【柿の育て方】秋の味覚、おいしい柿を家庭菜園でも育てよう!人気の種類や育て方を解説

オレンジ色の美味しそうな柿を見ると「秋が来たな」としみじみ感じさせられます。ビタミンCとカリウムが豊富で、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるくらい栄養満点の柿。近年、海外でも人気があるようです。

柿にまつわる話やおすすめの品種など、盛りだくさんで柿をご紹介しますね。花が咲かない、実がつかないなどのトラブルの対処方法もお教えします。


この記事を読んで、「柿」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

目次

柿とは?

柿は、東南アジア原産のカキノキ科カキノキ属の落葉樹で、30年〜100年と寿命が長く、放任でも育てることができます。日本でも自生しており、渋柿が突然変異で甘くて美味しい柿になったとされます。「桃栗三年柿八年」とあるように、木を植えて実が収穫できるようになるまでに、長い時間が必要な果樹です。

柿は縄文時代から現代まで生活に根づいていて、古くから漢方薬や家財道具などに使用され、渋柿に含まれている苦みの成分タンニンは防虫、防腐、撥水効果があるので、革を使いやすくする工程の時に使われています。

項目詳細
学名Diospyros kaki
科属名カキノキ科カキノキ属
英名 Japanese persimmon
園芸分類果樹
原産地 東南アジア、日本、台湾
樹高2ⅿ~5ⅿ
耐寒性強い
耐暑性強い
耐陰性ある
開花時期5月~6月
花色薄緑
花言葉自然美、優しさ、恩恵、優美、広大な自然の中で私を永遠に眠らせて

柿の花言葉

柿の花言葉にはどのようなものがあるのでしょうか?

  • 自然美
  • 優しさ
  • 恩恵
  • 優美
  • 恵み
  • 広大な自然の中で私を永遠に眠らせて

自然の恵みを連想する言葉が多いです。秋に実を鈴なりにつけてくれて、厳しい冬を乗り越えるための保存食になってくれる柿にピッタリの花言葉ですね。優しい花言葉が多い柿ですが、怖い花言葉もあります。広大な自然の中で私を永遠に眠らせてです。なぜ、このような意味がついてしまったのかは分かっていないですが、熟した実は落下し、時間が経つと腐敗していく様子から、自然に帰る様子が由来になったようです。

【柿の成分】美容と健康におすすめ!

「柿が赤くなると医者が青くなる」トマトと同じようなことわざがありますが、美容と健康にどのような効果があるのでしょうか。

柿には免疫力や美白効果があるビタミンCと、むくみの解消と血圧やコレストロールを下げるカリウムが豊富に含まれています。更に、柿に含まれるタンニンは二日酔いにも効果があるようです。

美容と健康に効果がある柿ですが、食べ過ぎは体を冷やす、お腹がゆるくなる、胃石ができやすくなるなどの原因になります。美味しくても一日一個にしておきましょう。

【ちょっと怖い伝説】柿から落ちると死ぬ?

柿の木は縁起が悪いのですか?

運や良い事を「かき(柿)」集めるので、神聖で縁起のいい木と言われています。

子供の頃、柿の木に登ると「柿から落ちると死ぬ」とよく怒られました。なぜ、柿の木に登ってはいけないのでしょう。

柿の枝は折れやすいので、木に上ると重大な怪我になりやすいのもありますが、柿を神の恵みの神聖なものと扱って、神様が宿る木に上ると罰が当たると考えられていたようです。大切な柿を守る為の迷信であり、科学的根拠はありません。

また西日本では、女性が嫁入りするときに柿の苗木を持参して嫁ぎ先の庭に植え、お嫁さんが亡くなった時に切り、薪にしたり、骨を拾う箸を作ったりしたそうですよ。

おすすめの柿の品種10選

柿は、健康ブームで海外からも人気があり、甘さが強いものや色形、大きさなどとても個性豊かで、原種を含めると約1000種類あります。美味しい柿の選び方は、柿のお尻部分が変色していなくて、へたが乾燥や変色していない、ずっしりと重いものを選びましょう。

こちらでは、人気の種類を10種選びましたので、甘さだけじゃなく、大きさや食感、渋柿など好みに合わせて柿を選んでくださいね。

品種収穫時期
次郎柿(じろうがき)甘柿10月中旬~11月中旬
富有柿(ふゆうがき)甘柿10月中旬~11月中旬
太秋柿(たいしゅうかき)甘柿10月上旬~11月中旬頃
大豊(たいほう)甘柿11月中旬~下旬
恋姫(こいひめ)甘柿10月下旬~11月上旬
西村早生柿(にしむらわせがき)不完全甘柿9月下旬~10月上旬
百目柿(ひゃくめかき)不完全甘柿10月中旬~11月下旬
禅寺丸(ぜんじまる)不完全甘柿11月上旬~中旬
平核無柿(ひらたねなしかき)渋柿10月下旬頃~11月
蜂屋柿(はちやかき)渋柿11月中旬~11月下旬

【家庭菜園】柿の育て方

柿は年数が経つと、放任でも元気に育ってくれますが、適切な水やりや剪定をすると、実の収穫量が増えて美味しくなります。

柿を上手に育てるポイント

  • よく日光にあてる
  • 乾燥させない
  • 水や肥料をこまめに与える
  • 適切な剪定

こちらで、柿の育て方を詳しく解説します。柿につきやすい病気や病害虫の対処法もありますので、参考にしてくださいね。

柿の好む環境

柿は日当たりを好む植物です。日照不足になるとせっかくできた果実が落下したり、病害虫に被害にあったりと上手く育つことができません。一日の日照時間は、最低でも8時間以上日が当たる場所がよいでしょう。

日光が好きとはいえ、若木や鉢植えの場合は、夏の西日に当たりすぎると葉焼けする場合があるので、日当たりがよい南側に置くようにしましょう。鉢植えの場合は、日当たりも大事ですが、長雨や霜に当たらないように、風通しがよいテラスや、軒先などに置くと安心です。

柿の植え付け

柿の植え付け時期は、地植えと鉢植えも同じで、12月〜1月に植えつけます。寒冷地では気温が暖かくなる春に植え付けします。地植えの場合は50cm程の穴を掘って、腐葉土や肥料を混ぜ合わせて、苗木を植え付け、水やりすれば完成です。大きく育つので植える場所には気を配りましょう

鉢植えの場合は、7号以上の大きな鉢に、水持ちがいい用土と元肥を入れて植え付けます。バランスが悪くて倒れてしまう場合は、支柱を立てると安定しますよ。乾燥が気になるときは、敷きわらをするとよいでしょう。

柿の水やり

地植えの場合は、根が地中深くに伸びて水分を吸収するので、基本的に雨に任せて大丈夫です。乾燥が苦手なので長く雨が降らなかったり、気温が高い日が続いたりした場合は、涼しい朝方や夕方に水やりをするとよいでしょう。

鉢植えの場合、成長期の5月〜9月は水を欲しがるので、朝と夕方に鉢底から水が出るくらいたっぷりと水やりします。水が少ないと実が落ちてしまったり、葉が枯れたりします。葉が丸まってしまった、しわしわになってしまった場合は水切れのサインですので見逃さないようにしましょう。

肥料やり

柿の収穫量を増やしたいなら、年に3回肥料を与えるとよいでしょう。肥料やりの時期は、12月〜3月の植え付けるときに元肥を入れます。

二回目は、木の成長を助けるために6月頃に夏肥として速効性の化学肥料を与えて、花が終わった後にお礼肥として9月〜10月に化学肥料を与えます。

土が少ない鉢植えの場合は、一回に与える肥料を少なくすると、肥料焼けなどのトラブルに合いにくくなります。油かすなどの有機肥料を地植えと同じように与えるとよいでしょう。ゆっくり肥料が効いていくので、実の味がよくなりますよ。

蕾摘・摘果

柿をたくさん実らせたいなら摘蕾・摘果を忘れずにおこないます。

「摘蕾」は4月~5月に行い、余分な蕾を取ることで、残した蕾に栄養が行き渡り、よい実ができるようになります。形がいい蕾は残して、形が崩れている蕾や先端についた蕾は取り除いておきましょう。

6月~8月に柿は実をつけ始めますが、一つに枝にたくさん実をつけて放置すると、翌年の実付きが悪くなります。少しもったいないですが、隣り合った実や不揃いの実を間引き、翌年の余力を残し、実を成長させましょう。

柿の病気

柿がよくかかりやすい病気は、うどんこ病、すす病、落葉病、などがあります。

うどんこ病やすす病は、剪定不足や風通しが悪いことでアブラムシやカイガラムシが発生して、カビ菌が繫殖してなる病気です。感染した枝を切って薬剤を散布すると良いでしょう。

落葉病は、7月~9月に発生しやすく、葉に丸い斑点ができ、葉をどんどん落としていきます。葉が早い段階で落ちてしまうと、木が弱り実に必要な栄養が行き渡らないので、美味しくなくなってしまいます。感染源の落ち葉は焼却し、5月~6月に薬剤を散布しておきます。

柿の害虫

ヘタムシは、6月と8月によく発生し、柿のへたから実の中に侵入し、実を落下させてしまいます対処法は、幼虫が侵入する前に、オルトランやベニカスプレーを散布しておくとよいでしょう。

イラガの幼虫は、6月〜9月に発生します。毒性がある棘を持ち、葉を大量に食べ、繫殖が強いのであっという間に幼虫だらけになってしまうでしょう。

対処法として、冬にイラガのまゆを焼却するか、数が少ない場合は、割り箸などで取り除きます。ベニカスプレーなどの殺虫剤を散布しましょう。木酢液を散布しておくとよってこなくなりますよ。

柿の年次別の剪定方法は3パターン!

柿は地植えだと、大きくなるので剪定が必要。放置すると日当たりが悪くなったり病害虫が繫殖しやすくなり、ひどい場合、木が枯れてしまいます。適切な時期に剪定をして柿を健康に育てたいですね。

柿を植えた年数による剪定方法

  • 1~2年目の切り戻し
  • 3年目の剪定
  • 4年目以降の剪定方法(着果)

柿の剪定時期は寒くなり始めた11月頃に行います。冬剪定の目的は、切り戻しと透かし剪定です。不要な枝を剪定して、日当たりと風通しよくしておきます。枝を刈り込みすぎると花芽まで切ってしまうので、注意が必要です。年数別の剪定方法をまとめました。

1~2年目の切り戻し

1年目は、根を伸ばす環境を整えて植えるので、地上部もよく成長します。70cm程の高さになったら、冬に直立した枝や小枝の先端を少し切っておきます。6月頃に横に伸びる枝を誘引しておきましょう。2年目の時に、1年前に伸びた枝を半分の長さで切り戻し、主枝を3〜4本残して自然樹形にしていきます。実をつけるには、まだ若すぎるのでじっくりと成長させましょう。

3年目の剪定

3年目の剪定は、主枝にする枝を3~4本に決めて、亜種枝は2~3本合計9本に絞ります。

柿は、3年目になると樹高が大きくなり、幹がもくなっていきます。枝も太く立派に育つので、樹高を高くしたくない場合や枝が邪魔になったら、強剪定しても大丈夫です。

強剪定した後は、傷口に癒合剤を塗って保護し、黒ずんだ枝や込み入っている枝を切って、実に養分を集中させます。伸びた枝を切りすぎてしまうと、実がつかなくなってしまうので注意しましょう。

4年目以降の剪定方法(着果)

4年目以降は、いよいよ実の収穫ができるようになります。収穫するために剪定が重要になってくるので、しっかり剪定していきましょう。枝が込み合った所や交差している枝、徒長枝など、柿の成長を邪魔しそうな枝は切り、主枝の先端を半分ぐらい剪定します。

いい実をたくさんつけそうな母枝だけ残して、ほかの枝は予備枝になりそうな物だけ残します。切り戻しをしたときに、花芽まで切ってしまうと花が咲かなくなってしまうので気をつけてください。

柿のトラブル・失敗例・お悩みを解決!

収穫を楽しみにしていたのに、実ができないのはなぜ?

様々な原因がありますが、剪定の時に花芽まで切っていた、養分が足らない、などがあります。

秋になって美味しい果実を収穫するのが、柿を育てる醍醐味です。「収穫を楽しみにしていたのに実が落ちてしまった」「実が思ったよりならなかった」などトラブルはなるべく避けたいものです。

主な柿の失敗例

  • 花が咲かない
  • 実が落ちる
  • 実が少ない
  • 枝が枯れる
  • 背が高くなり過ぎた
  • 枝が枯れる

これらの失敗には、必ず原因があります。柿のトラブルで多い5つの原因を詳しく解説しますね。

花が咲かない

花が咲かない主な原因は、剪定の際に花芽を落としてしまったからだと考えられます。柿は、夏以降に新しく生えてきた枝に花芽がつき、秋に実がなるので、夏から秋の間に伸びた枝を全て刈り込んでしまうと、花が咲かなくなってしまいます。

夏の剪定は、軽く樹形を整える、枝を間引く程度にしておきましょう。どうしても剪定したいときは、生育が良くたくさん実をつけそうな母枝の先端を残し、他は切ってしまっても大丈夫です。

実が落ちる(生理落果)

柿の自然現象の一つに「生理落果」があります。6月〜7月に受粉をし、種子ができていない実を、より良い子孫を残すために柿自身が落とす現象です。原因は木が実を作るまで成長できていない、肥料が足らない、日照不足や水が足らない、害虫が発生しているなどがあります。

対処法としては、年に3回の追肥をしっかり与え適度な剪定をして日光にしっかりとあてるとよいでしょう。日照りが続いたときは、様子を見て水を与えます。ヘタムシが原因で実が落ちてしまうことがあります。害虫が発生したら薬剤を散布します。

実が少ない(隔年結果)

柿は毎年手入れをしないと、翌年に実がならない隔年結果」という現象がおきます。柿は豊作の年と不作の年を繰り返す木なので、あまり心配しなくても大丈夫です。

柿は7月〜8月に花芽を作るのですが、実が多すぎると、翌年の花芽まで養分がいかなくなり、実がつかなくなります。隔年結果を防ぐには、花が咲く前の5月頃に、余分な花芽を取り除いておきます。木の大きさに合わせて実の数を調節してあげましょう。

枝が枯れる

長年柿の木を放置すると、突然、枝が枯れてしまう場合があります。

原因は、日照不足、枝枯れ病や胴枯病にかかっているかもしれません。剪定の時にできた傷口から雑菌が侵入し、菌が繫殖したことが原因です。対処法として、症状が出た枝を切り落とし、風通しよくして日光によくあてること、剪定の際できた傷口に癒合剤を塗ることで再発を防ぎます。

背が高くなり過ぎた

樹高が高くなってしまったら、思いきって強剪定をして高さを調節しましょう。柿は本来5m以上になる木なのでどうしても大きくなりがちです。そのままだと管理がしにくいので、1m〜2m程に剪定するとよいでしょう。柿は年を取るほど実ができづらくなるので、株の更新のためにも剪定が必要です。

11月頃から3月の間でバッサリと強剪定しましょう。主幹を切ると、柿は枝を横に伸ばす性質があるので、管理がしやすくなりますよ。

【まとめ】家庭菜園でおいしい柿を収穫しよう!

散歩をしていると樹齢が50年以上の立派な柿の木をよく見かけます。柿は栄養満点で、一日にひとつ食べると風邪をひかないと言われています。柿は庭に植えると、お金が集まり、子孫繫栄するといわれ、古くから庭木に好まれています。

よく日に当てて、水やりと追肥をこまめに与えると実がたくさんなりますよ。鉢植えなら、場所も取らずに気軽に楽しめるのでぜひチャレンジしてみてくださいね。


この記事を読んで、「柿」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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