イロハモミジの剪定方法や最適な剪定時期とは?失敗しないためのポイントや徒長枝の処理などを解説
春の新緑、秋の紅葉と四季を通じて美しい姿を見せてくれるイロハモミジ。しかし「剪定時期はいつ」「徒長枝の処理方法が分からない」「イロハモミジの剪定のコツが知りたい」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
イロハモミジは放置すると予想以上に大きくなってしまったり、徒長枝によって樹形が乱れてしまったりすることがあります。また、剪定時期を間違えると樹液が流出して樹勢が弱ってしまうなど、デリケートな一面も持っています。
この記事では、イロハモミジの剪定時期から具体的な方法、よくある失敗例とその対策まで、初心者から中級者まで役立つ情報を分かりやすく解説します。
正しい知識と技術を身につけて、年間を通じてイロハモミジの自然な美しさを存分に楽しみましょう。

この記事を読んで、「イロハモミジ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、剪定などのお庭のお手入れのご依頼を、無料で見積もり相談することができます。
その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。
イロハモミジの特徴

イロハモミジはムクロジ科カエデ属の落葉高木で、原産は日本・東アジアです。平地から標高1,000メートルの山地に生え、成長すると樹高は10メートルほどになります。
葉は秋に紅葉し、大きさはオオモミジやヤマモミジと比べると小さめです。花の開花時期は4月〜5月の春で、枝先に小さな赤い花を咲かせます。
イロハモミジは樹形を保ちやすいことから、盆栽としても広く用いられています。また、和風の庭のシンボルツリーとしても人気があります。
イロハモミジは、別名「イロハカエデ」。花言葉は「大切な思い出」「美しい変化」です。
イロハモミジの成長特性と自然樹形
イロハモミジは、その名のとおり手のひら状に5~7つに分かれた美しい葉が特徴的な落葉樹です。自然環境では樹高10メートルを超えることもあり、繊細な枝ぶりと優雅な樹形で多くの人を魅了してきました。
特筆すべきは、イロハモミジが持つ「自然樹形の美しさ」でしょう。人工的に整えすぎると、かえってその魅力が損なわれてしまうため、剪定の際は自然の流れを活かすことが重要になります。
また、イロハモミジは比較的成長が穏やかな樹木ですが、放置すると予想以上に大きくなってしまうことがあります。庭のスペースに合わせて適度にコントロールすることで、長期間にわたって美しい姿を保つことができるでしょう。
イロハモミジの剪定時期とは
イロハモミジの最適な剪定時期について詳しく解説します。

イロハモミジの最適な剪定時期は11月下旬から12月
イロハモミジの剪定に最も適した時期は、11月下旬から12月の落葉後の休眠期です。この時期が最適な理由は、樹液の流れが完全に止まっているため、切り口からの樹液漏れが少なく、樹木への負担が最小限になるからです。
落葉期の剪定では、葉が落ちているため枝の状態がよく見え、どの枝を切るべきかの判断がしやすくなります。この時期には透かし剪定を中心に、込み合った部分の整理や不要枝の除去を行います。樹液が止まっているため、太い枝の剪定も安全に実施できるでしょう。
6月から8月の夏場は軽い剪定のみ可能
夏場の6月から8月にかけては、徒長枝や明らかに不要な枝の軽い剪定程度であれば実施可能です。ただし、この時期のイロハモミジの剪定は最小限に留めることが重要で、大規模な剪定は避けるべきです。
夏場にイロハモミジの軽剪定を行う場合の注意点として、切り口が日焼けしないよう配慮が必要です。また、この時期は樹木の生育が活発なため、剪定後の新芽の管理にも注意を払いましょう。できるだけ涼しい時間帯に作業を行い、切り口には必ず癒合剤を塗布することが大切です。
2月から4月のイロハモミジの剪定は避けるべき
イロハモミジの剪定で絶対に避けたい時期があります。
イロハモミジの剪定時期で最も注意すべきは2月から4月上旬にかけての期間です、この時期は樹液が動き始めるため剪定を行うと切り口から大量の樹液が流れ出て、樹勢が著しく弱ってしまう危険性があります。
樹液流出が危険な理由は、樹木が蓄えていた貴重な栄養分と水分を失ってしまいます。特に太い枝を切った場合、止血が困難になり、樹木の体力を大幅に消耗させてしまうため、この時期の剪定は最悪の場合、樹木の枯死につながる可能性もあるため絶対に避けましょう。
休眠期の短さと剪定への影響
イロハモミジ特有の特徴として、休眠期の短さが挙げられます。多くの落葉樹が2月頃まで休眠しているのに対し、イロハモミジは1月頃から徐々に活動を再開し始めます。
「冬の間なら剪定しても大丈夫」と考えて2月に作業をすると、すでに樹液が動き始めており、切り口から樹液が流出してしまう可能性があるので、イロハモミジの剪定を行うにあたって休眠期の短さには十分注意しましょう。
樹液の流出は、樹木の体力を消耗させるだけでなく、その部分から病気が侵入する危険性も高めます。そのため、イロハモミジの剪定は遅くとも1月までに終わらせることが重要です。

イロハモミジの剪定方法とは?小さく育てるために剪定が重要

狭いスペースでもイロハモミジを楽しみたい方には、コンパクトに育てる剪定技術が欠かせません。樹高を抑えながら美しい樹形を保つ方法をご紹介します。
樹高を抑えるイロハモミジの剪定方法
イロハモミジの樹高を効果的に抑えるには、計画的な剪定が必要です。最も重要なのは、主幹の芯止め。
これは、主幹の頂部を切除することで、それ以上の高さ成長を抑制する技術のことを指します。
芯止めの時期は、落葉期の11月から12月が最適といえるでしょう。目標とする高さの少し上で主幹を切り、その後は側枝の育成に注力、切る位置は、必ず側枝の分岐点より上にし、将来的に自然な樹形となるよう配慮しましょう。
上向きに伸びる枝は定期的に剪定し、横方向や下向きに伸びる枝を優先的に残します。これにより、高さを抑えながら横に広がりのある美しい樹形を作ることができます。
一度に大幅な高さ調整を行うのではなく、毎年少しずつ理想的な高さに近づけていきます。急激な変化は樹木にストレスを与えるため、3年から5年程度の長期計画で考えることが重要でしょう。
透かし剪定による樹形維持が重要
イロハモミジを小さく育てる際に欠かせないのが、透かし剪定による樹形維持です。透かし剪定とは、込み合った枝を間引くことで、樹木内部の風通しと日当たりを改善する技術です。
内向枝と交差枝の処理が、イロハモミジの透かし剪定の基本です。内向枝は樹木の中心に向かって伸びる枝で、放置すると内部が込み合い、病害虫の発生原因となるので注意しましょう。
また、交差枝は他の枝と交差している枝で、擦れて傷を作る可能性があるため除去が必要です。

イロハモミジは強剪定に弱いので注意して行うこと
イロハモミジの剪定で特に注意したいのが、この樹木が「強剪定に弱い」という特性です。一度に多くの枝を切り落とすと、樹勢が極端に衰弱し、最悪の場合は枯死してしまうこともあります。
その理由は、イロハモミジの生理的な特徴にあり、多くの枝を失うことで光合成能力が急激に低下し、根系とのバランスが崩れてしまうといった危険性があります。また、大きな切り口が多数できると、そこから病気が侵入するリスクも高まります。
だからこそ、イロハモミジの剪定では「少しずつ、継続的に」というアプローチが重要になります。毎年少しずつ手を入れることで、樹木への負担を最小限に抑えながら、理想的な姿に導いていけるでしょう。
イロハモミジの剪定では徒長枝の処理が大切
イロハモミジの剪定で最も重要なのが徒長枝の処理です。放置すると樹形を乱し、美しい紅葉を妨げる原因となります。徒長枝の特徴と適切な切り方を覚えましょう。
徒長枝とは何か
徒長枝とは、通常の枝とは異なり、垂直に勢いよく伸びる枝のことです。イロハモミジでは、主に幹や太い枝から急激に立ち上がる形で発生します。これらの枝は、他の枝と比べて太く長く成長する傾向があり、全体の樹形バランスを崩す要因となってしまいます。
徒長枝が発生しやすい場所は、主に以下の箇所です。
- 幹の途中から立ち上がる「胴吹き枝」
- 太い枝の上面から垂直に伸びる「立ち枝」
- 剪定後の切り口周辺から出る「ひこばえ」
徒長枝が発生する原因としては、イロハモミジの剪定による刺激、日照不足、過度な肥料などが挙げられます。特に、強剪定を行った翌年には、切り口周辺から多数の徒長枝が発生することが多いため、注意深い観察が必要でしょう。
徒長枝が与える悪影響
徒長枝を放置すると、イロハモミジにさまざまな悪影響をもたらします。まず最も分かりやすいのが、樹形の乱れです。自然で優雅なイロハモミジの樹形に対し、徒長枝は人工的で不自然な印象を与えてしまいます。
樹形の乱れは見た目の問題だけではありません。徒長枝が大きく成長することで、樹木全体のバランスが崩れ、風に対する抵抗力が低下してしまう恐れもあります。特に台風などの強風時には、折れやすくなるリスクが高まるでしょう。
また、徒長枝は急激に成長するため、多くの養分を消費してしまう点があげられるでしょう。本来であれば他の枝や根の成長に使われるはずの栄養分が、徒長枝に集中してしまうのです。結果として、樹木全体の成長バランスが悪化し、花付きや紅葉の美しさにも影響を与える可能性があります。
さらに重要なのが、イロハモミジ内部の日照不足です。徒長枝が大きく成長すると、その下にある枝や葉に十分な日光が当たらなくなります。イロハモミジの美しい紅葉には日光が不可欠なので、徒長枝による日照不足は紅葉の質を大きく左下げる要因となってしまうのです。
正しい徒長枝の切り方とは
イロハモミジの徒長枝の処理で最も重要なのは、切る位置です。徒長枝は必ず「枝分かれ部分の付け根」で切り落とします。途中で切断すると、その部分からさらに多くの徒長枝が発生してしまう可能性が高いため注意しましょう。
切る位置を決める際は、主枝や幹との分岐点を確認しましょう。膨らんでいる部分(枝襟)のすぐ外側で、幹や主枝に平行に切ります。この時、切り口が大きくなりすぎないよう、角度にも注意が必要です。
使用する道具は、枝の太さによって使い分けます。直径2センチ程度までは剪定ばさみで対応できますが、それより太い場合は剪定用ノコギリを使用しましょう。刃は清潔に保ち、切れ味の良い状態で作業することが重要です。

この記事を読んで、「イロハモミジ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、剪定などのお庭のお手入れのご依頼を、無料で見積もり相談することができます。
その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。
イロハモミジ剪定でよくある失敗例と対策
剪定の失敗は取り返しがつかないことも多いため、事前に失敗パターンを知っておくことが重要です。よくある失敗例とその予防策を解説します。
失敗例1:切りすぎによる樹勢の衰弱
イロハモミジの剪定で最も多い失敗が、切りすぎによる樹勢の衰弱です。
「もう少し小さく」という気持ちから必要以上に多くの枝を切ってしまい、新芽の出方が悪くなったり、葉の色が薄くなったりします。ひどい場合は枝の先端から枯れ始めることもあります。
予防策として「全体の枝量の3分の1以下」という剪定の基本原則を必ず守ってください。一度に大量の枝を除去せず、数年間かけて理想的な樹形に近づけていく計画性が大切です。もし切りすぎてしまった場合は、翌年以降の剪定を控えめにし、樹木の回復を辛抱強く待ちましょう。
失敗例2:間違った時期の剪定
イロハモミジの剪定時期を間違えることで起こる失敗も非常に多く見られます。特に2月から4月上旬の樹液が動き始める時期の剪定は、切り口から大量の樹液が流出し、樹勢を著しく弱らせる危険があるため注意しましょう。
夏場の剪定では、新しく露出した部分の日焼けや胴吹き現象が起こりやすくなります。このような失敗を避けるためには、最適な剪定時期である11月下旬から12月の休眠期を必ず守ることが重要です。緊急時以外は適期以外の剪定は避けましょう。
失敗例3:切り口の処理不備
イロハモミジ剪定後の切り口処理を怠ることによる失敗も深刻な問題となります。特に太い枝を切った後の大きな切り口は、適切な処理を行わないと木材腐朽菌による腐敗や害虫の侵入口となってしまいます。
切り口から病気が侵入すると、内部で腐敗が進行し、樹木の構造的強度が低下して風折れのリスクが高まります。
予防策として、太い枝を切った後は必ず癒合剤を塗布しましょう。癒合剤は剪定直後、切り口が乾く前に薄く均一に塗ることが重要です。
失敗例4:樹形を無視した剪定
イロハモミジの自然樹形を無視した剪定は、その魅力を大きく損なう失敗例の一つです。他の樹木と同じような刈り込み剪定を行ったり、完全に左右対称に整えすぎたりすることで、イロハモミジらしい優雅さが失われてしまいます。
予防策として、野生のイロハモミジの自然な姿を参考にしましょう。わずかな非対称性を残し、枝の自然な流れを意識して剪定することが重要です。
剪定中は時々離れた位置から全体を眺め、バランスを確認する習慣をつけてください。急激な方向転換や不自然な角度の枝は避け、自然な樹形美を保ちましょう。
イロハモミジが枯れてしまう原因
愛情込めて育てても、枯れてしまったら悲しいですよね。イロハモミジが枯れたり元気がない理由は、ダメージの大きい剪定をしているか害虫被害にあっている可能性があります。
ここでは、枯れてしまう原因と対策について解説します。育てているイロハモミジのようすがおかしいな・剪定を失敗したかなと感じたら、参考にしてくださいね。
樹木にダメージを与える剪定をしている

イロハモミジに限らず、基本的に樹木は繊細です。剪定時期を間違えてしまうと、樹木にとってダメージが大きいです。
生命力のある木は復活できますが、弱っている木は復活できないまま枯れてしまうことも少なくありません。なので、イロハモミジの枝を切り過ぎないことと、適切な時期に剪定するようにしましょう。
病害虫被害で元気がなくなってしまっている

剪定時期や方法に気をつけていても、害虫被害により弱らせてしまうこともあります。イロハモミジにつく主な害虫は、カイガラムシ・アブラムシ・ハダニ・テッポウムシです。
カイガラムシは、枝や葉の養分を吸う害虫で、排泄物はすす病を発症させる原因になります。
アブラムシも、養分を吸う害虫で、葉の裏や新芽などにつきます。ウイルス病やすす病を媒介する恐れがあるため、放置せずに駆除しましょう。
ハダニも、養分を吸う害虫です。この虫に吸われた葉は、白い斑点ができるのが特徴です。
テッポウムシはカマキリの幼虫のことで、枝のなかを食害します。幹に穴があいていたりオガクズのようなものがついていたら、テッポウムシの被害を疑いましょう。
どの害虫も初期段階で駆除すれば大事には至りません。市販の殺虫剤などで、対処してくださいね。
イロハモミジの剪定をプロに依頼した場合の費用相場は?

秋になると真っ赤に紅葉するイロハモミジは、ウットリするほど美しい樹木です。しかし、見栄えが悪いと景観を損ねてしまいます。美しい形や大きさも保つために、プロの業者に剪定を依頼するのもひとつですよ。
しかし、気になるのは費用のこと。庭木の剪定をプロに依頼した場合、一般的には木の高さや場所の大きさで費用が決まることが多いです。
費用の相場は、3メートル未満の低木なら3,000円~。5メートルまでの中木なら8,000円~。7メートルまでの高木なら16,000円~です。
見積もりは複数の業者からとるのがおすすめ

剪定をプロに依頼する場合、実際に依頼する前に見積もりを取りましょう。その際は、1社だけではなく3~5社の複数社に見積もり依頼を出してくださいね。
その理由は、業者によって料金設定が異なるからです。また、剪定とは別に出張費や剪定後の掃除代がオプションになっている場合もあります。複数社から見積もりを取って、あなたに合った業者を選んでくださいね。
庭革命では、無料で見積もりをとることができます。ぜひご利用ください。

この記事を読んで、「イロハモミジ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、剪定などのお庭のお手入れのご依頼を、無料で見積もり相談することができます。
その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。
イロハモミジ剪定のまとめ
イロハモミジの剪定時期や方法、枯らしてしまう原因について解説しました。赤く染まった葉を見ると、秋の訪れを感じます。
シンボルツリーにしている方は毎日目にする樹木ですから、美しい形を保ちたいですよね。イロハモミジの剪定は透かし剪定で、基本的には手入れがカンタンです。
ぜひ、剪定に挑戦してみてくださいね。木が成長し大きくなれば、業者を頼ってもよいでしょう。剪定で、美しい紅葉を楽しんでくださいね。

この記事を読んで、「イロハモミジ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、剪定などのお庭のお手入れのご依頼を、無料で見積もり相談することができます。
その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。