【プルーンの剪定方法】正しい時期や育て方をわかりやすく解説!

栄養価が高く食物繊維豊富なプルーンの実は、ドライフルーツやシロップ、飲料でも人気の果実です。他の果樹と違い、樹木1本で果実ができる特徴を持っています。

果実を収穫するためには、正しい時期の剪定と病害虫対策が重要。この記事では、プルーンの剪定時期や正しい剪定方法、育て方までを解説します。プルーンの収穫を楽しみたい方は参考にしてください。


この記事を読んで、「プルーン」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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目次

プルーンの木とは?

プルーンの木とは?

バラ科の果樹の一つで、ヨーロッパのセイヨウスモモのことを示します。プルーンやプラムは、一般的にセイヨウスモモの果実です。

大型の低木~小高木で、春(3月~4月)に白い花を咲かせ、夏時期(6月~9月上旬)に楕円形の果実をつけます。

大きく育ちやすい果樹ですが、剪定によって比較的省スペースでの栽培も可能。受粉樹がなくても、1本の木で収穫できるのもプルーンの木のメリットです。

プルーンの剪定時期は年2回

果実の収穫を確実にしたいのであれば、年2回の適切な剪定時期を守りましょう。プルーンの木の剪定は、6月~7月の夏頃と12月~2月の冬に行います。

夏に生長期を迎えるプルーンは、枝葉も大きく育ちます。風通しを良くし、病害虫の発生を予防するためには夏の剪定は大切です。

冬の剪定は、その次の収穫のため。プルーンは短い枝に実がつきやすいため、冬の間に短く切っておきます。

プルーンの剪定に必要な道具

剪定ばさみ

剪定作業は枝葉がたくさん出るため、剪定ばさみ以外にも掃除道具が必要です。

以下の道具を用意しておきましょう。どれも園芸用品店やホームセンターで購入できます。

プルーンの剪定に必要な道具

  • 剪定ばさみ
  • ゴミ袋
  • 手袋(手を保護する厚手のもの)
  • 掃除道具(ほうき・ちりとり)
  • 脚立

プルーンの木は、園芸品種でも大きいものでは7mの樹高に育つ果樹です。高い場所での剪定作業が発生する場合は、脚立も用意してください。

プルーンの木には、枝にトゲを持つ品種もあります。作業中のケガを予防するためにも、手袋は布製ではなく、革製やポリウレタン製・ゴムがコーティングされた作業用手袋がおすすめです。

プルーンの剪定方法

プルーンは冬・夏の年2回の剪定が大切。冬の剪定は実をつけさせるために、夏の剪定は病害虫予防に欠かせません。

ここからは、冬の剪定・夏の剪定について、それぞれポイントを解説します。

冬の剪定方法

枝の剪定

12月~2月頃に行う冬の剪定は、次の収穫時期にたくさん実をつけさせるためのもの。プルーンは短い枝にたくさん花がつき、実になる性質があります。冬の剪定では、長く伸びた枝を短く切ります。

剪定のポイントは、プルーンの木の枝全体が20~30cm程度になるように切ること。伸び過ぎた枝や、内側に伸びる枝、他の枝に絡んでいるような枝は間引きます。

夏の剪定方法

6月~7月頃の夏の剪定は、病害虫発生を予防するためのもの。

生長期である夏時期は、枝葉がぐんぐん伸びていきます。放置しておくと、混み合った枝葉で日当たり・風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすい環境になるため要注意です。

剪定のポイントは、枝葉が密集している部分をすっきりさせること。長く伸びそうな枝・伸びすぎた枝は、先端から1/3程度切り詰めてください。育ちすぎた枝をコンパクトにしたい場合は、この夏の剪定で調整します。

剪定すべき枝は?

剪定のポイントは長く伸び過ぎた枝を切ることですが、「剪定したほうがいい枝」も覚えておいてください。

剪定すべき枝

  • ひこばえ
  • 徒長枝
  • 重なり枝
  • 垂れ枝

「ひこばえ」は樹木の根本から生える新しい枝のこと。「徒長枝」は、真上に長く伸びすぎた枝です。この他、他の枝に重なって絡んでいるような「重なり枝」や、下に向かって伸びる「垂れ枝」などがあります。

「忌み枝(いみえだ)」とも呼ばれるこれらの枝は、樹形が乱れ、樹木全体の生長を邪魔します。プルーンの木全体にしっかりと栄養が行き渡るように、忌み枝は切っておきましょう。

プルーンの剪定後にすべきケア

人間がケガをした時の傷口と同じで、剪定した後の切り口を放置しておくと、雑菌によってプルーンの木が弱りやすくなります。

剪定した後は、切り口の保護を忘れずに行いましょう。保護には癒合剤を使用します。

剪定後の切り口保護の方法

  • 切り口に癒合剤をつける
  • 癒合剤をヘラや刷毛で塗り広げる
  • 約1ヶ月後に癒合剤を剥がす

癒合剤はホームセンターやインターネットで購入可能です。一般家庭の剪定で使用する場合は、150g入りの商品で十分使えます。

人間の絆創膏と同じで、癒合剤を剥がさずに放置すると、傷口にも良くありません。1ヶ月を目途に、ケアしてあげてください。

プルーンの育て方

秋にみずみずしいプルーンの実の収穫を楽しみたいなら、適切な育て方も知っておきたいですよね。

プルーンを育てるために以下のポイントを注意しましょう。

  • 土はバランスの良いものを使う
  • 水やり・肥料は地植え・鉢植えで異なる
  • 人工授粉
  • 摘果

ここからは、プルーンの木を育てるための、土・水やり・肥料の管理や、実付きを良くするためのポイントを解説します。

バランスのよい土を使おう

プルーンの木を育てるためには、バランスの良い土が必要。水はけがいいだけでなく、適度な保湿も大切です。

地植えの場合、水はけが気になるときは、腐葉土や堆肥を2~3割土に混ぜます。

鉢植えの場合、赤玉土:腐葉土=7~8:2~3くらいの割合で混ぜた土を用意してください。ある程度水もちがいい状態にしておくことで、株の生長も望めます。

水やり・肥料の与え方は地植え・鉢植えで異なる

肥料

雨や多湿に弱く、乾燥に強いプルーンの木は、水はあまり気にすることはありません。地植えの場合、基本的に水やりは不要です。鉢植えの場合は、土が乾燥して白くなってきたら、鉢底から水が漏れるくらい与えてください。

肥料は、地植えの場合は2月・10月の2回。鉢植えの場合は2月・5月・10月の3回与えます。プルーンの木の生育が良くなるように、速効性の高い速効性肥料・有機質肥料を用意してください。

人工授粉で実付きをよくしよう

プルーンには、自身の花粉で受粉できる「自家結実性」の品種と、他の株の花粉としか受粉できない「自家不結実性」の品種があります。プルーンの品種によっては、人工授粉をしてあげる必要があります。

人工授粉が必要なプルーンの品種

  • ローブドサージェン
  • プレジデント
  • トレジティ

人工授粉を行う時期は、開花する3月~4月頃。開花してから3日以内に受粉させなくてはなりません。開花から3日を過ぎてしまうとプルーンは受粉できないため、開花の様子をチェックしてください。

人工授粉させる際は、まずは別の株の花粉を用意します。花の中央にある雌花の先端に、受粉させてあげましょう。綿棒・筆を使うと成功率が上がります。

定期的に摘果をしよう

摘果(てきか)とは?

果実を間引きする作業のことです。

摘果では増えすぎた果実や育ちや形の悪い果実を間引きします。

「せっかく実ったのに取ってしまうなんて…」と残念な気持ちになるかもしれません。しかし、摘果作業によって残りの実に栄養が行き渡り、大きく立派な果実に育ちます。

摘果は2回行い、1回目は開花後1ヶ月後、2回目はそのさらに1ヶ月後です。1回目の摘果では育ちの悪い実・病害虫被害にあった実は取り除きます。2回目の摘果では枝10cm間の果実が2~4個程度になるように間引いてください。

適度なやわらかさになったら収穫しよう

プルーンの果実の収穫時期は8月~9月上旬です。

しかし、色を見ているだけでは収穫していいのか判断がつきません。果実に触れて確認してみましょう。

食べ頃ではないプルーンの実は、固さがあります。触った時に柔らかさを感じたら、それが収穫のタイミングです。潰さないように軽いタッチで確認してください。

プルーンの注意すべき病害虫

プルーンの木は、病害虫対策も重要です。対策を怠ると、病害虫が発生で花実に影響が出ます。剪定・薬剤散布・袋掛けなどを忘れずに行いましょう。

プルーンの木で注意したい病気

  • 灰星病
  • 黒斑病
  • 胴枯病

病害虫を防ぐためには、風通しを良くするための剪定は必須です。剪定作業に自信がない方は、専門業者に相談しましょう。プロの手にかかれば、自分で剪定するよりも、実付きもかなり良くなりますよ。

プルーンの木で注意したい害虫

  • カイガラムシ
  • アブラムシ

ここからは、実際にプルーンの木で注意したい病害虫について解説します。

【病気】灰星(はいほし)病

灰色かび病

灰星病は、ももやりんごなどの果樹で発生するカビです。熟した果実の表面に、斑点が発生して広がり、中央には灰色のカビの固まりができます。

葉や花にも発生し、奇形や枯れの原因にもなるため、発生を確認した枝は根本から切り、感染源を取り除きます。

実が熟する前に、殺菌剤を使って予防するのもおすすめです。殺菌剤が果実につくのが気になる場合は、袋掛けをしましょう。

【病気】黒斑(こくはん)病

黒斑病は、プルーンの葉で同心円状の黒斑が発生する病気です。梅雨時期や、長雨が続いた時の高温多湿の環境で発生しやすく、肥料の過不足でも影響を受けます。

剪定をして風通しを良くすることで、発生を予防しましょう。

【病気】胴枯(どうがれ)病

枯れ木

胴枯病は枝や幹に発生する病気です。多湿や日焼け・過度の剪定で、傷口に病原菌が入り、樹皮の下で増えていきます。

傷口部分が赤褐色~黒褐色になり、樹皮・幹が枯れてしまうため、傷のケアが大切です。強く剪定をした時は、切り口に癒合剤を塗って保護してあげましょう。

【害虫】カイガラムシ

カイガラムシは、その名の通り白い貝殻のようにも見える害虫。プルーンの枝や幹で増え、生長を妨げます。

風通しの悪い場所に発生するため、適切な剪定と、薬剤散布による予防がおすすめです。

【害虫】アブラムシ

アブラムシ

アブラムシはプルーン以外の草木にも発生する害虫です。葉や茎の水分・養分を吸って弱らせてしまいます。また、アブラムシの排泄物が、別の病害虫発生の原因になることもあるため、予防に心掛けてください。

発見次第、粘着力の弱いテープで取り除くか、薬剤を使用します。また、アブラムシを寄せ付けないように木酢液のスプレーも有効です。木酢液は植物の生長を促進し、土壌を消毒する効果も持っています。

まとめ:正しい剪定方法・育て方でプルーンを楽しもう

プルーンの木であるセイヨウスモモは、早春に開花し、秋には実ったプルーンの実を鑑賞・収穫できる楽しみを持った植物です。

大きくて美味しい果実を収穫するためには、病害虫対策と剪定はとても重要。年2回の適切な時期の剪定で、実付きが良くなる環境を整えてあげましょう。

「短く切り詰めるのが怖い」「どれを摘果したらいいかわからない」と不安な方は、専門業者に相談してください。一度コツを教えてもらえば、翌年からは自分でプルーン栽培を楽しめますよ。


この記事を読んで、「プルーン」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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