園が大成功を収めると、イギリスをはじめとした各国の貴族庭園に影響を及ぼしていきました。
フランス式庭園は完璧を求める造形美が特徴なため、自然の姿ではないと「死せる野」と評価されることもありました。
その後、徐々に自然の風景をつくる「フランス風景式庭園」に遷移していきました。
フランス式庭園とイギリス式庭園の違い
日本でも人気のある、イギリス式庭園。イングリッシュガーデンとも言いますね。イギリス式庭園は、イギリスの田舎の風景を切り取ったような自然の庭が特徴です。
小道の脇にはハーブや小花が咲き、アーチ状のバラもイギリス式庭園を象徴する植物です。
それに対し、フランス式庭園はテラスから眺めたときに左右対称になっており、道は広くまっすぐで起伏はなく平坦です。樹木は芸術的に刈り込まれ運河や池・噴水も置かれました。
イギリス式庭園は小さな森や草原といった印象に対して、フランス式庭園は豪華で完璧を求めた造形美という印象があります。
フランス式庭園の5つの見どころ!
フランス式庭園と、ほかのヨーロッパの庭園の違いについて解説しました。
- フランス式庭園の見どころとは?
・左右対称の平面幾何学式庭園
・綺麗に刈り込まれたトピアリー
・空や景色を映す大きな池
・整然と並んだ花壇
・権力を象徴である運河や噴水
以上5つです。
これらは見どころであり、フランス式庭園の特徴でもあります。それでは、詳しく見ていきましょう。
1【平面幾何学式庭園】左右対称の人工的なつくり
フランス式庭園の一番の特徴は、なんといっても左右対称の人工的なつくりです。フランスの貴族たちは、城(または宮殿)のテラスからの壮大な眺めを大切にしました。
左右対称に花壇や池・噴水などを配置することにより奥行きを持たせ、広さで権力を表現したといいます。平坦な庭に幾何学模様に配置された花壇や植木が、行儀よく並んでいます。
2【トピアリー】幾何学形に刈り込まれた樹木
フランス式庭園の特徴として、印象的なのはトピアリーですね。トピアリーは自然の樹木の形ではなく、綺麗に刈り込みをされて形つくられています。
丸や四角・渦巻き状など、美しく刈り込まれたトピアリーは「緑の建築術」とも呼ばれています。
トピアリーは、こまめに手入れをしないと樹形が崩れてしまいます。それでも多くのトピアリーを配置するのは、フランス貴族たちの庭に対する高い関心と情熱の表れなのでしょう。
3【池】空や周りの自然を映し出す池
日本庭園でも必ずと言っていいほど「池」が登場しますが、フランス式庭園にも池が配置されています。池も花壇や樹木同様、左右対称に配置されています。
平坦な庭に配置される池には、空や周りの自然を映す鏡のようです。天気のいい日は、さぞ美しかったことでしょう。
馬車やドレス姿で庭園内を散歩しながら、貴族たちは池に映る姿を楽しんだに違いありません。
4【花壇】整然と並んだ刺繍のような花たち
幾何学的に配置された花壇には、お行儀よく並んで植えられた花たちが咲き誇ります。品種や色を揃えて植えることが多く、まるでフランス刺繍のような優雅さがあります。
自然美を愛するイギリス式庭園の、素朴な花たちとは対照的ですね。
あまりにも整然としているため「死せる野」と表現されることもありますが、よく手入れされた花壇は美しく見ごたえがあります。
5【運河や噴水】権力の象徴
権力を持つ貴族たちは、富や権力を庭園の規模や芸術で表現しました。ベルサイユ宮殿のような規模の大きい庭園には、大きな噴水が置かれています。
噴水のなかには立派な像が建てられるなど、豪華で荘厳な雰囲気があります。
また、庭園のなかに運河をつくり「自然をも思い通りにすることができる」という力の強さを見せつけました。
世界のフランス式庭園をご紹介!
豪華で綺麗に整えられたフランス式庭園を見てみたいですよね。フランス式庭園はフランスだけではなく、イタリアやイギリスなどほかの国にもあります。
しかし、やはりフランスの庭園が規模が大きく有名です。ここでは、一生に一度は見たいフランス式庭園をご紹介します。それでは、さっそく見ていきましょう。
【フランス】ベルサイユ宮殿
ベルサイユ宮殿は、フランスの王ルイ14世が建てた宮殿です。フランス式庭園ではもっとも大きく豪華な庭園として、知られています。
また、ベルサイユ宮殿と庭園は世界遺産にも登録されており、一度は訪れてみたい憧れのフランス式庭園です。
ベルサイユ宮殿の庭園はフランス式庭園ですが、植木が多く大きな川や池があるため緑豊かな雰囲気の庭園です。
【フランス】ヴィランドリー城
映画やディズニーアニメに出てくるようなお城がお好きなら、ヴィランドリー城がおすすめです。
テラスから眺める庭園は、垣根が迷路のように見えます。お城に近い場所の庭園は、愛と音楽を表現しているそう。ハート型のトピアリーがあり、可愛らしいです。
ヴィランドリー城は、世界遺産のロワール渓谷内にある古城です。20世紀初頭は荒地だった庭園をスペインの医師が買い取り復活させました。
【フランス】ヴォー・ル・ヴィコント城
ヴォー・ル・ヴィコント城の庭園は、ベルサイユ宮殿と同じル・ノートルが設計しました。ヴォー・ル・ヴィコント城の庭園の設計をした後に、ベルサイユ宮殿の庭園の設計をしました。
ベルサイユ宮殿の庭園がフランスを代表するフランス式庭園ならば、ヴォー・ル・ヴィコント城の庭園はフランス式庭園の元祖ともいえますね。
フランス式庭園を確立した傑作とも言われています。
ヴォー・ル・ヴィコント城はレオナルド・ディカプリオ主演「仮面の男」のロケ地としても有名です。
【日本】相模原公園
フランス式庭園は、フランスに行かなければ見られないと思っていませんか?実は、日本でも見ることができます。
日本にあるフランス式庭園でおすすめなのは、神奈川県にある相模原公園です。フランスのお城ほどではありませんが、面積26ヘクタールは十分な広さです。
フランス式庭園は、相模原公園の北東側にあります。左右対称のデザインで、両側にはメタセコイアが並び見事な景観をつくりだしています。
フランス式庭園まとめ
フランス式庭園の特徴や見どころをご紹介しました。
富と権力を表わすために、膨大なお金をかけてつくられた庭園はたくさんあります。
当時は富の象徴だったのかもしれませんが、時代を超えて現代の私たちを楽しませてくれる素敵な庭園になっています。
フランス式庭園は、完璧を求めた幾何学的な庭です。よく手入れされた花壇やトピアリーに圧倒されますね。フランス式庭園は日本でも見れるので、ぜひ行ってみてくださいね。
この記事を読んで、「フランス式庭園」の様な庭園を、ご自宅に作ってみたいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
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