【プロ庭師おすすめの釿5選】大工道具に欠かせない神器を徹底開設
2023/09/26
大工の仕事に欠かせない神器である釿。プロにとっては見慣れた道具ですが、一般の方が見かけることは少ないです。しかし、釿は手彫りならではの味を出せる重要なアイテムであり、木材加工には欠かせません。
今回は、釿の特徴と種類について紹介します。釿を購入したい方のためにプロおすすめの商品も紹介するのでぜひご覧ください。
目次
釿とは
- 釿って何?
釿とは、木の表面を削る道具のことで斧の種類です。
釿を木の表面に打ち付けることで丸や波のような模様を付けることが可能。デザイン性を持たせたい時に使われます。読み方は「ちょうな」で、見た目は直角に曲がった杖のような柄に平たい刃がついています。
釿の名前の由来には様々な説がありますが、有力なのは手斧「ておの」の読み方が変化して「ちょうな」となった説です。他にも漢字の「丁」の字に似ているため「ちょうな」になった説もあります。
大工用語の「釿始式」とは
釿始式とは、防府天満宮で行われる宮大工の仕事始めを古式に則り行う神事のことです。大工の棟梁が神前で行います。
宮司らの見守る中、烏帽子・直垂装束の棟梁6人が立派なヒノキ材に古式通りの所作・伝法を奉納されます。
釿はあまり使われない道具?
- 釿は現在も使われている?
現代では、鉋や電動工具が普及したことで釿を使用する方は減りました。
しかし、宮大工や木地師の中には使用している方もいるため、大工にとっては現役の道具です。釿で表面を加工することで独特の味わいが出ます。削り跡をわざと残す技法は名栗と呼ばれ、日本建築で昔から使われていました。
また、日本ならではの伝統的な建築デザインであり、こだわりたい方には必須の道具です。失われつつある分化ですが、釿を愛用する職人達によって受け継がれています。
釿の正しい選び方3つ
釿にはいくつか種類があります。目的によって選ぶ釿は異なるため、特徴を把握しておくことが大切です。釿の選び方のポイントは以下の3つ。詳しく解説するので確認しておきましょう。
釿の選び方
- 種類
- 柄の素材
- 柄の曲げ方
①種類で選ぶ
釿は、刃先の形状によって以下の3種類に分類されます。刃先の形状によって適切な使用目的は異なります。では、それぞれの形の特徴と使用用途について確認していきましょう。
釿の種類
- 東型
- 奴型
- 蛤型
- コウモリ型
東型
東型は、丸太の皮剥き・粗削り・仕上げに適しています。昔は関東型とも呼ばれていました。刃先は約12cm程度です。
奴型
奴型は、東型の刃先を広げたものです。刃先の長さは約13.6cmのものが多くなっています。東型よりも木に触れる面積が広くなるのが特徴です。
蛤型
蛤型は、板などを仕上げる際に使われるタイプです。刃先が蛤のような形をしているため、蛤型と呼ばれています。刃にアールが付いており使い方次第では様々な意匠を施せる道具です。
コウモリ型
コウモリ型は、名前のとおり刃先がコウモリのような形をしています。大工の中にはコウモリ型を長年愛用している方もいて、人気の形です。
②柄の素材で選ぶ
釿を選ぶ時は柄の素材にも注目しましょう。釿は手で使う道具です。柄の素材によって使いやすさや頑丈さは異なります。ここでは、一般的に使用されている以下の2種類を紹介。特徴をチェックしておきましょう。
柄の素材
- エンジュ
- エゴノキ
腐れや割れが入りにくい「エンジュ」
エンジュは落葉樹の一種で原産国は中国です。日本では街路樹として植えられており、白い花が咲いているのを見たことがある方も多いでしょう。
エンジュは腐りにくく割れにくい素材です。また、堅い素材でもあり、家の内装材や家具にも使われています。非常に丈夫な素材のため、頑丈さが求められる釿の柄として選ばれました。
堅くて加工に適した「エゴノキ」
エゴノキは、チシャノキとも呼ばれており日本全国で見られる落葉樹です。比較的新しい釿に使用されています。
堅くて丈夫な素材であり、加工がしやすいため日本の伝統工芸で使われてきました。釿の柄以外にも、和傘の柄として使用されています。
③柄の曲げ方で選ぶ
柄の曲げ方も釿を選ぶ時に注目したいポイントです。木を釿の柄の素材として使用する場合、大きく湾曲させる必要があります。柄の曲げ方は主に2種類です。
1つ目の方法は、伐採する前の枝を紐で縛って曲げクセを付けます。古くからある方法ですが、釿の需要が減ったことで見かけることはほぼゼロです。
2つ目の方法は、曲げ木と呼ばれています。伐採した枝を煮込み柔らかくしてから曲げます。習熟するまでに時間はかかりますが、今でも用いられている手法です。
プロの庭師がおすすめ!釿5選
釿の選び方について紹介しましたが、購入するべき商品のイメージはできたでしょうか。ここからは、「商品選びに迷ってしまう」「プロおすすめの商品が知りたい」という方のためにおすすめの5商品を紹介します。チェックして購入したい商品を探す参考にしてください。
イトー 臼彫り ちょうな内鋼
なぐり彫り用の釿です。スプーンで削ったような模様を施す加工の際に使用します。やさしくて滑らかな曲線を無造作に作れるのは、殴り彫りの釿ならではの味わいです。
丈夫な素材で作られており、長く愛用できるアイテムです。価格は決して安くありませんが、伝統的な殴り彫りを作れるため価格以上の価値を感じられます。
エスコ 55mm/450mm 丸ちょうな
刃の形状が丸になっている釿です。全長約450mmで重量が900gと重量感のある商品となっています。
刃には炭素工具鋼が使用され、柄にはヒッコリーを採用。丈夫な素材のため長く愛用できます。
エスコ 50mm/280mm 丸ちょうな
全長280mmの少しコンパクトな釿です。重量も600gと軽量化されており、長時間の作業でも手が疲れにくくなっています。
また、刃にはクロムバナジウム鋼が使用されており、研磨することで長く使用可能です。
ちょうな(平)
平たくまっすぐな刃が使用された釿です。全長約460mmで使いやすい一般的なサイズ。刃はクロームバナジウム鋼で作られています。
柄の部分に工夫が施されており、手にフィットするようカーブしています。持ちやすいので作業中に手が滑って落としてしまうこともないでしょう。
ハスクバーナ 手斧 38cm
コスパのいい釿ですが、職人による1点もののハンドメイド品で品質は抜群です。柄の部分は丈夫なヒッコリーで作られており、壊れる心配はありません。
また、専用の皮ケースが付属しており安全に保管できます。作業前に取り外すことで移動中などに怪我をすることもありません。
まとめ:欠かせない大工道具「釿」を使いこなそう
今回は、釿の選び方について紹介しました。購入したい商品は見つかりましたか?釿は大工道具として欠かせないアイテムです。長く愛用するケースがほとんどですので、使用目的を明確にして自分に合う商品を選んでください。
また、自分の相棒となる釿を見つけて、名栗など日本の伝統的な技法を守っていきましょう。