イヌマキ(槇の木)の剪定とは?具体的な剪定時期や強剪定、透かし剪定の方法などについて解説

「イヌマキを剪定したいけれど、どこを切ればいいのかわからない」「イヌマキの剪定時期がわからない、冬の剪定は大丈夫?」などと悩んではいませんか。

イヌマキは和風庭園の代表的な樹木として人気が高く、美しい樹形を保つためには適切な剪定が欠かせません。しかし、針葉樹特有の性質を理解せずに剪定を行うと、枯れてしまったり樹形が乱れたりする可能性があります。特に剪定時期を間違えると、回復に長期間を要することもあるでしょう。

本記事では、イヌマキの剪定について基本的な剪定時期から透かし剪定などの具体的な方法まで詳しく解説します。透かし剪定の手順や剪定バリカンを使った形の整え方、12月の冬剪定で注意すべきポイントについてもご紹介しています。

さらに、剪定費用の相場や業者選びのコツまで網羅的にお伝えしているため、初心者の方でも安心して美しいイヌマキを維持できるでしょう。

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この記事を読んで、「イヌマキ」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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目次

イヌマキ(槇の木)の特徴や種類

イヌマキ

イヌマキ(槇の木)はマキ科の植物で、常緑高木です。原産地は日本や東南アジアで、庭木や生垣によく使われています。

丈夫で成長も遅く、害虫の被害も少ないです。成長すると樹高は5メートルほどになり、小さく育てたい場合は剪定が必要不可欠です。

花が咲き終わると実をつけますが、赤く熟したら食べることができます。赤い実には団子状に青い実がつきますが、こちらは毒性があるため決して食べないようにしてください

イヌマキは槇の木のひとつですが、ほかにはラカンマキという種類があります。ラカンマキはイヌマキより葉が小さめです。

イヌマキの花言葉は、「慈愛・色褪せぬ恋」です。

イヌマキの剪定時期とは

イヌマキ
イヌマキの剪定時期はいつ?

イヌマキの剪定適した時期は、5月と9月~10月にかけての年2回です。

イヌマキの剪定を成功させるためには、適切な時期を選ぶことが最も重要です。針葉樹であるイヌマキは他の樹木とは異なる特性があるため、剪定時期を間違えると深刻なダメージを与えてしまう可能性があります。

年2回剪定の適期(5月・9〜10月)

イヌマキの剪定時期は年2回、5月と9月から10月にかけて行うのが理想的。この時期を選ぶ理由は、イヌマキの生育サイクルと密接に関係しています。

5月のイヌマキの剪定は、新芽が出始める前の時期にあたり、樹木への負担を最小限に抑えながら作業を行えます。気温も安定しており、剪定後の回復が早いため、初心者にもおすすめの時期といえるでしょう。

9月から10月のイヌマキの秋剪定では、夏の成長期に伸びた余分な枝を整理できます。ただし、10月に剪定を行う場合は、できるだけ短期間で作業を完了させることが重要でしょう。イヌマキは寒さに弱いため、長期間にわたる剪定は株を弱らせる原因となります。

この年2回の剪定により、イヌマキの健康を保ちながら美しい樹形を維持できるでしょう。定期的な手入れが、病気や害虫の予防にもつながります。

12月の剪定で注意すべきポイント

12月のような冬期間中の剪定は、イヌマキに関わらず基本的に避けるべき時期とされています。特にイヌマキは寒さや乾燥に弱い性質があるため、真冬の剪定は株に大きなストレスを与えてしまいます。

やむを得ず12月に剪定を行う場合は、枯れた枝や病気の枝の除去程度に留めてください。軽微な手入れであっても、暖かい日を選んで短時間で作業を完了させることが大切です。

冬の剪定では、切り口からの水分蒸発を防ぐため、癒合剤の使用が特に重要になります。低温により傷の治癒が遅れるため、病原菌の侵入を防ぐ対策を万全にしておきましょう。

可能であれば、12月の剪定は避けて春まで待つことをおすすめします。緊急性のない作業は、適期まで延期することが株の健康を保つ秘訣です。

強剪定時期の選び方

イヌマキの強剪定を行う場合は、時期の選択がより慎重になります。大幅な剪定が必要な場合は、5月の新芽が動き出す前が最も適しているでしょう。

強剪定では多くの枝を除去するため、イヌマキの体力が充実している時期を選ぶことが重要です。春先であれば、剪定後の回復力が高く、新芽の成長も期待できます。

秋の強剪定は避けることをおすすめします、冬を控えた時期に大きなダメージを与えると、寒さに耐えられずに枯死する可能性が高まるためです。

強剪定が必要な場合は、一度に大幅な切り戻しを行わず、数年かけて段階的に整えていく方法も効果的。計画的な剪定により、イヌマキへの負担を分散できるでしょう。

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イヌマキの剪定方法を詳しく解説

剪定

イヌマキを大きく丈夫に育てるためには、剪定が必要です。剪定を行うことにより、樹木全体に養分が行き渡り健康な株に成長しますここでは、イヌマキの剪定の仕方について詳しく解説をします。

正しい剪定方法を身につけることで、イヌマキの美しさを最大限に引き出せます。針葉樹特有の性質を理解した適切な手法について、具体的な手順を詳しく見ていきましょう。

イヌマキの透かし剪定方法

イヌマキの剪定で最も重要なのは、透かし剪定と呼ばれる手法。この方法では、余分な枝や葉を除去して風通しを良くし、病気や害虫のリスクを軽減できます。

透かし剪定では、まずイヌマキの頂上から順に作業を進めましょう。太すぎる枝や長く伸びすぎた枝を優先的に切り落とします。これらの枝は他の枝よりも多くの養分を消費するため、除去することで全体のバランスが改善されます。

次に、勢いよく飛び出している徒長枝や、下向きに垂れ下がった枝を除去してください。樹形を乱す原因となる枝を取り除くことで、美しいシルエットを作り上げられます。

株元から出る「ひこばえ」と呼ばれる小さな枝も忘れずに除去しましょう。これらの枝は主幹の成長を妨げるため、見つけ次第切り落とすことが重要です。針葉樹の特性として、葉のない部分まで切り込むと枝枯れを起こすため、必ず緑の葉がある位置で切ることを心がけてください。

剪定バリカンを使った形の整え方

剪定バリカンを使用することで、効率的にイヌマキの形を整えられます。特に生垣や刈り込み仕立てのイヌマキには、バリカンが威力を発揮するでしょう。

バリカン使用前に、まず剪定バサミで太い枝や不要な枝を除去し、その後バリカンを使って全体の輪郭を整えていきましょう。作業は上から下へ、一定のリズムで進めることが美しい仕上がりの秘訣です。

バリカンを動かす際は、一度に深く刈り込まず、少しずつ表面を整える感覚で作業してください。イヌマキは萌芽力が強いため刈り込みに耐えますが、一度に大量の葉を除去すると株が弱る可能性があります。

作業中は定期的に全体のバランスを確認し、左右対称になるよう注意深く進めましょう。バリカンの刃は清潔に保ち、病気の感染を防ぐことも忘れてはいけません。

イヌマキの生垣剪定の基本手順

イヌマキを生垣として植えている場合は、統一感のある美しい仕上がりを目指しましょう。生垣剪定では、まず理想の高さと幅を決めることから始めます。

管理のしやすさを考慮して、自分が無理なく手入れできる高さに抑えることが重要です。あまりに高い生垣は剪定作業が困難になり、定期的な手入れが続けられなくなる恐れがあります。

イヌマキの生垣剪定作業では、まず生垣全体の上部を水平に刈り揃えます。水糸やレーザー水準器を使用することで、より正確な仕上がりが期待できるでしょう。

側面の剪定では、上部を狭く下部を広くする台形状に仕上げることをおすすめします。この形状により、下部まで日光が届きやすくなり、葉の密度を均一に保てます。生垣の両端は丸みを帯びた形にすることで、柔らかな印象を与えられるでしょう。

イヌマキ剪定の注意点と失敗しないコツ

イヌマキ

イヌマキの剪定で失敗しないためには、針葉樹特有の性質を理解し、適切な注意点を守ることが重要です。正しい知識と技術により、健康で美しいイヌマキを維持できるでしょう。

針葉樹特有の剪定注意点

イヌマキは針葉樹でありながら幅広の葉を持つ特殊な樹木です。この特性を理解せずに剪定を行うと、予期しない問題が発生する可能性があるでしょう。

最も重要な注意点は、イヌマキの葉のない部分まで深く切り込まないことです。針葉樹は広葉樹と異なり、葉のない枝からは新芽が出にくい性質があるため、必ず緑の葉が残る位置で切ることを心がけてください。

イヌマキは萌芽力が強く刈り込みによく耐えますが、年1回から2回は必ず剪定を行う必要があります。放置すると枝が四方八方に伸びて手がつけられない状態になり、最終的には15メートルから20メートルまで成長してしまう可能性があります。

園芸品種の斑入りイヌマキでは、先祖返りして緑色の葉が出ることがあります。このような枝を見つけたら、付け根から完全に切り取り、増えないよう注意深く管理してください。

病気・害虫を防ぐ剪定方法

適切な剪定により、イヌマキの病気や害虫を予防できます。枝葉が密集すると風通しが悪くなり、病原菌や害虫の温床となってしまうためです。

ペスタロチア病の予防には、古い葉から優先的に除去することが効果的です。この病気は葉の傷から菌が侵入するため、剪定作業では清潔な道具を使用し、傷を最小限に抑えることが重要になります。

すす病を防ぐためには、カイガラムシなどの害虫対策も必要です。透かし剪定により風通しを良くし、害虫が発生しにくい環境を作りましょう。アブラムシやコガネムシの早期発見にも、定期的な剪定が役立ちます。

剪定後は切り口に癒合剤を塗布し、病原菌の侵入を防いでください。特に太い枝を切った場合は、必ず処置を行うことが大切です。剪定道具は使用前後にアルコールなどで消毒し、病気の拡散を防ぎましょう。

剪定後のケアと管理

剪定後の適切なケアは、イヌマキの健康回復を促進する重要な要素です。まず、剪定直後は水やりに注意してください。土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えますが、過湿にならないよう調整が必要です。

2月頃には寒肥として有機肥料を与えることがおすすめで、この時期に与える肥料は、1年間の成長に必要な養分の大部分を占めるため、忘れずに施肥してください。

日当たりの良い環境を維持することも重要です。イヌマキは光合成により健康を保つため、周囲の障害物による日陰を避け、十分な日光が当たるよう管理しましょう。

定期的な観察により、病気や害虫の早期発見に努めてください。葉の変色や異常な落葉、害虫の存在を確認したら、速やかに対処することが被害の拡大を防ぐ鍵となります。

イヌマキの育て方

イヌマキを丈夫に育てるには、普段の手入れが欠かせません。育てやすいイヌマキでも、まったく手入れをしないというわけにはいきませんよね。

また、鉢植えで育てる場合は、植え替えという作業が必要です。ここでは、イヌマキの育て方について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

水やりや肥料の頻度とタイミング

ベランダガーデニング

水やりは、植え付けてから2年目までは土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしてください。

2年目以降は、地植えの場合は基本的には水を与える必要はなく、雨水でまかなえます。夏の日照りが続くときだけ、水を与えましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。

肥料は、植え付ける際に緩効性化成肥料を与えます。その後、地植えは2月に有機肥料を与え、鉢植えは3月に緩効性化成肥料を与えましょう。

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鉢植えで育てるなら植え替え(鉢替え)が必要

ガーデニング

イヌマキを鉢植えで育てる場合は、定期的に植え替え(鉢替え)という作業が必要です。植え替えをせずに放置すると、根詰まりや根腐れを起こしてしまいます

鉢底から根が出てきたら、植え替えのタイミングです。3月~6月または9月に、植え替えを行うとよいでしょう

植え替えの仕方は、ひと回り大きな鉢に肥料を混ぜた土をいれて準備をしておきます。株を引き抜いたら、新しい鉢に植え替え土を足し水をたっぷりと与えて完了です。

イヌマキは種まきや挿し木で増やせる!

イヌマキの株をもっと増やしてみたいと思いませんか?イヌマキは、種まきか挿し木で株を増やすことができます。

挿し木で増やすのが一般的ですが、じっくり育てたいなら種まきするのもよいでしょう。種まきと挿し木のやり方をご紹介します。ぜひ、挑戦してみてくださいね。

じっくり育てたいなら種まき

ベランダガーデニング

イヌマキの種は、市販されていません。ですから、イヌマキを種から育てたいなら熟した実から採取しておきましょう。

10月頃に採取したら、果肉を落として水で洗っておきます。そのまますぐにまいてもよいですし、ビニール袋などに入れて3月まで冷蔵庫に保管してください。

育苗ポットに種をまき、株が10~15センチになるまで育てます。その後は、庭に直接植えるか鉢植えに植え替えてください。

枝を利用して増やす挿し木

枝

イヌマキの株を増やすには、挿し木がおすすめです。挿し木のやり方は、3月~4月なら前年伸びた枝を切り、9月~10月なら新しく伸びた枝を切ります

10センチほどの長さに枝を切り取り、葉っぱを3枚程度残してあとは取り除きましょう。1時間ほど水につけたら、用意しておいた土を入れたポットに挿しましょう。

発根したら地植えするか鉢植えに植え替えるかしてください。

イヌマキ(槇の木)の剪定をプロに依頼した場合の費用は?

剪定

イヌマキの剪定は、さほど難しくありません。初心者でも簡単に剪定をすることができます。

しかし、木が大きくなって剪定がしにくい場合は、怪我をするリスクが高まりますまた、慣れていないと刈り込みが上手くできないかもしれません。

剪定費用の相場と内訳

イヌマキの剪定費用は、料金体系や木の大きさによって変動します。一般的な相場として、単価制では1本あたり15,000円から17,000円程度が目安となるでしょう。

日当制を採用している業者の場合、1日あたり15,000円から30,000円程度の費用がかかります。作業量が多い場合や複数の木を同時に手入れする場合は、日当制の方が割安になることもあります。

剪定費用以外にも、枝葉の処分費が別途必要になる場合があります。ゴミ袋での処分であれば1袋あたり500円程度、トラックでの運搬が必要な場合は3,000円から8,000円程度が相場です。

土日祝日の作業や出張費用、特殊な仕立て方の場合は追加料金が発生することもあります。見積もりを依頼する際は、これらの費用についても事前に確認しておくことをおすすめします。

DIYと業者依頼の判断基準

イヌマキの剪定をDIYで行うか業者に依頼するかは、いくつかの要因を総合的に判断して決めましょう。まず、木の高さと本数が重要な判断基準となります。

高さ3メートル以下で本数が少ない場合は、DIYでも十分対応可能でしょう。ただし、それ以上の高さになると脚立の使用が必要になり、安全面でのリスクが高まります。

剪定技術の難易度も考慮すべき要素です。単純な刈り込みであれば初心者でも可能ですが、透かし剪定や特殊な仕立て方は経験と知識が必要になります。

時間的な制約も重要な要因です。年2回の定期的な剪定を継続的に行える時間があるかどうかを考慮してください。仕事や家事で忙しい場合は、業者への依頼を検討することをおすすめします。

見積もりは複数の業者でとるのがおすすめ

見積書

見積もりの算出方法やサービス内容は、業者により異なります。実際に剪定を依頼する前に、見積もりをとって確認しておきましょう。

見積もりは1社ではなく、3~5社の複数社からとることをおすすめします。樹高や本数など、状況によって金額が異なるからです。

見積もりをとって、あなたに合った業者を選んでくださいね。

なお、庭革命では無料で複数社から見積もりをとることができます。ぜひ利用してください

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イヌマキ(槇の木)の剪定のまとめ

イヌマキ

イヌマキの剪定時期や方法、育て方について解説しました。

難しい剪定技術も必要なく、手間のかからないイヌマキ生垣にされることが多いですが、庭木にしても素敵ですよ。

剪定は難しくなくても、刈り込みを均一にするのが大変と感じる方もいるでしょう。プロの業者なら、美しく樹形を整えてくれますよ。

イヌマキを剪定で、健康的に育ててくださいね。

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