【さつまいもの育て方】家庭菜園でさつまいもにチャレンジ!プランターや袋での育て方は?
秋の味覚として親しまれている「さつまいも」。瘦せた土地でもよく育ち、収穫量が多く貯蔵もできるので、昔から食糧不足の解決に役立ってきました。近年ではダイエットやエイジングケアなどに注目されています。
栄養満点で甘くておいしいさつまいもが、実は家庭菜園でも簡単に育てられる事を知っていますか?さつまいもの種類や、プランターや袋での育て方など、ボリュームいっぱいに紹介します。
この記事を読んで、「さつまいも」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。
目次
さつまいもとは
さつまいもは中央アメリカ原産でつる性の多年草。日本の主な生産地は、鹿児島、茨城県、千葉県です。乾燥した雨の少ない熱帯地域に生息し、病害虫にとても強く作物が育たない痩せた大地でも育てられる根菜です。
さつまいもは食物繊維とビタミン、カリウムが豊富で美容と健康におすすめ。干し芋はヘルシーなおやつとして最近注目されています。ダイエット中に食べるなら、蒸したりゆでたりすると糖質などを抑える事ができ、食物繊維も取れて一石二鳥。アサガオによく似た、花弁が白っぽく中心が紫色をした可愛らしい花を咲かせます。
分類 | 詳細 |
---|---|
科属名 | ヒルガオ科サツマイモ属 |
英名 | Sweet potato |
和名 | 薩摩芋、唐芋、甘藷 |
花言葉 | 「乙女の純情」「幸運」 |
種まき | 5月~6月 |
植え付け | 5月~6月 |
収穫時期 | 9月~10月 |
貯蔵時期 | 10月~11月 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
連作 | 可能 |
土壌pH | 5.5~6.0 |
【しっとり系】さつまいもの人気の種類3選!
しっとり系のさつまいもの種類は 加熱すると糖度がぐっと上がる性質があるので、焼き芋などに最適です。
しっとり系のさつまいもの種類
- シルクスイート
- 安納芋
- 紅はるか
しっとり系の中でもトップクラスの甘さとコクがある人気の種類、シルクスイート、安納芋、紅はるかをご紹介します。
①シルクスイート
「シルクスイート」は、甘くておいしいしっとり系の代表格。絹のように滑らかな食感と濃厚で上品な甘さがある事から、シルクスイートの名前の由来になりました。見た目は赤褐色の皮を持ち、中は濃い黄色をしています。「春こがね」と滑らかな食感の「紅まさり」の交配種。他のさつまいもに比べて流通量も少ないので「幻のさつまいも」とテレビで紹介されることがあります。
収穫したての時はホクホク食感で、熟成させるとしっとりとした触感に変化する面白い性質があるのが特徴です。食べ方は焼き芋、干し芋、スイートポテトに向いています。
②安納芋
鹿児島県産種子島で作られている「安納芋」は、しっとりを超えたねっとりとした食感が特徴。加熱した時の最高糖度が40度以上あり「蜜芋ブーム」の火付け役です。イチゴの糖度が10〜13度なので、安納芋がどれだけ甘いかがわかりますね。
ジャガイモのような丸い見た目で、中はオレンジ色。安納芋のおいしさを最大限に引き出す調理法は「焼き芋」です。おいしい焼き芋を作るコツは、アルミホイルにくるんだ安納芋を、オーブントースターなどでじっくり低温で焼くとトロトロになっておいしくできます。安納芋の焼き芋専門店ができるぐらいスイーツでも大人気です。
③紅はるか
「紅はるか」は、形の外観や実の発色がよい「九州121号」と、皮色と味がおいしい「春こがね」の交配種です。濃い甘さと滑らかな口当たりの、ねっとり系のサツマイモとなっています。形とサイズがよく、病害虫にとても強い種類です。
焼き芋にすると糖度50度以上になり、麦芽糖の比率がほかの芋より多いため、濃厚で上品な甘さが特徴。焼き芋だけではなく、干し芋やソース、スイーツの材料としても人気です。熱で食物繊維が壊れにくいので、便秘解消に役立ってくれます。
【ホクホク系】さつまいもの人気の種類3選!
ホクホク食感のさつまいもは、昔から根強い人気。ロングセラーで愛されています。
ホクホク系のさつまいもの種類
- 紅あずま
- 鳴門金時
- 紅こがね
流通量が多く比較的安価、煮崩れもしにくいため、様々な料理に使えて便利です。さつまいもご飯、大学いも、天ぷらどれもおいしいですよね。こちらでは、家庭の味方、ホクホク系のさつまいもの種類、紅あずま、鳴門金時、紅こがねを紹介します。
①紅あずま
「紅あずま」は茨城県や千葉県の関東周辺でよく見かける、きっと誰もが一度は食べたことがある国内シェア1位の王道のさつまいもです。発売から30年以上になりますが根強い人気があり、濃い紫色の皮、中は黄色と、絵に描いたようなさつまいもの姿をしています。
繊維質が少なく甘みがかなり強いため、万人受けする昔懐かしい風味。使い勝手がとてもよく家庭料理全般に使えます。大学芋や焼き芋、干し芋、ポタージュスープなどがオススメ。加熱すると、ホクホクとねっとりの中間のような食感が人気です。
②鳴門金時
「鳴門金時」は、西日本ではポピュラーな徳島県鳴門の品種です。「高径14号」の改良品種で1945年に品種登録された歴史が古いさつまいも。
雨が少なく温暖な気候の徳島県で、海のミネラルをたっぷり含んだ砂地で栽培されています。甘さが強く栗に近い食感が特徴です。見た目はムラがない赤紫色で、中は生だと白っぽく、火を通すと黄色に変化します。煮崩れしにくいため、ホクホクした食感を活かした大学芋や天ぷら、煮物にすると絶品です。
③紅こがね
「紅こがね」は、紅あずまの良品を選抜した品種。茨城県行方市と潮来市が生産しているオリジナルブランドで、全国でもトップクラスの生産量を誇っています。
紅あずまの性質を受け継いだ、ホクホクとした食感、香ばしさと優しい甘さが口いっぱいに広がります。独自の製法で9か月間も熟成した紅こがねは、甘さと旨みが濃厚。繊維質が少なく、天ぷらなど幅広い料理に使えます。焼き芋にするとさつまいものおいしさが口の中でダイレクトに感じられ、冷めてもおいしいと評判です。
【カラフル系】さつまいもの人気の種類3選!
さつまいもは、スタンダードな皮が紫で中が黄色の種類だけではなく、紫やオレンジ、白など意外とカラフルです。
カラフル系さつまいもの種類
- パープルスイートロード
- アヤコマチ
- 安納こがね
カラフルなので、サラダやお菓子に使うと、とても華やかになりますよ。ハロウィーンの装飾に使っても面白いですね。色によって含まれる栄養素も違ってくるようです。こちらでは、カラフル系のさつまいもの人気の種類、パープルスイートロード、アヤコマチ、安納こがねについて、調理法なども詳しく紹介します。
①パープルスイートロード
「パープルスイートロード」の主な生産地は千葉県で、紫芋の代表的な種類です。皮も中身も濃い紫色をしていて、程よい甘さとホクホクした食感で、モンブランやタルト、また、お菓子用の着色料の原料にもなっています。
加熱すると青紫色に変化する特徴があり、ほかの紫芋に比べて甘さが強めなので、そのまま蒸してもおいしく食べられます。お酒が好きな方には紫芋の焼酎もあるようです。この紫色はブルーベリーと同じように、目によいアントシアニンが含まれていて、紫外線から肌を守ってくれる効果が期待できます。
②アヤコマチ
「アヤコマチ」は、「サニーレッド」と「九州122号」の交配種で皮が赤紫色で中はオレンジ色をしています。甘みがあり、しっとりとホクホクの中間な食感です。加熱すると色味が増して鮮やかなオレンジ色に変化。にんじんやかぼちゃと同じβカロテンが豊富に含まれているので生活習慣病の改善や肌の調子を整えてくれる効果が期待されています。
冷めても味が変わらない特徴があり、サラダやポタージュスープ、ペースト状にしてモンブランに使われます。また、チーズとの相性がいいのでチーズケーキにしてもおいしいですよ。
③安納こがね
「安納こがね」は鹿児島県種子島で生産されています。有名な「安納芋」には実は2種類あり、「安納紅」は皮が赤紫色ですが、こちらの「安納こがね」の皮は白っぽい茶色で、中はオレンジ色です。生産量が少なめで出荷に手間がかかることから非常に貴重な芋。
味は甘さがとても強く、じっくり熱を通す事で、蜜のようにねっとりとした触感になります。焼き芋がオススメですが、芋ようかんやモンブランなどのスイーツ、ふかし芋にしてもおいしいです。ビタミンやミネラルが豊富で、女性の味方の葉酸も含まれているので、美容と健康を気にする方にオススメです。
さつまいもの苗の入手方法
様々な種類のさつまいもを紹介しましたが、「家庭菜園で育ててみたいけど、苗は何処で手に入れたらいい?」と悩みますよね。サツマイモの苗は4月頃からホームセンターや種苗屋、JAの直売場などで購入できます。変わった品種が欲しい時は、ネットショップで探すと見つかるかもしれません。
茎が太く間延びしていない、緑が濃くて元気そうな苗を選ぶと、よく成長してくれますよ。詳しい苗の買い方や種芋の作り方を説明するので、家庭菜園でさつまいもを育ててみましょう。
苗(差し穂)を買う
「さつまいもの苗」とは、「挿し穂」のことです。品種によって長さが異なりますが、だいだい葉が5〜6枚ほど付いた20〜30㎝のつるで販売され、購入してからすぐに植え付けできます。植え付けがすぐにできない時は、袋に入れたまま冷暗所で保管すると、2〜3日程度日持ちします。
挿し穂の植え付け時期は、4月の上旬〜下旬で、5月になる前に植え付けを済ませるとよいでしょう。苗が萎れている場合は、植え付け前に半分ぐらい水を入れたバケツに苗を入れ、水を吸わせてから植え付けます。
種イモから挿し穂を作る
さつまいもは種子から育てるのではなく、種芋から差し穂を作って栽培します。さつまいもの種芋の作り方は以下の3つがあります。
- 水耕栽培
- 栽培溶液
- 温床栽培
種芋を作り始める時期は、3月〜4月の暖かくなり始めた頃、15〜25℃以上でよく成長します。気温が5℃以下だと発根しないので注意しましょう。種芋から挿し穂を作るメリットは、好きな品種で安く作れるところと、本数を調節できるところが魅力です。
水耕栽培
用意するものは、種芋になるさつまいもと入れる容器、お湯と水です。水につける前に、48℃程のお湯に40分くらい浸けると芽が出やすくなります。
種芋が水に沈むと腐ってしまう場合があるので、ペットボトルを切って使うと便利です。2〜3cm程水に浸すと、3週間程で発根し芽が出てきます。
置き場所は、室内の日当たりがよい場所に置き、水耕栽培の水は雑菌が繫殖しやすいので、3日〜5日程で水替えをした方がよいでしょう。ある程度芽が伸びてきたら、カットして土に挿すとぐんぐん成長していきます。
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サーモス(THERMOS)
栽培溶液
「 栽培溶液 」のやり方は水耕栽培とほぼ同じですが、違いはさつまいもを浸す水に、ハイポネックスやハイポニカなどの液体肥料を入れることです。土用の肥料だと成長に必要な栄養素が足りないので、水耕栽培用の肥料を水に混ぜるとよいでしょう。
水のみで育てるよりも肥料が入っているほうがよく成長しますが、栄養が多い分、雑菌の動きも活発になるので、水換えは毎日しましょう。
置き場所は室内の日当たりがよい場所です。水耕栽培や栽培溶液は土を使わないから衛生的。緑のハート形の葉っぱが育つので、観葉植物の代わりにもなりますよ。
温床栽培
「温床栽培」は、水耕栽培と違って土を使う栽培方法です。48℃のお湯に40分程つけて温水殺菌し、発泡スチロールの箱にわらを敷き、その上に培養土を入れて種芋の頭が少し出るくらいの深さまで植え付けます。
土の温度が下がらないように空気穴を開けたビニールをかぶせ、発芽を待ちましょう。芽が出るまでは水やりはしないで、発芽して土が乾いたら水やりします。
40〜45日くらいで葉数が7〜8枚になったら、下から2〜3枚葉を残して上部を切り取り、植え付け苗の完成です。切り取った苗は日陰で休ませ、発根してから土に植え付けます。
さつまいもの育て方のコツ
さつまいもの育て方は、言葉だけ聞くと一見ハードルが高そうですが、コツとやり方が分かれば難しいことはありません。
さつまいもの育て方
- 土づくり
- 畝(うね)つくり
- 植え付け(定植)
- つるがえし
- 収穫
どれも、さつまいもを元気においしく育てるのに必要な作業です。詳しくポイントを説明しますので、豊作を目指して是非チャレンジしてくださいね。
土づくり
さつまいもが好む土は、pH5.5〜6.0の弱酸性で、乾燥気味で通気性と水はけのよい土です。苗を植え付ける2週間前までに土づくりを行いましょう。
土のpHが酸性に偏っているときは、草木灰をまいて中和させましょう。草木灰には防虫効果とカリウム、リン酸などのミネラルが豊富なので、成長を助け実を大きく太らせる働きがあります。
元々さつまいもは、痩せた土地でも育つ強い植物なので、肥料はあまり必要ではありません。土作りの時は元肥だけで十分です。牛糞をまき、よく耕して土の中に空気を含ませておきましょう。
畝(うね)づくり
土ができたら、畝(うね)を作ります。畑だと幅45cm、高さ20〜30cmの高畝(たかうね)を作ると、水はけがよくなりますよ。畝間(うねま)に水たまりができないように気を付けましょう。
畝ができたら、黒いマルチシートで覆います。さつまいもは収穫できるまでの期間が長いので、マルチングすると雑草が生えにくく、地中の温度管理がしやすくなります。また、病害虫が付きにくくなるなどの効果もあります。
植え付け(定植)
畝にマルチングしたら、いよいよ植え付けです。株と株の間30cm位のところに穴を開け、苗を植え付けます。種芋や苗を深く植えてしまうと、芋が大きく育たなくなるので、10cmくらいのところで浅く植えこむとよいでしょう。
さつまいもの主な植え付け方には、
- 斜め植え
- 垂直植え
があります。詳しく見てみましょう。
斜め植えとは?
「斜め植え」は、苗を30度〜45度くらいの角度で土に挿して育てる方法です。畑や少ないスペースの地植えに向いていて、45〜60cmほど間隔を開けて、苗を1本植えこみましょう。収穫量は少なくなりますが大きめのさつまいもが収穫できます。
根が横に深く伸びていくので、雨が長期間降らなくても問題なく育ちます。
垂直植えとは?
「垂直植え」は、苗を真っ直ぐに植える方法です。苗が短い時や、プランターや袋栽培などに向いています。苗を土に深く挿して根を張っていくので乾燥に強い特徴があります。
根が縦に短く伸びていくため、丸っこい芋ができやすく、収穫量は減りますが養分が一点集中しやすいため、甘さが強くなりやすい植え方です。しかし、収穫する時に芋を掘りづらいデメリットもあります。
つるがえし
さつまいもは伸びたつるの間から、いもの生育の邪魔をする不定根が多く出るので、夏から秋の間に「つるがえし」をするとよいでしょう。不定根が地中に入ると、収穫できない小さなさつまいもになり養分を消費します。不定根を切って葉や茎を整えることで、収穫量を増やすことができます。
「つるがえし」のやり方は、伸びて茂ったつるを上に持ち上げて、不定根を切ります。つるがえしを繰り返すと地中の芋に必要な栄養分がいきわたり大きなさつまいもが収穫できるようになります。
切り取ったつるは、あく抜きをするときんぴらや煮物にしておいしく食べることができますよ。
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千吉(Senkichi)
収穫
9月下旬頃~11月頃がさつまいもの収穫時期。葉の色が、赤や黄色に変色し始めると収穫の目安になります。さつまいもは濡れてしまったり霜に当たってしまったりすると、余分な水分を含んで腐りやすく、貯蔵性が悪くなってしまうため、必ず晴れた日に収穫しましょう。
畑での収穫方法は、茎や葉を鎌などで刈り取った後、株元から少し離れた所にスコップを差し込み、大きく掘り起こします。プランターや袋の場合は、地上部の茎葉を15cmほど残して刈り取った後、鉢や袋ごとひっくり返し、株ごと一気に引き抜いたら収穫完了です。
【収穫後の貯蔵】甘いさつまいもには寝かせが必須!
- 芋は寝かせると甘くなるのはどうして?
さつまいもを貯蔵する事で、でんぷんが果糖などに変化するため甘さが強くなります。
収穫したてのさつまいもはでんぷんが多く、実はあまり甘くありません。12℃〜14℃の冷暗所で2〜4週間貯蔵すると、でんぷんが果糖などに変化して甘さが増します。このとき冷蔵庫での保存は、腐りやすくなるため厳禁です。
冷暗所がない場合は、芋を新聞紙でくるみ、蓋付きの発泡スチロールに入れて、直射日光が当たらない暗くて涼しい所で保存します。さつまいもは収穫後も呼吸するので、蓋に空気穴を開けておくと空気が入れ替わるので安心です。
さつまいものプランター栽培にチャレンジ!
さつまいもは「広い畑じゃないと育てられない」「家庭菜園では敷居が高い」と思っていませんか?実はベランダ園芸のプランターでも育てられます。
しかも、日光と雨水さえあればほったらかしでも丈夫に育つ上、夏の日差しを遮るグリーンカーテンも作ることができるんです。省エネもできて、さつまいもも収穫できるので、小学校の自由研究の題材にお子さんと一緒に楽しんではいかがでしょうか。
プランター栽培で準備するもの
プランター栽培で必要なものは、プランター、鉢底石、土、苗です。使うプランターは土の量が多く入る横幅60〜90cm、縦幅30cm、深さ30㎝以上のロングプランターに植え付けます。
材質は、手に入りやすいプラスチック製や、通気性の良い素焼き鉢がオススメです。鉢底石は土を入れる前に底に敷くと水はけがよくなり、余分な水分が底に溜まらないので根腐れしにくくなります。
プランター栽培のコツは?
さつまいもをプランターで育てるコツは、基本的に畑で育てるのと同じで、肥料を与えすぎない事と、湿気が苦手なので水はけをよくして乾燥気味に育てる事です。
プランターに土を入れる前に鉢底石を敷いてから土を入れると水はけが良くなります。水やりは、土の表面が乾いてからたっぷりと水やりします。水のやりすぎは腐る原因になるので、必要以上に水やりをしない方が良いでしょう。
さつまいもの袋栽培にチャレンジ!
さつまいもはプランターでも育てられますが、袋栽培も可能です。市販されている培養土の袋をそのまま使って育てることができます。
プランターに比べて深さがあるので大きく立派なさつまいもが収穫できるし、ゴミも少なくてとってもエコな栽培方法。ナチュラルな麻袋や不織布の袋に土を入れれば、グッとオシャレになるのでお世話するのが楽しくなりますよ。
袋栽培で準備するもの
袋栽培は、プランターで育てるよりも準備する物が少なく、袋と用土と苗だけです。市販の培養土を袋のまま使えば、新たにプランターを用意しなくてよく、小スペースで育てられて後片付けも楽ですよ。
やり方は、元肥入り培養土25L~40Lを用意し、地面に付く所の袋の角をハサミで切り、割りばしなどで20ヶ所ほど穴を開けて袋に水が溜まらないようにします。
5cmぐらい穴をほったら苗を垂直に植えてたっぷりと水やりし、苗が定着する10日ほど乾燥させないように水を与え、苗が成長し始めたら乾燥気味に管理します。
袋栽培のコツは?
袋栽培のコツは、日当たりがよい場所に置くことと、追肥をしないで乾燥気味に育てる事です。水はけをよくするには、袋に穴を開けるか、通気性の良い麻袋や不織布の袋を使用する方法があります。
さつまいもの袋栽培は、手軽に育てられて衛生的。病害虫の被害にも遭いにくいのがメリットですが、袋が強風で倒れやすかったり、水はけが悪くなったりとデメリットもあります。袋が安定しない場合は、壁などに立て掛けるか、フェンスに紐などで固定してもいいかもしれませんね。
【失敗しない!】さつまいも栽培の注意点
さつまいも栽培 は、どれも初心者には難しく感じられるかもしれませんが、コツさえ分かれば意外と簡単です。
さつまいも栽培の注意点
- 日当たり
- 水やり
- 肥料やり
- 病気
- 害虫
- 寒冷地での育て方
さつまいもは放任でも元気に育ちますが、日当たりや水やりはもちろん、病害虫や寒さには注意が必要。露地栽培、プランター栽培や袋栽培によって、多少お世話のやり方が変わってくるので、それぞれの育て方も詳しく紹介します。
さつまいもの日当たりは?
さつまいもは、日当たりが強く雨があまり降らない中央アメリカが故郷なので、日光が大好きな植物です。日当たりがよい場所で育てましょう。
1日あたり11〜12時間の日照時間が最適です。7時間以下の日当たりでは、芋の成長が阻害され、病害虫の被害に遭いやすくなってしまいます。ベランダのプランターや袋栽培では、最低でも日照時間を8時間以上確保したいですね。
さつまいもの水やりは?
植え付けする時以外、さつまいもはあまり水分を必要としません。基本的に水やりは雨に任せて大丈夫です。水のやりすぎは生育不良の原因や、いもが腐ったり病気にかかったりとトラブルのもとになってしまいます。
乾燥気味に育てて、必要以上に水を与えないのがコツです。プランターや袋栽培の場合は、表面土が乾いてから水やりをします。
さつまいもの肥料やりは?
基本的に追肥は必要ないですが、プランターや袋栽培のときは7〜8月に葉が黄色くなり始めたら薄い液体肥料を10〜15gを目安に少量与えるとよいでしょう。
肥料選びに迷ったらカリウムが豊富なさつまいも専用の肥料も販売されているので利用してみると大きなさつまいもが収穫できます。しかし多用すると「つるぼけ」して、さつまいも栽培に失敗してしまう可能性があります。
つるぼけとは?
- つるぼけって何のこと?
つるぼけとは葉や茎だけが伸びてしまい、地中のいもに必要な栄養が足らず、大きくならない現象の事です。つるぼけしたさつまいもは、おいしくありません。
つるぼけの原因
- 成長期に曇りや雨が多いこと
- 畑の水はけが悪い
- 前年の肥料が残っていて肥料過多になっている
- 耐肥性が低い品種を栽培している
さつまいもは窒素固定細菌と共生しているので窒素の吸収がとてもよいため、窒素分が多いとつるぼけになりやすくなります。葉茎が伸びてきたら定期的につるがえしをする。元肥に窒素分が少ない化学肥料や米ぬか、草木灰を混ぜ込むことで改善されます。
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ノーブランド品
さつまいもの病気は?
さつまいもがかかりやすい病気は
- さつまいも元腐病
- 立枯病
- つる割病
- 黒斑病
- 斑紋モザイク病
- うどんこ病
があります。
病気の原因は、窒素が多く含まれている肥料の与えすぎ、葉が茂りすぎて風通しが悪い、土壌のpHの値が高いなどがあげられます。葉や茎に異常が出た場合は、感染した葉を除去して薬剤を散布、葉を透かして風通しをよくしましょう。
元腐病はカビの一種が原因で葉や茎を枯らしてしまい、芋が腐敗し枯れてしまいます。感染率が高いので症状が出た時には手遅れの場合があります。元腐病にかかった苗を持ち込まない。水たまりができないように表面排水を徹底する。苗を消毒することで被害を抑えることができます。
さつまいもの害虫は?
さつまいもに付きやすい害虫は
- コガネムシ
- ヨトウムシ
- アブラムシ
- コナシラミ
- ハダニ
- イモムシ
- ハリガネムシ
- オオタバコガ
がいます。
さつまいもを連作すると、ドウガネブイブイやコガネムシが発生しやすくなります。地中の根を食べてしまうので、成長が悪くなることも。ヨトウムシやオオタバコガの幼虫は、葉を葉脈だけ残して食べてしまい、さつまいもの成長を阻害してしまいます。アブラムシは葉や茎に発生しさつまいもの養分を吸い取ってしまいます。
害虫被害が出たら、速やかに害虫を退治し、食品成分由来の殺菌殺虫剤を散布しましょう。ごまや枝豆、赤しそなどのコンパニオンプランツを一緒に植えると虫が付きにくくなるそうです。
さつまいもの寒冷地での育て方は?
さつまいもは暑さに強く、土壌環境を選ばない強くて育てやすい植物なのですが、寒さに弱いのが難点です。近年は寒冷地でも栽培が進んでいて、北海道など寒さが厳しい地域でも育てられる品種、ホクホク食感の「ゆきこまち」も生み出されています。
寒冷地でのさつまいも栽培のポイントは、雪が解けたら早めに土作りと畝(うね)を作り、黒いポリエチレンビニールでマルチングをし土の温度を上げる事です。
トンネル栽培を使って育てる場合は、5月ぐらいに苗を植えて、苗を寒さから守り気温が十分に上がったらトンネルを外しましょう。
【まとめ】家庭菜園でおいしいさつまいもを収穫しよう!
近所の畑で幼稚園生たちがさつまいも掘りを体験しているのを見ると「今年も秋が来たな…」と気付かされます。様々な料理で使えて食べやすく、甘くておいしいさつまいもは、大人から子供まで幅広く好まれる根菜です。
初心者でも丈夫で育てやすいうえに、狭いスペースでも育てられ、オシャレなグリーンカーテンも作れるさつまいもは、本当に使い勝手がよい野菜です。プランターや袋でも育てられるので、家庭菜園でさつまいも栽培を楽しんでくださいね。
この記事を読んで、「さつまいも」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。