【ニンニクの育て方】正しい栽培方法やコツをわかりやすく解説!
食欲をそそる香りで料理を引き立たせてくれるニンニク。たくさんの栄養が含まれており健康食品としても知られています。しかし、「初心者でも育てられるか不安」「病害虫の被害によって収穫できなかった」という悩みを抱えている方もいることでしょう。
そこで今回は、ニンニクの正しい育て方を紹介します。ポイントさえ抑えていれば初心者でもニンニクを育てることは可能です。この機会にニンニク栽培に挑戦してみましょう。
この記事を読んで、「ニンニク」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
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目次
ニンニクの種類
ニンニクは気候の影響を受けやすい野菜です。地域によって育てやすい種類が異なるため、品種選びが重要となります。ニンニクの種類は主に以下の4つです。
【ニンニクの種類】
- ホワイト6片
- エレファントガーリック
- 平戸
- 嘉定
次の章でそれぞれのニンニクの特徴について紹介します。家庭菜園で育てる場合は自分の住んでいる地域に合った種類のニンニクを選択しましょう。
ホワイト6片
ホワイト6片は、寒冷地域向けのニンニクです。日本のニンニクの収穫量トップである青森県でよく栽培されており、市場にも多く出回っています。
東北から北関東地域であれば育てることが可能です。暖かい地域で育てると太りが悪かったり冬場に病気にかかったりと、失敗するケースが多々あります。
また、ホワイト6片は鱗片が大きく、よく見かけるニンニクの形です。ニンニク特有の香りは強いですが食べやすい品種なので、様々な料理に使えます。
エレファントガーリック(ジャンボニンニク)
エレファントガーリックは、ジャンボニンニクや無臭ニンニクとも呼ばれている品種です。手のひらサイズくらいの大きさで、通常のニンニクよりも大きいのが特徴。リーキという西洋ネギの仲間になります。
四国・中国・九州地域などの温暖な気候で栽培するのがおすすめです。エレファントガーリックは普通のニンニクよりも育てやすいため、初心者にもおすすめの品種となります。
また、エレファントガーリックはニンニク臭のもとである「アリシン」という成分が少ないです。その代わりに「サポニン」という成分が多く含まれており、肥満予防・免疫力アップ・肝機能向上・動脈硬化予防が期待できます。
平戸
平戸は、暖かい地域での栽培がおすすめのニンニクです。流通量は少なくスーパーでもあまり見かけません。
ニンニク特有の香りが強く味もしっかりしており、ニンニクの風味を楽しみたいという方にぴったりです。葉ニンニクとしても食べられるので、普通とは違ったニンニクを育ててみたい方は選んでみてください。
嘉定(かてい)
嘉定は葉ニンニクとして栽培されることの多い品種です。鱗片は小粒タイプで、すぐ外側の薄皮は赤紫色をしています。
嘉定は暖かい地域で栽培するのがおすすめです。また、鱗片が小さく葉の収穫が目的となるため、株間が狭くても育つのが特徴。プランターでも栽培できるため家庭菜園にぴったりです。
ニンニクの栽培時期
- ニンニクの栽培時期はいつ?
ニンニクは、9月~10月に植え付けて5月~6月に収穫します。
植え付けのタイミングは温度で決めてください。温暖化の影響によって、夏の暑さが長引くことがあります。暑さが厳しい時期にニンニクを植え付けるとウイルスが原因の病気にかかりやすいです。
そのため、少し涼しくなった秋頃に植え付けるようにしましょう。ただし、植え付け時期が遅く寒くなりすぎると、根の張りが悪くなります。根の張りが悪いとニンニクの太りが悪くなるため、気温20℃を目安にするのがおすすめです。
ニンニク栽培で用意するもの
ニンニクの栽培では、以下のものを用意してください。
【準備物】
- 種球
- プランター
- 土
ニンニクの栽培で失敗しないためには、必要なものを事前に準備しておくことが大切です。
種球
ニンニクの種球は、ホームセンターや種苗店で購入できます。見た目はニンニクそのものですが、あらかじめ生育の向かないものを取り除いてくれているため、初心者は販売されているものを購入しましょう。
また、ニンニクの種球は自作することも可能です。自分で種球を用意する場合は、前年に作ったニンニクを利用します。風通しの良い場所に吊るすなどして低温で保存してください。選別する際は鱗片が大きく立派なものを選びましょう。
プランター
家庭菜園でニンニクを栽培する時はプランターを利用するのがおすすめです。用意するプランターは丸型でも長方形でも構いません。
丸型を選ぶ場合は、10号サイズがおすすめです。10号サイズで大体3株のニンニクが収穫できます。長方形を選ぶ場合は、65型サイズを選びましょう。収穫量は大体4株程度となります。持ち運びやすいサイズのため、収穫量を増やしたい場合はプランターの数で調節するのがおすすめです。
土
プランターでニンニクを育てる時には、一般的な野菜用培養土を用意します。ホームセンターなどで簡単に入手できるもので問題ありません。
地植えで育てる場合は植え付け3週間前に堆肥を混ぜ、2週間前に石灰を混ぜます。pHは5.5~6.0にしましょう。また、植え付け1週間前には元肥を混ぜてください。
ニンニクの育て方・栽培方法
ニンニクは品種選びを間違えなければ、初心者でも育てられます。正しい育て方を知らなければ成功率が下がるため、ここからはニンニクの育て方・栽培方法を紹介します。
【育て方】
- 植え付け
- 水やり
- 肥料
- トウが出たら
- 収穫
初心者でもニンニクの栽培ができるようにポイントも紹介するのでぜひチェックしてください。
鱗片を植え付ける
ニンニクは、鱗片が種となります。用意しておいた種球の表皮を剥がして、1片ずつになるよう分けます。分けた時に分球を包んでいる薄皮はそのままにしておきましょう。
鱗片の中から、大きく形が整ったものを選別して植え付けます。干からびていたりカビが生えている鱗片は生育不良の原因となるため、避けてください。
また、植え付ける時は株間15cm、深さ5cm程度の穴にとがった方を上にします。植え付け後はたっぷりと水をあげるのがポイントです。
土が乾いたら水やりする
ニンニクは、乾燥に強く湿気に弱い植物です。そのため、水やりは土が乾いたタイミングにする程度で構いません。
土が湿った状態が続くと根腐れを起こす可能性があります。また、水をやりすぎて土が過湿状態になると病気の原因となる菌も増えやすくなるので、水のやりすぎには注意しましょう。
年3回追肥をする
肥料は年に3回与えるのが基本です。時期は12月・2月・3月となります。65型サイズのプランターで育てている場合は、化成肥料で20gずつ与えてください。
ニンニクは光合成によって葉で作られる養分が、冬の間に根と茎に蓄えられます。冬の間に十分生育させておくことが重要となるため、この時期に追肥を行いましょう。
トウが出たら摘み取る
ニンニクは、4月~5月頃にトウが出ます。放置しておくと、花に栄養がいき、球が太らなくなります。そのため、トウが出て外葉と同じくらいの高さになったら摘み取るのがポイントです。
トウは手で掴み引っ張ることで抜けます。また、手で折っても問題ありません。また、摘み取ったトウはニンニクの芽として調理して食べるのがおすすめです。
収穫する
- ニンニクの収穫時期はいつ?
ニンニクは、地上に出ている葉の2/3程度が枯れたら収穫の時期です。
大体、5月下旬から6月にかけて収穫できます。収穫をする時は、株元の茎を手で握って真上に引き抜きましょう。
中々抜けない時は根が成長しているため、もう少し待ってから収穫するのがおすすめ。また、収穫は土が乾いた時に行いましょう。収穫後は畑や軒下に並べて乾かしてから保管してください。
ニンニクで発生しやすい病害虫
ここからは、ニンニクに発生しやすい病害虫を紹介します。病害虫による被害は意外と多く、その内容と対策方法を知っておくことが大切です。
【ニンニクで発生する病害虫】
- 病気
- 害虫
次の章で詳しく解説していくのでチェックしておきましょう。
発生しやすい病気
ニンニクで発生しやすい病気は以下の5つです。
- 赤さび病
- モザイク病
- 葉枯病
- 春腐病
それぞれの病気の詳細と、対策方法について次の章で解説します。
赤さび病
さび病は、葉の表面にさびのような盛り上がったオレンジ色の斑点ができる病気です。斑点は長い楕円形で小さく、表皮が破れて胞子が飛び散った様子が赤さびのように見えることから「赤さび病」と呼ばれています。
さび病の原因はカビです。斑点が破れて胞子が飛び散ることで周囲の株にも伝染するため注意しなくてはなりません。被害を抑えるためにも発病した葉は全て処分し、石灰を撒くことで菌の広がりを抑えます。
モザイク病
葉の表面にモザイク状の病斑が現れるのがモザイク病です。葉に萎縮・ねじれが生じます。モザイク病はアブラムシによるウイルスの媒介が原因となることが多いです。また、ニンニクの場合は植え付けた種球がすでに感染している可能性もあります。
モザイク病に感染した場合、治療する方法はありません。病気が拡大することを防ぐために発病株は抜いて処分しましょう。また、モザイク病に感染したニンニクを種球にしてしまわないよう注意してください。
葉枯病
葉枯病とは、ニンニクの葉に淡褐色の病斑ができ、黒くてすす状のカビが発生する病気のことです。病気が進行することで病斑は癒合し、大型の斑点となります。
葉枯病の原因となるカビは高温多湿を好むため、春頃に被害が拡大することが多いです。葉枯病を防止するためには、水はけの良い土で育てることが有効的。病気に感染した場合は症状の出ている葉を取り除き、薬剤などを利用しましょう。
春腐病(はるぐされびょう)
春腐病は、細菌性の病気です。葉に水浸状の病斑ができ、症状が進行すると病斑も大きくなります。病斑が葉の根本に広がる頃には柔らかく腐ったようになり、軽く引っ張るだけで切れてしまうでしょう。そのまま放置していると、株元が柔らかくなり球も腐ったようになります。
春腐病は水はけの悪い土や窒素過多の状態だと感染しやすくなるため、環境づくりが大切です。また、菌は土の中に残ってしまうため、プランター栽培では新しい土を使用してください。
発生しやすい害虫
ニンニクに発生しやすい害虫は以下の4種類です。
- ネギアブラムシ
- チューリップサビダニ
- ロビンネダニ
- アザミウマ
ニンニクは害虫が発生しやすく、対処法を知らないと収穫に影響が出ます。また、害虫の種類によって駆除方法や防止方法も異なるため、注意したい害虫について知っておくことが大切です。
次の章で、害虫ごとにどのような被害があるのかを紹介します。また、駆除方法についても解説するのでチェックしておきましょう。
ネギアブラムシ
ネギアブラムシとは、ネギ属の野菜の葉や花に寄生して吸汁する害虫のことです。体長1.7㎜~2.2㎜の黒色の虫で、ニンニクの養分を奪って成長を妨げます。
アブラムシは大量発生しやすい害虫です。数が少ないうちに取り除くことが被害の拡大を防ぎます。また、ウイルスを媒介する虫でもあるため、アブラムシを発見したら葉に病斑が出ていないかよく確認しましょう。
チューリップサビダニ
チューリップサビダニとは、ニンニクの球茎や茎葉に寄生する害虫です。サビついたように褐色になるのが特徴です。
肉眼で確認することはできず、被害に気づいたら薬剤で駆除するのが一般的。また、サビダニがついたニンニクを種子用として使用することで繁殖するため、注意が必要です。
ロビンネダニ
ロビンネダニは、ニンニクの根に寄生して食害をする害虫です。地上部の生育が徐々に悪化。被害が拡大することで、ニンニクの球の成長が悪くなったり、根が空洞化され腐敗したりします。
春~秋に発生する害虫で、特に5月~7月に多いです。苗や球根とともに畑に持ち込まれるため、植え付け前に根を確認しましょう。
アザミウマ
アザミウマは、ニンニクの葉を吸汁する害虫です。アザミウマに吸汁されると葉の色が黄緑色に薄くなるのが特徴。体長は1㎜ほどで黄色い見た目です。
4月から10月に発生しやすく、周囲に雑草があると繁殖するため気を付けてください。アザミウマの駆除には、農薬ではなくハエ捕り紙を使うのが有効的です。
正しい育て方・栽培方法でニンニクを楽しもう
今回は、ニンニクの育て方について紹介しました。ニンニクの栽培をするときは、自分の住んでいる地域に合う種類を選択することが大切です。
病害虫による被害もあり、初心者だと栽培が難しいと思うことがあるかもしれません。しかし、ポイントさえ抑えていれば栽培は十分可能であり、収穫できた時の喜びは大きいです。この機会に、ニンニク栽培に挑戦してみてください。
この記事を読んで、「ニンニク」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
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