【トマトの育て方】注意点や仕立て方、育て方をマスターして甘くておいしいトマトを収穫!

「トマト」は小学生の授業でも教材に使われる、夏の家庭菜園の定番。パッと目を引く鮮やかな赤は、料理には欠かせない存在です。最近では生活習慣病の改善にも期待されています。コツさえ分かれば簡単に甘くて美味しい鈴なりのトマトが収穫できますよ。

こちらの記事では、トマトの詳しい「育て方」や「注意点」「種類」「剪定の仕方」など盛り沢山で紹介します。


この記事を読んで、「トマト」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

目次

トマトの特徴

トマト」は、標高が高い南米のアンデス地方原産のナス科の植物です。日当たりが良く、雨が少ない過酷な環境で逞しく育っています。

トマトの8000種類以上の品種のうち、120種類ほどが世界中で愛され育てられています。日本に入ってきたのは江戸時代で、当初は見た目と味が好まれず観賞用として育てられていました。しかし、明治時代に入ると日本人の口に合った品種が開発され、幅広く普及するようになりました。

トマトの基本データ詳細
学名Solanum lycopersicum 
科属名ナス科ナス属
和名赤茄子、小金瓜、晩茄(ばんか)、唐茄子
英名Tomato
開花時期5月~8月
原産地南米アメリカ、スペイン領カナリア諸島
耐寒性やや弱い
耐暑性やや弱い
耐陰性なし
誕生花7/26
花言葉完成美、感謝

【トマトの種類】大玉・中玉・ミニトマトがあります

トマトと一言で言っても大きさ、色形、味や料理の用途など様々です。

トマトは、実の大きさや色別に分けられ、

  • 大玉
  • 中玉
  • ミニ
  • 赤色系
  • ピンク系
  • 黄色系
  • 黒色系

などバラエティが豊富なのが魅力の一つ。スーパーで買い物する際は、色形はもちろん品種にもこだわると新しい発見もありそうです。こちらではトマトの大きさ別に分けて詳しく解説していきます。

大玉トマトの人気の種類

大玉トマトの種類は

  • 桃太郎
  • 麗夏
  • サンロード
  • サターン

流通している大玉トマトのほとんどが「桃太郎」で、甘みが強く適度な酸味が特徴。黄色の「桃太郎ゴールド」も人気です。また、農林水産大臣賞にも選ばれトマトの王様と呼ばれる「麗夏」未割れが少なく甘さが強い「サンロード」、トマト本来の酸味が味わえる「サターン」などもおすすめです。

大玉トマトは重さが150g以上。「サラダ」や「マリネ」など生食のほかにも、果肉がしっかりしているので「カレー」や「おでん」などの煮込み料理に最適です。

中玉トマトの人気の種類

中型トマトの種類は

  • フルティカ
  • シンディースイート
  • サンマルツァーノ

トマトの中でもトップクラスの糖度があり、甘く口の中に残りづらくて食べやすい「フルティカ」、糖度も高く味と酸味のいバランスが良く栄養たっぷりの「シンディースイート」、イタリア料理によく使われ、加熱すると甘さとコクが増して美味しくなる「サンマルツァーノなどがあります。

ミディアムトマトとも呼ばれており、40〜150g以下が中玉トマトです。甘みが強く丈夫で育てやすい上に、収穫量が多いので家庭菜園で人気です。

ミニトマトの人気の種類

ミニトマトの種類は

  • アイコ
  • キャンディドロップ
  • つやぷるん

ミニトマトは栽培が容易で、家庭菜園初心者でも育てやすいのでおすすめです。甘みと旨みが強く、子供でも食べやすい「アイコ」糖度12~13度以上になるキャンディドロップ」皮にツヤと透明感がある「つやぷるん」などがあります。

ミニトマトはカラフルで可愛らしく、トマトの味が苦手な人でも食べやすい種類が多いのが魅力です。並べるとまるで宝石のよう。

トマトの仕立て方を解説!

トマトの仕立て方には、以下の二つがあります。

トマトの仕立て方

  • 一本仕立て
  • 二本仕立て

一本仕立てとは、栄養を分散させないように脇芽を全部取り除き、主枝だけを残して、成長させる仕立て方です。質の向上が期待できるので、特に大型トマトの育成に向いています。

二本仕立てとは、主枝のほかにもう一本脇芽を伸ばし、枝を二本にして育てる方法です。二本仕立てにすれば、収穫量を格段に増やす事ができます。

【量より質】大玉トマトの一本立て!

こちらでは「大玉トマトの一本立て」のやり方を詳しく説明します。

  1. 脇芽を欠き、一本をしっかり育てる
  2. 枝が成長したら支柱を一本立てて、枝を固定する
  3. 摘果する

脇芽を摘み取るときは、全部取るのではなく少し残すのがコツ。大玉は実が重いのでしっかりした支柱を立てましょう。実がなり始めたら、ひと房あたり4〜5個残して摘果すると実が大きく育ちます。

【初心者におすすめ】中玉・ミニトマトの二本立て!

こちらでは初心者向けに「中玉・ミニトマトの二本立て」のやり方を詳しく解説します。

  1. 主幹から出ている脇芽を一つ残し、10~15㎝程になるまで成長させる
  2. 枝が成長したら支柱を二本立てて、枝を支柱に固定する
  3. 余分な脇芽が出てくるので脇芽を欠いて間引く

これで二本仕立ての完成です。初心者でも簡単に仕立てる事ができ収穫量もUPします。ただし、大玉トマトの二本仕立ては中級~上級者向けです。大玉トマトは二本仕立てにするのは難しく、実が不揃いになり失敗しがちなので注意して行いましょう。

トマト栽培の3つの注意点

トマトの栽培で注意するポイントがいくつかあります。

トマト栽培の注意点

  • 水分
  • 連作障害
  • 剪定

トマトは南米大陸の高地が原産で、昼夜の温度差、乾燥と日光を好む性質があるので水分調整は必須。また、トマトは連作できない野菜です。脇芽が生えやすいので適切な剪定も行います。詳しく見てみましょう。

【水分調整】雨よけを作ろう

トマト栽培のコツで一番に挙げられるのは、水分調整のための「雨除け」です。トマトは日本の高温多湿が苦手で、水分過多になると、実が割れて見た目が悪くなるだけでなく、トマトの旨みや味が落ち、水っぽくなりおいしくありません。

雨除けを一から作るのは手間がかかるので、ホームセンターやネットショップなどで「雨除けセット」を購入すると良いでしょう。

【連作障害】ナス科の野菜は毎年同じ畑に植えない!

連作障害って何?

前年と同じ野菜を同じ畑で育てると、上手く育たない障害のことをいいます。

トマトは「ナス科」なので、ナスを植えても同様に育たなくなります。連作障害は、土壌の栄養素や植物の成長にかかせないミネラルが減り、微生物のバランスが崩れ、病害虫が増えるのが原因です。

連作障害の改善方法は、1度作った場所では同じ野菜は作らず、輪作(数年間、マメ科やイネ科などトマトと違う科の野菜を植えるや、完熟堆肥などを混ぜて微量要素と微生物を増やすこと、コンパニオンプランツを植えるなどが挙げられます。

【剪定】摘芯、摘果、脇芽を欠く

トマトはほかの野菜に比べて成長スピードが早く、葉や脇芽がどんどん生えてきます。また、実が沢山なりすぎてしまうのも質が落ち、良くありません。

余分な新芽や実を放置すると必要な栄養が分散し、実がまずくなったり、うまく育たなくなったり。実が熟すまでに時間がかかる場合もあります。また、葉が茂りすぎると通気性が悪くなり、病害虫が発生することも。

トマトが成長したら茎の先端を摘芯し、余計な脇芽や実を取って、栄養を全体にいきわたらせましょう。

トマトの入手方法

「家庭菜園で育てたい野菜」の中で不動の人気のトマトですが、苗や種などはいつ頃、どこで買えばいいのでしょうか。

トマトの入手方法

  • ポット苗で買う
  • 種子をまいて育てる

トマトの苗や種子は、ホームセンターの園芸コーナーやスーパー、農協の直売所などでも購入できます。

「ポット苗」を買うメリットは、種から育てる手間がなく、土とプランターと肥料があれば手軽に始められるところです。「種子」は3月頃から出回りますが、加温ビニールハウスや室内で管理できない場合、寒さで枯れてしまう失敗があるかもしれません。

【初心者向け】ポット苗で購入

育成に慣れていない初心者は、5月のゴールデンウィークの時期に出回る「ポット苗」の購入をおすすめします。苗選びのコツは、全体的に緑が濃く間延びしていないもの、葉に虫食いや変色など異常がないものを選ぶと良いでしょう。

トマトは根張りが良いので、鉢植えの場合は、苗1本に対して大きめで深さがあるプランター(10号鉢や深さ30㎝以上の鉢)を選ぶのがおすすめです。

【中級者以上向け】種まきをする

種から育てる場合は、3月ごろ培養土に種まきをし、15~27℃の室内の温かい場所で管理します。霧吹きで水を与えて、乾燥しないようにラップで蓋をしておくと、だいたい4日から一週間程で発芽。芽が出たら土が乾かないように毎日水やりをします。

発芽したら、徒長させないように気を付けましょう。昼は暖かく日の当たる窓辺に置き、夜は窓から入る冷気が当たらない場所に置きます。成長した苗は、平均気温16℃以上、暖地なら4月下旬ごろから定植可能です。

【家庭菜園に!】トマトの育て方

こちらでは家庭菜園にぴったりのトマトの育て方を紹介します。

放任でも病気にかかりにくく、元気に育つトマトですが、愛情と少しの手間をかけてあげると、よりおいしいトマトを収穫できます。トマトが好む「環境」「水やり」「肥料」や、かかりやすい「病害虫」まで詳しく解説します。

トマトの好む環境は?

トマトの好む環境は?

日当たりが良く、昼夜の寒暖差があり乾燥している場所が適しています。また、弱酸性の土壌だとよく育つようです。

畑では雨除けの対策を。プランターで育てる場合は、日当たりが良く、雨が直接当たらない軒下に置くとよいでしょう。室外機の前熱風が出るので、苗が痛む原因になるので置かないようにしましょう。

トマトの日当たりは?

トマトは日光が大好き。健康に育てるためには最低4~5時間以上、日に当たる場所が最適です。日あたりが4時間以下だと日照不足になり、ひょろひょろした不健康な苗になってしまいます。

また、強すぎる光に長時間当たると、実が日焼けしたり、裂けてしまったりする場合があります。遮光シートを使うと光を調節できて便利です。

トマトの水やりは?

トマトは日中に水を吸い上げて成長していきます。大玉トマトはミニトマトよりも水を欲しがるので、苗の状態をみて水やりしましょう。葉っぱが萎れてきたら水やりのサインです。

鉢植えでは、涼しい朝に鉢底から水が出るくらいたっぷりと水やりしましょう。ただし、水のあげ過ぎは要注意です。

地植えの場合は、基本的に雨に任せて大丈夫です。一週間以上、雨が降らなかったら朝か夕方に水やりをしましょう。

トマトの肥料は?

トマトは意外と肥料を使います。即効性肥料を使用し、まず植え付けの時に元肥を施し、次に、一番最初の実が大きくなり始めたら追肥をします。

さらに3段目、5段目と花が咲き始めたら追肥すると、次々と実が大きく育ちます。葉が細長くなり始めたら肥料切れのサイン。肥料を追加しましょう。

トマトがかかりやすい病気は?

トマトがかかりやすい病気は、

  • 青枯病
  • 黄化葉巻病
  • 灰色カビ病
  • 萎凋病
  • 尻腐れ病

茎や葉が萎れ、最悪の場合枯れてしまいます。実が黒くなることも。原因は、連作障害から起こるミネラル不足や、梅雨時期の高温多湿、または水切れしすぎの環境です。連作を控える、水はけのよい土に植える、地植えの場合は土が高温にならないように藁を引く、使ったはさみは消毒する、適量の水やり、などの対策を取ると改善される場合があります。

トマトに付きやすい害虫は?

トマトにつく害虫は

  • アブラムシ
  • コナジラミ
  • アザミウマ
  • ヨトウムシ
  • オオタバコガ
  • テントウムシダマシ
  • ハモグリバエ
  • ハダニ

特にアブラムシが厄介で新芽の先端について繫殖し、植物の汁を吸って株を弱らせ、排泄物で菌が育つのでうどんこ病などを媒介します。見つけ次第、割りばしなどでそぎ落とし、殺菌殺虫剤を散布します。

食べ物なので農薬が気になる場合は、木酢液やトマト専用の薬剤を散布しましょう土にまくタイプとスプレータイプがあるので用途により使い分けます。

【簡単にできる!】トマトの挿し木の方法方

トマトは、切った脇芽を使って簡単に増やす事ができます。

やり方は二通りあります。

  • 挿し木
  • 寝かせ植え

暑くなる前の6~7月頃に増やす準備をするのがいいでしょう。ちなみに脇芽を成長させた株は、親株と全く同じクローンになるそうです。おもしろいですね。

トマトの挿し木のやり方

トマトの挿し木は簡単にできるので、初心者向きです。

挿し木のやり方

  1. 挿し木に使う脇芽や枝を切り取り、葉を少し落とす
  2. 葉を落とした脇芽を水に挿して発根するまで待つ
  3. 一週間ほど経ち、しっかり根が出てきたら土に植えつける

失敗しないコツは、根が出るまでは毎日水を交換する事と、日向ではなく明るい日陰で管理すること。暑さや日差しでダメにするリスクを減らせます。

トマトの寝かせ植えのやり方

ここでは、地植えのみの増やし方「トマトの寝かせ植え」のやり方をご紹介します。

トマトの寝かせ植えのやり方

  1. 植え付けたい場所に横長で浅めに穴を掘り、たっぷりと水をかける
  2. 湿らせた土に苗を置き、茎に土をかぶせる
  3. 苗の先端が立ち上がってきたら支柱を立てる

本来トマトは這うように成長するので寝かせ植えに向く植物。大型~小型のトマト全般で行えます。力強く成長し、病害虫にも強くなりますよ。ただし、根が吸う水分量が多くなるので、実割れしやすくなるので注意が必要です。

【まとめ】上手に育てて家庭菜園でおいしいトマトを収穫しよう!

昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるぐらい栄養豊富なトマト。トマトが嫌いな人でも食べやすい、糖度が高い品種も人気です。近年では生活習慣病の改善効果に注目が集まり、美容面でもトマトジュースは「飲む日焼け止め」として期待されています。

育てやすく家庭菜園でも大人気です。見ているだけで元気になれそうな「トマト」を育てて、暑い夏を乗り越えましょう。


この記事を読んで、「トマト」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

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