【しだれもみじの剪定方法110番!】モミジの正しい剪定時期や美しい紅葉のための育て方を徹底解説!

紅葉時期のしだれもみじは、秋の日本の趣たっぷり。しかし、お手入れのコツがわからず、「剪定を自分でやってみたら、枝に風情が感じられない!」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?

「剪定」と一言でいっても、ただ単純に枝や葉を切るだけではありません。美しい姿をそのままに、健康的で大きく強い木に育てるためには正しい知識や情報が必要です。

しだれもみじの枝の「しなり」の優美さは、正しい時期の剪定によって生まれるもの。今回はしだれもみじで知っておきたい正しい剪定方法・時期・育て方などを詳しく解説します。


この記事を読んで、「しだれもみじ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

目次

しだれもみじの種類

しだれもみじはどんな種類があるの?

しだれもみじには、青しだれと紅しだれがあります。

しだれもみじとは、ヤマモミジの園芸品種として作られたもみじの一つです。なよやかに枝垂れる枝から名づけられています。

紅しだれは、春の芽吹きの頃から葉が紅色であることが由来。夏は少し緑がかった色になり、秋の紅葉シーズンに褐色~黄色に色づきます。

青しだれの由来は、枝葉が青々としていることから。涼し気な風情が魅力で、滝や灯籠の演出にも高い人気を誇ります。和風庭園でも愛用されているのが特徴です。緑色の葉は、初夏は濃い緑で、秋には黄色への変化が楽しめます。

しだれもみじの剪定時期は冬

庭木は「枝の伸びが気になってきた頃に剪定すればいい」というものではありません。しだれもみじも適切な時期の剪定が重要。最適な剪定時期は、落葉の終わった12月~翌年1月頃です。

剪定は、樹木に対して少なからずダメージを与えます。そして、冬は樹木が休眠期に入る時期です。休眠中の冬時期に剪定することで、しだれもみじへのダメージを最小限に抑えることができます。

また、2月以降は、しだれもみじの樹が春の芽吹きに向け活動をスタートし、樹木全体を巡る樹液が増えます。剪定の時期が遅れると、切り口から大量に樹液が流れ出てくるため、1月中には剪定を終わらせましょう。

「忙しくて12月頃の剪定が難しい」という場合、それよりも前の10月に剪定を行っても問題ありません。徒長枝などを切り落としてください。落葉が終わる時期が大体10月前後なので、そのころから剪定のスケジュールを考えておくとスムーズです。

しだれもみじの剪定方法

目に鮮やかな赤色の葉と、しだれもみじ特有のたおやかな枝垂れを楽しむには、適切な方法での剪定は不可欠です。

しだれもみじの剪定のために、以下のポイントを知っておきましょう。

  • 基本の剪定は「透かし剪定」
  • きれいな「しなり」をつくる
  • 剪定した切り口は癒合剤で保護しておく

ここからは、しだれもみじの実際の剪定方法について、詳しく解説します。

基本は透かし剪定で

透かし剪定とは?

透かし剪定とは、別名「間引き剪定」。今の樹形を維持した状態で、バランスの悪い太い枝や伸びすぎた長い枝を、間引くように剪定します。

透かし剪定で枝葉の混みあった部分をすっきりさせることで、樹木の奥まで太陽の光が届き、風通しが良くなります。病害虫の予防にも繋がるので、必ず行ってください。

また、枝の長さ・太さを均一に揃えることによって、栄養がしだれもみじの樹木全体に行き渡り、バランスのよい見た目に仕上がります。

弱々しく細い枝などはなるべく剪定し、全体のバランスを見ながら整えてください。

きれいな「しなり」をつくる

風に流れる繊細な枝先。しだれもみじが愛される理由の一つは、自然樹形が持つ「しなり」です。まずは、剪定する枝と、剪定しない枝の選別をしましょう。

美しい自然樹形のしなりを維持するためには、外側へ伸びる枝を残して、幹のある内側へ伸びる枝を剪定してください。

しだれもみじは、あまり手を加えなくても自然に樹形が整う樹木なので、内側に伸びる枝やバランスの悪い枝を切るだけで、綺麗にまとまります。

剪定後は切り口を保護しよう

剪定した切り口は、癒合剤で保護しましょう。

剪定は樹木の健康を維持するためのものですが、切った直後は樹木にダメージを与えます。特に、しだれもみじは傷に敏感なので、剪定時の切り口に雑菌が入り病気になることも珍しくありません。

樹木全体が弱って見た目が悪くなったり、枯れてしまったりすることもあるため、癒合剤を切り口に塗布して雑菌の侵入を防いでください。

しだれもみじの剪定の注意点

剪定の際、しだれもみじの枝を一度に大量に切り過ぎると、切り口から必要な養分が出てしまいます。切り過ぎに注意してください。

ただし、形の悪い枝は中途半端に切ると、また同じような枝が伸びてきます。伸びるたびに剪定する手間を省くために、枝の根元からしっかり切り落としましょう。

しだれもみじの育て方・増やし方

初夏の新緑から徐々に色づき、秋の紅葉まで、しだれもみじには季節ごとの美しさがあります。上手に管理して、美しい変化を楽しみましょう。

また、お世話に慣れてくると「お気に入りのしだれもみじを増やしたい」と思う方もいるはず。

ここからは、しだれもみじで育てる上で知っておきたいポイントや、増やし方について解説します。

日当たりのよい場所、適した用土で育てる

日本の秋らしい紅葉を楽しむためには、日当たりの良い場所で育てる必要があります。

秋にしだれもみじの葉が赤く染まる理由は、葉に含まれるアントシアニンという赤色色素によるもの。アントシアニンは秋になると光合成によって増えるため、日当たりのいい場所に植えると綺麗な色づきが期待できます。

しだれもみじの用土も、樹木の健康な生長に欠かせません。赤土玉:腐葉土:黒土=6~7:1~2:1~2程度の割合で混ぜたものを用意してください。

庭木・鉢植えに適したやり方で水やりする

じょうろ

地植えか鉢植えかによって、季節ごとの水やりの回数・量も異なります。

しだれもみじは地植えの場合は、雨だけで十分。水やりは不要です。鉢植えの場合は、季節によって水やりの頻度が変わります。

鉢植えの場合の水やり頻度

  • 春・秋:1日1~2回
  • 夏:1日2回
  • 冬:2~3日に1回

特に夏時期は日照りで土が乾燥しやすいため、土や樹木の状態をチェックしながら、水を十分に与えてください。冬は水のあげすぎに注意しましょう。

しだれもみじは、2月や3月頃は眠っているようにみえて活動を始めています。そのため、しっかりと水を与えて大切に育ててあげましょう。

肥料を与える時期を意識する

肥料

しだれもみじは手間をかけるほど美しく色づきます。肥料を与える時期を忘れないでください。

植え付けてから1年の若木のうちは、4~6月中に1回、有機肥料を与えます。1年が過ぎて成木になってからは、4月・11月の年2回、有機肥料を与えましょう。

有機肥料とは、油粕や鶏糞などの動植物由来の肥料です。化学肥料と違い、即効性はないものの、ゆっくりと持続した効果が期待できます。

しだれもみじを挿し木するコツ

しだれもみじを何年もお世話している方の中には、挿し木で増やす上級者もいます。

ただし、初心者にとって挿し木はかなり難しく成功率は低め。成功率を上げるためには以下のポイントがあります。

しだれもみじの挿し木のポイント

  • 挿し木は6~7月に行う
  • その年に生まれた若い枝を選び、10cm程度に切る
  • 葉を2~3枚残した状態でコップの水に挿し、1時間給水させる
  • 切り口に発根促進剤を塗布する
  • 小粒の赤土玉に挿し木し、明るい場所で管理する

挿し木の管理での注意点は、水切れと日当たり。水切れしないように毎日確認し、直射日光に当たらない明るい場所で育ててください。

発根したら鉢に植え、その後、様子を見て地植えします。

しだれもみじの苗木の植え付け方法

しだれもみじの苗木を庭に植え付ける際は、植え付け2週間前から準備が必要です。

まずは、日当たり・風通しの良い場所を選び、50cmの深さの穴を掘ります。次に、掘った土に緩効性の肥料や腐葉土・たい肥を混ぜて穴に戻し、2週間かけて土壌を整備してから苗を植え付けましょう。

鉢植えに苗を植える場合は、熟成期間を用意せず、市販の培養土を使っても大丈夫です。

美しい紅葉にするための条件

しだれもみじの風情ある色づきは、自然の一定の条件が揃うことによって、より美しいものになります。

美しい紅葉にするための条件

  • 秋に昼夜の気温差が激しいこと
  • 日当たりがよいこと
  • 紅葉時期に肥料が切れること
  • 秋まで葉が美しく残ること

自然相手だからこそ、条件が全て揃わない年もあります。しかし、それすらも園芸の楽しさの一つ。場所や肥料のタイミングを管理し、最高の環境に近づけてあげましょう。

ここからは、美しい紅葉にするための条件について、順に解説します。

秋に昼夜の気温差が激しいこと

しだれもみじは、秋に寒暖の差を感じることで色づきの準備を始めます。

昼夜の気温差を経験して徐々に活動を弱め、冬の休眠期へと移行します。しだれもみじの活動が弱くなった時に、使いきれなくなった糖分とタンパク質が反応して、赤色のアントシアニンが生成されるのです。

つまり、昼夜の寒暖差がなければ赤色の色素が十分に作られず、きれいな紅葉になりません。

日当たりがよいこと

紅葉に必要な赤色のアントシアニンは、光合成によって糖分とタンパク質から作られます。

十分な光合成のためには、日当たりの良さは絶対条件です。日当たりの良い場所のしだれもみじは、他の場所より見事な紅色で魅せてくれるでしょう。

紅葉時期に肥料が切れること

しだれもみじに肥料を与える際は、時期を守ることも重要。栄養状態の良い環境が続くと十分に紅葉しないためです。

秋になると、冬の休眠期に向けて活動を弱めます。弱くなった時に、葉の緑色成分のクロロフィルが分解され、赤色のアントシアニンが合成される仕組みです。

常に肥料を与えて栄養がある状態が続くと、活動が弱くならず葉が赤くなりません。肥料は適切な時期に与えましょう。

秋まで葉が美しく残ること

日当たり・気温差・肥料の条件が整っていても、元気な葉が残っていなければ紅葉は楽しめません。

枝葉の健康を維持するためには、適切な時期の剪定や水やり・肥料などの管理が必要です。

剪定に自信がない場合は、プロの業者に相談しましょう。自然な樹形に整えて、次の秋の紅葉を見ごたえ抜群のものにしてくれるはずです。

しだれもみじで注意すべき病害虫

しだれもみじの紅葉を楽しむためには、葉が命。

葉が病害虫に侵されてしまうと光合成ができず、秋になっても色づきが褪せてしまいます。最悪の場合、樹木が弱って枯れてしまうこともあるため、注意したいものです。

しだれもみじで注意すべき病害虫

  • うどんこ病
  • アブラムシ

ここからは、しだれもみじで注意したい病害虫について、対策まで詳しく解説します。

病気:うどんこ病

うどん粉病

うどんこ病の原因はカビです。葉が粉をふいたように白い斑が広がるため、早期発見が重要。1ヶ所発生すると、周りの葉にも被害が拡大し、カビが葉を覆うことで光合成も妨げられます。結果的に株全体が弱り、枯れてしまうのです。

またカビによって光合成を邪魔されると、赤色のアントシアニンの合成ができず、きれいな紅葉になりません。

うどんこ病対策は、剪定によって十分な日当たり・風通しを確保すること。カビの発生を防ぐ環境づくりが大切です。被害にあった葉を見つけたら、広がらないよう取り除きます。食酢・重曹を使った殺菌スプレーもカビに効果があるので、試してみてください。

害虫:アブラムシ

アブラムシ

アブラムシはしだれもみじ以外にも、多くの植物に発生する害虫です。

しだれもみじの葉から水分・養分を吸い上げて弱らせてしまう他、ウイルス性の病気の媒介になります。見つけ次第、駆除が必要です。

駆除する際は、テープにくっつけて取り除きます。葉が傷まないよう、テープは粘着力の弱いものがおすすめです。発生数が多いときは、殺虫剤を使いましょう。

殺虫剤を使用する際は、目や鼻から体に入らないように注意しましょう。作業をする際は十分に気を付けて行ってください。

まとめ:正しい剪定方法・育て方でしだれもみじを楽しもう!

初夏は瑞々しい青さを、秋は赤色に染まる葉が楽しめるしだれもみじ。しなりある樹形と合わせて、季節ごとの風流さを感じさせてくれる樹木です。

今回解説した剪定方法・育て方で、美しいしなりの樹形を維持し、秋の紅葉を楽しんでくださいね。

自分での剪定に不安がある方・しだれもみじに元気がないと感じる方は、一度専門業者に相談してみましょう。


この記事を読んで、「しだれもみじ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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