【プロ庭師おすすめの片手刈込鋏9選】正しい選び方や使い方、使いやすい商品をまとめて紹介
2023/07/06
生垣の刈込みや植木の剪定をしている時に、大きな刈込鋏ではきれいに揃えたり細かい葉の刈込みが難しいですよね。そのような時に便利なのが、片手刈込鋏です。道具を持ち替えるのは面倒ですが、状況にあった鋏を使うことで作業がスムーズに進むだけでなく、仕上がりも段違いに変わります。
園芸用の鋏には、ほかにも剪定鋏や花鋏、枝切り鋏などいろいろありますが、今回は刈込に便利な片手刈込鋏にフォーカスしていきます。プロの庭師がおすすめする片手刈込鋏や、購入する時の選び方などを分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
片手刈込鋏とは
刈込鋏というと、両手で握って枝葉を切る大きな鋏をイメージするのではないでしょうか。片手刈込鋏は小型の鋏で、片手で持って刈込んでいくタイプの鋏です。庭木の葉刈りの仕上げや盆栽など、細かい部分を刈っていくのに使われます。狭いスペースで細かい動きができるように、刃が細めなのも特徴のひとつです。
刃には両刃と片刃があり、両刃は柔らかい葉を切るのに向いていますが、枝を切れるようにはできていません。片刃は、柔らかい葉だけでなく太めの小枝まで切れるという違いがあります。
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片手刈込鋏のメリットは「使いやすさ」
片手刈込鋏は、細い若枝や葉、根切りなどにも便利で、使いやすいところが一番のメリットです。両手で使う刈込鋏は、狭いスペースや細かく修正したいところでは繊細な動きができません。その点、片手刈込鋏は狭いスペースにすっと差し込んだり、ちょっとした手直しで細かい刈込を行ったりできます。
太い枝は切れませんが、庭木の葉や草花、盆栽などの仕立てなどに使い勝手がよいので、1本持っていると便利です。
片手刈込鋏の正しい使い方
片手刈込鋏は、柔らかい葉や若枝を切るための道具なので、太い枝や堅いものを切ろうとすると刃が欠けたり歪んだりしてしまいます。間違って堅いものに刃を当ててしまわないよう注意しましょう。
柔らかい葉は刃先で、若枝は刃元で切ると、切りやすいです。生垣をきれいに仕上げる時は、刃を斜めにして整えたい方向に切っていくと、自然な仕上がりになります。
使い終わったら、ヤニを取り汚れを拭き取って掃除をしておくことが、長く使うコツです。ヤニは専用のクリーナーか、なければお湯で拭き取るときれいになります。刃先が出ていると危ないので、収納ケースか刃先用のサックに入れて保管しましょう。
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片手刈込鋏はどう選べばいい?
片手刈込鋏を選ぶには、次の3つを基準に考えるのがおすすめです。
片手刈込鋏の選び方
- 刃の素材
- 補助機能
- ブランド
それぞれ、具体的に解説していきます。
刃の素材で選ぶ
鋏は、刃の素材によって切れ味や持ちが異なります。片手刈込鋏を選ぶ時は、用途やメンテナンスの手軽さなどを考慮しましょう。
切れ味に優れている「鋼製」
シャープな切れ味の片手刈込鋏が欲しいなら、鋼製を選びましょう。刈込鋏の鋼は、耐久性や耐摩耗性に優れた刃物鋼が使われているので、適切なメンテナンスを行っていれば長く愛用できます。錆びやすいので、使った後はヤニ取りなどを行い、常にきれいにしておくことが大切です。
よい鋏を手に入れたら、定期的なメンテナンスもおすすめします。その際、購入した製造元で研ぎ直しを行っていれば、そこにメンテナンスを依頼するのが一番です。
製造元なら鋏の特徴をよく理解しており、最適な状態にしてくれます。研ぎ直しだけでなく、全部ばらして歪みの調整などまで行ってもらえれば、より長く使い続けられますよ。
サビにくい「ステンレス」
使用頻度が少なかったり、切る時にそれほど細かい調整を必要としないのであれば、扱いやすいステンレス製がよいでしょう。切れ味は鋼製よりは劣りますが、大幅に変わるわけではないので普通に使うには十分です。
ステンレスは錆びにくいため、鋼製ほどメンテナンスを必要としません。ただし、絶対に錆びないわけではないので、使用後は最低限のメンテナンスとして、布で水気や汚れを拭き取ってきれいな状態で保管しておきましょう。
補助機能で選ぶ
鋏なので切る機能さえあれば十分ですが、ほかにも便利な補助機能があれば使いやすくなります。片手刈込鋏によくある補助機能は、ガードやストッパーです。
ガードは、グリップにリング状についているものです。鋏を持った時に手を保護してくれたり、使用中に手から落下するのを防いでくれます。
また、ストッパーは、グリップの下部についていることがほとんどです。グリップを閉じておく機能があり、使わない時に刃先が開かないようにしてくれます。輪になったものや、鉤状で引っかけるタイプなどがあります。
ブランドで選ぶ
鋏は、鍛冶の伝統の流れに沿って作られてきた背景もあり、刃物の有名な産地で製造されているものも多くあります。その中でも、こだわりのあるブランド製の片手刈込鋏は、使い込むことで手に馴染み、長く愛用したくなる魅力を持っています。
今回は、次の3つのブランドをセレクトしました。
メンテナンスまで請負う「竹二作」
竹二作は、刃物の産地、兵庫県小野市にある多鹿治夫鋏製作所のブランドです。昔ながらの製法で一丁ずつ丁寧に作られている鋏は、どれもプロ仕様で抜群の切れ味や使い心地の良さを得られるでしょう。竹二作の片手刈込鋏は、大型、細型、330㎜の3タイプ揃っており、切る枝の太さや使いやすさ、持ちやすさで選べます。
メンテナンスでは研ぎ直しをしてくれるので、長く愛用できる良い鋏を持ちたい方に向いています。ホームページでは、自分でできるメンテナンスの方法も動画付きで紹介しているので、こちらも参考にしてください。
本職用の造園道具メーカー「村久」
山形県にある野村屋製鋏所の「村久」。庭師や果樹園、農家など、園芸のプロなら、誰でも知っているといっても過言ではない、剪定鋏の草分け的な製鋏所です。本職用の道具として名高い園芸用の鋏は、どれも高級感があり使っていくほどに手に馴染んでいきます。
片手刈込鋏もシンプルながら、切れ味のよさや使いやすさは長く使うほどに実感できるでしょう。メンテナンスしながら長く使っていきたい、プロ仕様の道具を持ちたいという方におすすめです。
職人の手で丁寧に仕上げる「鋏正宗」
鋏正宗は、兵庫県小野市にある吉岡刃物製作所のブランドです。刃物の産地として名高い地域で、洋裁鋏から始まり現在では刈込鋏を中心とした園芸用の刃物が製造されています。
こだわりは、「よく切れて、長く使え、持った時のバランスがよい」こと。プロの職人が満足して使えるように、高い技術と経験で丁寧に修正や調整を行いながら仕上げています。
研ぎ直しやメンテナンス依頼は、年間1,000丁以上。一旦全部分解して研ぎ直しや部品交換を行ってくれますが、使用者の使用感や癖を活かした仕上げをしてくれるので信頼も厚いのでしょう。
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プロの庭師がおすすめ!片手刈込鋏9選
ここからは、プロの庭師がおすすめする片手刈込鋏を、ランキング形式でご紹介していきます。
1位 吉岡刃物製作所 鋏正宗 軽量片手刈込鋏ガード付
材質 | 特殊鋼 |
全長 | 233㎜ |
刃渡り | 102㎜ |
重さ | 260g |
ブランド/メーカー | 鋏正宗/吉岡刃物製作所 |
繊細な切れ味で長く使えるプロ仕様の1本
鋏正宗の片手刈込鋏の中でも、一番コンパクトで軽いタイプ。手の小さな方でも使いやすいサイズ感で、柔らかい葉から6㎜の枝まで剪定可能です。刃物の産地である兵庫県小野市でプロの職人により、1本1本丁寧に作られた鋏は、持った時のバランスや切れ味が優れています。
切れ味が落ちにくいように裏スキが付いていたり、手を保護するガードがあったりと、使いやすさへの配慮も。メーカーでのお任せメンテナンスを利用すれば、長く使える鋏として愛用できますよ。
2位 飛庄 根切鋏
材質 | 特殊鋼 |
全長 | 270㎜ |
刃渡り | – |
重さ | 310g |
ブランド/メーカー | 飛庄/飛塚製鋏所 |
握り幅の設定で長時間仕様も疲れにくい
剪定鋏の産地のひとつである山形で、丁寧に作られた鋏。受け継がれてきた鋳造技術と丁寧な手仕上げによって、繊細で鋭い切れ味を体感できます。長時間握っていても疲れにくいのは、軽量仕上げなだけではありません。手の握り幅が適度な箇所で止まるように作られているので、開き具合を握ることで支える必要がないからです。
また、握り部分は、赤と黄色でビニールコーディングが施してあります。滑りにくさだけでなく、紛失防止や日中や日没時の見づらい時間に役立つ視認性の良さも特徴です。
3位 千吉 金 片手刈込鋏
材質 | 刃物鋼 |
全長 | 270㎜ |
刃渡り | – |
重さ | 380g |
ブランド/メーカー | 千吉金/藤原産業株式会社 |
刃長タイプで仕上げ作業が効率的に
様々な工具や道具を扱う藤原産業による園芸刃物のオリジナルブランド「千吉」の、さらに上位ブランド「千吉金」の片手刈込鋏です。片手刈込鋏の中でも刃が長いタイプで、葉刈りなどの仕上げ作業がスピーディに行えます。
柔らかい葉から生木なら10㎜の太さまで切断でき、整枝や剪定にも役立つので1本あると便利です。手を保護したり落下防止のガードも付いているので、扱いやすいでしょう。
4位 兼次 片手刈込鋏 金止
材質 | 本体:特殊刃物鋼 柄:スチール |
全長 | 270㎜ |
刃渡り | 130㎜ |
重さ | 282g |
ブランド/メーカー | 兼次/キンボシ株式会社 |
鋭利な刃先と長刃が狙い狩りに最適
刃物の産地、兵庫県小野市に本社を構えるキンボシによる、片手刈込鋏。様々な園芸用品を展開する1870年創業のメーカーで、安心安全な日本製の道具を改良を重ねながら製造しています。この片手刈込鋏の特徴は、刃先が鋭利なことと、刃が長いことです。
長さを活かして、届きにくい茂みの奥側の葉も容易に刈れます。繁った枝も、狙いを定めて刈りたい部分を剪定できるので、細かい作業に便利です。細い枝や根を切るのにも使いやすいですよ。
5位 博之作 山形打刃物 本職用 片手刈込鋏
材質 | ヤスキ鋼 |
全長 | 270㎜ |
刃渡り | 105㎜ |
重さ | 320g |
ブランド/メーカー | 博之作/花盾産業株式会社 |
太めの枝も切れる片刃タイプ
室町時代から続く刀鍛冶の伝統を受け継いだ「山形打刃物」の技術による、片手刈込鋏。鋏の大きさに対して軽量なので、長時間の作業でも疲れにくいでしょう。
葉刈りには両刃が多いですが、こちらは片刃なのも特徴です。刃の根元で回し切りすれば、多少太めの枝でも剪定できます。刈込だけでなく、根切りにも使いやすいですよ。
6位 ニシガキ プロ200 葉刈鋏
材質 | 刃:ハードクロムメッキ、ハンドル:軽量アルミ |
全長 | 300㎜ |
刃渡り | 150㎜ |
重さ | 270g |
ブランド/メーカー | プロ200シリーズ/ニシガキ工業株式会社 |
あらゆる要望を満たした機能性に優れた鋏
プロ仕様の剪定鋏や植木鋏をはじめ、数多くの剪定道具を扱うニシガキによる片手刈込鋏の特徴は、使いやすさを追求した充実した機能にあります。刃のハードクロムメッキは、ヤニや錆びに強く汚れを落としやすいので手入れが楽です。さらに滑らかな切れ味になるよう鏡面仕上げがされており、裏スキも施されています。
ハンドルは滑り止め加工がされた軽量アルミ製。ハンドル下部のストッパーは、内側に収納できるので、作業中に邪魔になりません。ガードは取り外し可なので、状況に応じて付けたり外したりできますよ。
7位 Kamaki Z-26K ガード付葉刈鋏
材質 | 合金鋼 |
全長 | 260㎜ |
刃渡り | 120㎜ |
重さ | 230g |
ブランド/メーカー | KAMAKI/有限会社岸本農工具製作所 |
お値打ちな片手刈込鋏を探している方にぴったり
1887年の草刈鎌製造から始まり、様々な剪定鋏や刈込鋏を手掛ける岸本農工具製作所の、片手刈込鋏。手ごろな価格で、園芸初心者にもおすすめです。
刈込での葉切り以外にも、細い枝や雑草の切断にも向いています。ガードが付いているので、持ちやすくサクサク作業できますよ。
8位 ドウカン 道灌作 鍛造片手刈込鋏
材質 | 真鍮 |
全長 | 270㎜ |
刃渡り | 130㎜ |
重さ | 310g |
ブランド/メーカー | 道灌/株式会社ドウカン |
葉刈りや太めの小枝の剪定に
家庭用や園芸用の鋏を各種製造、販売する株式会社ドウカンの、片手刈込鋏。日本最古の鍛冶の街と言われる兵庫県三木市で製造する鋏は、伝統と技術に研鑽を重ねて作られたものです。
手の保護や落下防止のガード付き。片刃タイプなので、太めの小枝も楽に切れます。
9位 豊稔光山作 片手刈込鋏
材質 | 鋼 |
全長 | 270㎜ |
刃渡り | – |
重さ | 260g |
ブランド/メーカー | 豊稔光山作/株式会社豊稔企販 |
丁寧に鍛造された片刃タイプ
打刃物を伝統工芸とする兵庫県三木市の豊稔企販が製造する、片手刈込鋏。切れ味を追求した鍛造で、一丁一丁を職人が丁寧に仕上げています。
長刃で奥の葉刈りにも最適です。片刃タイプなので、太めの細い枝の切断にも使えます。
まとめ:自分の手に合った商品を選んでみよう
今回は、片手刈込鋏をピックアップしましたが、鋏を選ぶ時に大切なのは自分の手にぴったり合うかどうかです。持ちづらかったり動きがぎこちなくなってしまう鋏では、思うような刈込ができないでしょう。
また、よい鋏は、使っているうちに癖を覚えて手に馴染んでいきます。せっかく道具を揃えるのなら、ぜひ自分の手に合うよい鋏を選んで愛用しましょう。
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