【カリンの剪定方法】正しい時期や育て方をわかりやすく解説!

カリンと言えば、のど飴や漢方で身近な存在です。秋になると拳サイズの黄色い実をつけるカリンを、自宅で育ててみませんか?カリンは上手に育てれば、収穫も楽しめる庭木です。しかし、そのためには適切な時期の剪定も欠かせません。

今回の記事では、カリンの剪定のやり方や正しい時期・育て方を徹底解説。最後まで読めば、秋には立派なカリンの実を収穫できますよ。


この記事を読んで、「カリン」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

目次

カリンの特徴

カリンはバラ科の落葉高木です。木肌は滑らかで美しく、春には可愛らしい白やピンクの花を咲かせます。観賞用としても人気の樹木です。

また、秋には10~15cmの洋ナシ型の果実をつけ、熟した果実が放つかぐわしい香りも大きな特徴。この芳香から、中国ではカリンを「香木瓜」と呼んでいます。

項目詳細
分類落葉高木
学名Pseudocydonia sinensis
科名バラ科
属名カリン属
和名花梨・榠樝
英名Chinese quince
開花時期3~5月
花色ピンク
原産地中国

カリンを剪定する目的

カリンを剪定する目的とは?

枝葉を減らすことで日当たり・風通しを良くし、全体的な樹形をすっきりと整えることで樹木の健康を維持します。

カリンの樹木は、大きく育てば10mを超すものもあります。美しく元気に育て、たくさんの果実を収穫するためには、定期的な剪定は必須です。

剪定をして枝を減らすことで、樹木の奥まで太陽の光が届き、全体が元気に育ちます。また、風通しが良くなることで病害虫予防もできるでしょう。

カリンの剪定時期は12月〜2月

カリンは好きな時に剪定していいわけではありません。剪定時期を間違えると花・実がつかないという残念な結果になってしまいます。適切な時期に行いましょう。

カリンの剪定時期は、落葉後の12月~2月です。この期間中はカリンの休眠期にあたり、生長が止まる時期。休眠期は剪定による樹木のダメージも軽くなります。

春にしっかり花を咲かせるためにも、冬の間に剪定を終わらせましょう。

必要に応じて7月も剪定する

地植えの場合、樹木の生長によっては夏時期(7月頃)にも剪定を行います。

梅雨後に枝が生長しすぎると、枝にエネルギーを使ってしまい花芽の分がありません。夏の剪定では、伸びすぎた枝やひこばえを切り、花芽に栄養が行き渡るように伸び過ぎた枝を剪定しましょう。

剪定でカリン全体の樹形をきれいに整えると、果実に備えるだけでなく鑑賞用としても美しさを維持できます。

カリンの剪定方法

「庭に植えたカリンが育ってきたけれど、どこを剪定したらいいのかわからない」と不安になる方もいることでしょう。

枝が上に向かってまっすぐ伸びるカリンは、立ち枝ができやすい樹木です。また、枝の根本付近に実がつくのも特徴。カリンの枝が持つ特性を理解しておくと、剪定する箇所も目安をつけやすくなりますよ。

カリンの剪定方法

  • 基本は切り詰め剪定
  • 徒長枝やひこばえも剪定する
  • 盆栽の場合も切り詰め剪定が基本

ここからは、カリンの正しい剪定方法について詳しく解説します。

切り詰め剪定が基本

切り詰め剪定とは?

切り詰め剪定とは、伸びすぎた枝を短くするための剪定です。

カリンは上に向かってぐんぐん生長し、気づいたら10m超えの高木になって手に負えなくなるケースも少なくありません。綺麗に程々の高さで仕立てるためには、まだ樹木が若い段階からの剪定が重要です。早い時期から樹形を整えてあげましょう。

剪定は12月~2月の間に、伸び過ぎた枝を1/3程度まで切って短くしましょう。細い枝であれは剪定ばさみを使い、太い枝はノコギリで落とします。

太い枝を切った後は、切り口に癒合剤を塗布して保護することも忘れないでください。癒合剤によって、切り口からの病気の感染を防ぎ、修復を早められます。

徒長枝やひこばえも剪定しよう

徒長枝・ひこばえとは?

徒長枝(とちょうし)とは上方向に長く伸びすぎた枝です。ひこばえは樹の根元から生えている枝のことを言います。

徒長枝・ひこばえともに、樹形を乱し、生長の妨げになるものです。必要な枝・花芽に栄養が回るように、見つけたら、枯れ枝と一緒に取り除きましょう。

【補足】カリンの盆栽も切り詰め剪定が基本

カリンの盆栽の場合、剪定に適した時期は2月。盆栽の剪定も、基本は切り詰め剪定です。伸びすぎた枝を短くしてください。

盆栽の場合、枝元近くの幹・枝から胴吹き芽(新しい芽)がたくさん芽吹きます。放置して芽が育ってしまうと、盆栽の見た目のバランスが悪くなるため、不要な芽は手で摘み取ることも大切です。

カリンの剪定の注意点

カリンの切り詰め剪定は、どの枝でも短く切ればいいわけではありません。以下のポイントに注意して剪定作業を進めましょう。

カリンの剪定の注意点

  • 花芽を残す
  • 若木のうちから樹形を整えておく
  • 強剪定をしない

ここからは剪定作業の注意点について詳しく解説します。

花芽を残す

剪定時に花芽も一緒に切り落としてはいけません。花芽ごとうっかり切ってしまうと花実がつかないためです。

注意したいのは短い枝。長い枝は短く切っても問題ありませんが、花芽は短い枝につきません。剪定時は必ず花芽を残してください。

若い木のうちに樹形を整える

カリンの仕立てやすさは、若い木の段階からの剪定が大きく影響します。若木のうちに樹形を整えておくと、花や実の付き方も良く、その後の手入れもスムーズです。

カリンの枝は上方に向かって生長するため、横の広がるような樹形を意識しましょう。

強剪定をしない

強剪定とは?

主幹や太い枝を切り落としたり、大量に枝を剪定したりすること。深い剪定とも呼ばれ、主に大きくなりすぎた木の樹高や樹形を調節したい時に行います。

カリンに強剪定に不向きな樹木です。強剪定は樹木への負担が大きいため、カリンに施すと実がならなくなります。

冬の休眠期と、長い枝が目立つ場合は7月にも剪定しましょう。適切な時期に剪定すれば、強剪定は必要ありません。

カリンの育て方

カリンを健康に育てるためには、剪定作業以外にも、正しい育て方の知識は必要です。

カリンの育て方のポイント

  • 育てる環境を整える
  • 水やりはたっぷり
  • 肥料は「有機質肥料」か「即効性化成肥料」

ここからは具体的な育て方のうち、日常のお手入れについて解説します。

最適な育てる環境

カリンを育てる際の環境は、風通しと日当たりの良い、涼しい場所が適しています。カリンは、適した環境で上手に育てれば5~10mに生長する樹木です。

種から育てた場合は、収穫までに7~8年かかるので気長に生長を楽しみましょう。

枝が混みあってじめじめした環境は病害虫が発生しやすいため、剪定で風通しを良くしてあげてください。

たっぷり水やりをしよう

じょうろ

カリンは涼しくて少し湿気のある環境が好みです。地植えの場合は、基本的に雨水だけで問題ありません。真夏の土が乾く時期にのみ、水を与えましょう。植え付け直後は、根付くまでは水やりが必要です。

また、鉢植えの場合は、植え付け直後・鉢の土の表面が白く乾いてきたときのみ水を与えます。

肥料は「有機質肥料」か「即効性化成肥料」

肥料

地植えと鉢植えで肥料の時期が異なります。地植えの場合は2月・10月、鉢植えの場合は2月・5月・10月が最適です。

鶏糞などの生物由来の有機質肥料を与えるか、液体肥料などの即効性化成肥料を用意してください。

肥料によって、根張りや樹勢の強化、実がつきやすくなるなどの効果が期待できます。

カリンの摘果と収穫方法

カリンの収穫までには、もう一手間必要です。元気で美しい実を育てるためには、摘果や袋かけなどの作業を行いましょう。

ここからは、秋の収穫に向けての摘果と袋かけについて、詳しく解説します。

生育の悪い実や増えすぎた実を「摘果」しよう

摘果とは、良質な実の収穫のために、実が小さいうちに間引く作業のこと。果実が増えすぎた場合や育ちが悪いものは早めに摘んでおきます。

カリンの摘果は5月下旬~6月上旬に行います。カリンは着果数が少ないため、生育の悪いもの・変形したもの・病害虫被害を受けたものを摘果するだけで十分です。

摘果によって、養分が残った果実に行き渡り、しっかりと育った果実が育ちます。

害虫・強風対策に「袋かけ」しよう

摘果後は、病害虫対策として袋かけも効果的です。カリンの大敵となる害虫は夏場に繁殖し、葉や果実を食べてしまいます。摘果後の6月には袋かけも終わらせて、実を守りましょう。

袋かけは害虫だけでなく、強風からも保護し、果実の表面を綺麗に仕上げてくれます。

袋かけに使う袋は、新聞紙で自作することもできますが、園芸店やホームセンターで購入できる果実袋も利用可能です。

10月前後に「収穫」しよう

6月の摘果・袋かけを経て、10月~11月頃にはいよいよ収穫です。

カリンは熟する頃には、葉が落ち、青い果実が鮮やかな黄色に変化します。カリンの実全体が暗黄色になり、特有の香しい芳香が漂って来たら、収穫のサインです。

カリンの果実は固いため、収穫時は頭上への落下に気を付けてください。

カリンで気をつけたい病害虫

香り高く美しいカリンを楽しむためには、病気にも注意したいところです。剪定や薬剤で対応しましょう。

カリンで気をつけたい病気

  • 赤星病
  • 黒星病

また、6月頃はカリンで注意したい害虫も発生します。

カリンで気をつけたい害虫

  • アブラムシ
  • シンクイムシ
  • テッポウムシ

ここからは、カリンの栽培で知っておきたい病気・害虫について、それぞれ詳細・対策を解説します。

病気:赤星病

別名「赤点病」とも呼ばれる赤星病は、カリンの葉の表面に赤い星のような斑点が発生する病気。原因はカビです。

発見した場合は、病気にかかった部分を枝ごと切って取り除きましょう。放置すると赤い斑点が増殖し、木の枯れに繋がります。

病気:黒星病

黒星病は別名「黒点病」と呼ばれ、赤星病同様、原因はカビです。葉に黒い斑点ができ、広がってしまうと樹木全体が弱って、やはり枯れてしまいます。

カビが発生しないよう、適切な時期に剪定を行い、風通しの良い環境にしておきましょう。

害虫:アブラムシ

アブラムシ

アブラムシはカリンに限らず、他の多くの植物に発生します。葉の水分・養分を吸って弱らせてしまうだけでなく、ウイルス性の病気の媒介もするため、見つけ次第駆除が必要です。

駆除方法は簡単で、粘着力の弱いテープを使い、テープにくっつけて取り除きます。数が多い場合は殺虫剤を用意してください。

害虫:シンクイムシ

シンクイムシは、カリンの果実を食べてしまう害虫。シンクイムシは特定の虫の名前ではなく、果実を食害する幼虫の総称です。蛾の幼虫なども含まれます。

シンクイムシの被害を防ぐためには、摘果作業後の果実の袋かけが大切です。

また、シンクイムシが食べるのは果実だけではありません。新芽も食い荒らしてしまうため、殺菌殺虫剤で駆除しましょう。

害虫:テッポウムシ

カリンの幹に小さな穴が開いていたら、それはテッポウムシが原因かもしれません。

テッポウムシはカミキリムシの幼虫です。5月~9月頃発生し、木肌に穴を開けて幹の内部を食い荒らします。

食害にあった木は傷み、最悪の場合は枯れてしまいます。防ぐためには早めの対応が必要です。注射器などを使い、テッポウムシの開けた穴に殺虫剤を流し込んで対応します。

カリンの実がならない原因は「枝が伸びすぎた」から

カリンは上に枝を伸ばす性質を持ち、伸びすぎた枝には花実をつけません。「実がならないのはどうしてかな?」と思った時には、伸びすぎた枝がないかチェックしましょう。

カリンは短い枝の根元付近に花実をつける果樹です。若木のうちから定期的な剪定をして長すぎる枝を切っておくと、将来的にたくさんの収穫が期待できるのでおすすめです。

花の咲かない枝や枯れ枝をそのままにしておくと、無駄に余分な養分を使ってしまいます。風通しが悪く病害虫発生の原因にもなるため、注意してください。

カリンの実を楽しもう

収穫したカリンの実は、果実酒やジャム、お茶に加工する楽しみがあります。

カリンはのど飴や漢方にも使われる薬用成分を持ち、浮腫の改善や疲労回復にも効果的です。

カリンの実の楽しみ方と注意点

  • ハチミツ漬けやお酒に
  • 毒があるので生食はNG

ここからは、カリンの実の楽しみ方について紹介します。

ハチミツ漬けやお酒に

カリンの実を切ってハチミツ漬けにすると、漬けて1~2週間ほどで風邪の喉の痛みに効く常備薬に。お湯割りや炭酸割りの他、お子様向けにヨーグルトに混ぜて食べるのもおすすめです。

ただし、はちみつは乳児には危険なので与えないようにしてください。

カリン酒は、熱湯消毒した瓶に切ったカリンを種ごと入れ、氷砂糖・ホワイトリカー・レモンと合わせて密封します。時々瓶を振り、2ヶ月熟成させたら完成です。

毒があるので生食はNG

カリンを食べる時は調理・加工が基本!もともと生のカリンは固くて渋いため、鳥獣も食べません。

カリンの果実にはアミグダリンという成分が含まれ、分解されると猛毒のシアン化水素を発生します。このため生食はおすすめできません。

ハチミツ漬けやアルコールによって、アミグダリンは分解されるため、カリンを食べる時には必ず調理をしてください。

まとめ:正しい剪定方法・育て方でカリンをつくろう!

カリンは木肌も美しく、観賞用としても優れた果樹です。収穫の喜びだけでなく、果実の香りや、収穫後のハチミツ漬けなどで長く楽しめます。

果実を収穫するためには、適切な時期の切り戻し剪定が基本。伸びすぎた長い枝を切り、短い枝につく花芽を残す点がポイントです。

剪定とお手入れのポイントを十分に知って、秋の収穫を楽しんでくださいね。


この記事を読んで、「カリン」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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