【プロの庭師おすすめの芝生9選】品種の選び方や手入れが簡単な種類を徹底解説

「芝生のある生活に憧れるけど、手入れが大変そう」と思っている人は多いでしょう。芝生にはいろいろな種類があり、品種ごとに特性が異なります。

品種によっては、手入れが簡単な芝生もあるんですよ。ただ、地域によっては育てるのが難しい芝生もあるので、その点はしっかり確認が必要です。どういう目的で芝生が欲しいかによっても、選ぶ品種が違ってきます。

今回は、プロの庭師がおすすめする芝生をピックアップしました。地域や特性ごとの品種の選び方や手入れについても解説しています。芝生を敷こうか悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてください。

“今スグ”おすすめ商品を見たい方はコチラから!

目次

芝生を張る4つのメリット

芝生を張ることには、4つのメリットがあります。

芝生を張るメリットとは

  • 庭の見た目が美しくなる
  • 安全性が向上する
  • 土ぼこりを防げる
  • ヒートアイランド現象の対策になる

具体的に、どのようなメリットがあるのか解説していきます。

①庭の見た目が美しくなる

一つ目は、庭の景観がよくなることです。青々とした緑が一面に広がる景色は美しく、芝生があるだけで上質なお庭を演出できます。

目の詰まった芝生は、まるで緑の絨毯のようです。植木や花壇のカラフルなお花たち、青空とのコントラストも抜群です。

夏の暑さに強い芝生を張れば、真夏でも涼しげな景色を楽しめます。過ごしやすい季節なら、お庭で日光浴をしたりピクニックをしたりと、お庭のある暮らしを満喫できるでしょう。

②安全性が向上する

敷き詰められた芝生は、クッションの役割を果たすため、お庭が安全な場所になります。子供が裸足で走ったり、犬と転げまわったりしても問題ありません。きれいに刈り込んだ芝生は弾力に富み、ケガを心配することなく子供を遊ばせられます

芝生のない土のお庭は、硬くて場所によっては石などでケガをするかもしれません。また、雨が降ればぬかるみになり、泥はねで汚れるのも気になりますよね。芝生があるだけで、お庭を安全な遊び場として使えます。

③土埃を防げる

芝生は土埃を防げるので、風がある日でも気にする必要がありません。土がむき出しだと、土埃で汚れたり、土が目に入ったりします。

しかし、芝生ならそのような心配もないため、安心してお庭を遊び場にできます。おもちゃや自転車なども芝生なら汚れにくいので、思いっきり遊ばせても気にならないでしょう。

④ヒートアイランド現象の対策になる

芝生は、地面の温度上昇を和らげる効果もあります。周りの気温を上げてしまうヒートアイランド現象の対策にもなるんですよ。

コンクリートやアスファルトだらけの都市部では、地面が熱を放射できずため込んでしまうため、地表の気温の高温化が止まりません。それが原因で猛暑が続き、熱中症が増えたり動植物の生態系に影響を与えたりと、かなりの問題になっています。

芝生は、太陽エネルギーを吸収し水分を蒸散させることで、気温の上昇を抑えることができるため、ヒートアイランド現象を抑えるのに効果的なのです。

あわせて読みたい
【プロの庭師おすすめの芝刈機15選】人気のメーカーや選び方、初心者でも使いやすい製品をまとめて紹介 「自分で庭の芝刈りができるように芝刈り機を買いたいけれど、種類が多くて選べない」とお悩みではありませんか? この記事では、目的や広さに応じた芝刈り機選びのポイ...

天然芝は「日本芝」と「西洋芝」に大きく分けられる

天然芝は、「日本芝」「西洋芝」に大別できます。それぞれの特徴や、メリットデメリットを見ていきましょう。

日本芝の特徴

日本芝は、日本の環境に適した特徴を持っています。主な特徴は、表のとおりです。

特徴傾向
気候性暖地型
耐暑性高い
耐陰性高い
耐塩性高い
耐寒性高い

日本芝のメリットとデメリットについてもまとめました。

日本芝のメリット

  • 日本の夏の暑さに強い
  • 踏みつけに強く、遊び場にも使える
  • 生長がゆっくりで、手入れの頻度が低い

日本芝のデメリット

  • 冬は地上部が枯れて見た目が悪くなる
  • 生長が遅いため、擦り切れるとなかなか生え揃わない

デメリットがあるとはいえ、一般的な日本のお庭で育てるなら、日本芝が育てやすいでしょう。

西洋芝の特徴

西洋芝は多くが寒地型で、一部暖地型もあります。主な特徴は、表のとおりです。

特徴傾向
気候性寒地型(一部、暖地型もあり)
耐暑性弱い
耐寒性高い
耐湿性弱い
耐陰性高い

西洋芝のメリットデメリットについてもまとめました。

西洋芝のメリット

  • 0℃以下になっても枯れない
  • 冬でも青々とした芝生を楽しめる

西洋芝のデメリット

  • 生長が早いので、まめな刈り込みや散水が必要
  • 高温多湿だと病害虫にかかりやすい

年中を通して緑を楽しめるのはメリットですが、日本の高温多湿な気候では育てにくいでしょう。

あわせて読みたい
【プロの庭師おすすめの散水ホース17選】選び方や初心者でも使いやすい商品をまとめてご紹介 お庭の水まきや掃除、洗車など、日常生活で散水ホースを利用するシーンはいろいろありますよね。使用時や収納時に「長さが足りない」「水圧が弱くて時間がかかる」「巻...

芝生の種類の選び方

ここでは、芝生の種類の選び方を紹介していきます。選び方のポイントは、次の4つです。

芝生の種類の選び方

  • 植える地域の気候に合わせて選ぶ
  • 育てる場所の日当たりで選ぶ
  • 踏みつけの有無で選ぶ
  • 芝生の生長速度で選ぶ

それぞれ詳しく解説していきましょう。

植える地域の気候に合わせて選ぶ

芝生は、植える地域の気候に合わせて選ぶのがポイントです。芝生には、暖地型と寒地型の2種類があります。暖地型は暑さに強く、寒地型は寒さに強いのが特徴です。

日本の関東あたりから南にかけては、暖地型が向いています。寒地型だと真夏の暑さや湿度で枯れてしまうので注意しましょう。

日本の東北から北海道では、寒地型が向いています。ただし、昨今の気温上昇により、一概には言えない地域もあります。

芝生を選ぶ時は、住んでいるエリアの気候を考えて選びましょう。

育てる場所の日当たりで選ぶ

芝生の生育は、育てる場所の日当たりによっても異なります。できれば、芝生を植えるなら、日当たりがいい場所が望ましいです。

もし日陰が多いようなら、耐陰性のある品種を選ぶようにしましょう。耐陰性があると言っても、日当たりのいい場所と同じような手入れでは、うまく育ちません。

日当たりが悪い分、葉を長く保ち、光合成の効率を上げる必要があります。また、水の撒きすぎにも注意です。日陰は水の乾きが悪いため、芝生を枯らす原因になります。

踏みつけの有無で選ぶ

芝生は、踏みつけることで擦り切れて薄くなってしまいます。芝生の上を歩いたり、遊び場にしたりするなら、踏みつけに強いかどうかも大切です。

生長が遅い芝生は、擦り切れてしまうと、なかなか元に戻りません。芝生を美しく保つなら、日頃の手入れを怠らないことです。

通路になっているなら、飛び石を置くなどの工夫も。芝生を踏まないような対処をしておけば安心です。

芝生の成長速度で選ぶ

お手入れを考えた時に、芝生の成長速度で選ぶのもポイントです。成長が速いとまめな手入れが必要で、頻繁に手入れができなければ荒れてしまいます。

一方で、成長が遅い芝生は、刈り込む回数が少なくて済むでしょう。手入れは楽ですが、擦り切れてしまうとなかなか伸びてこないため、生え揃うまでに時間がかかります。

プロの庭師がおすすめする芝生の種類9選

ここでは、プロの庭師がおすすめする芝生を、ランキング形式で9種類ピックアップしました。芝生を購入する時の参考にしてください。

第1位 高麗芝

種類日本芝
耐暑性強い
耐乾性強い
踏みつけ強い

管理しやすく遊び場用にも

高麗芝は日本芝の一種で、戸建ての庭でよく使われるポピュラーな芝生です。日本では、関東以西の夏に高温になる地域でよく見られます。

特徴は、葉が硬いことと、適度に密集して生えること。踏みつけに強いため、ゴルフ場など人が歩き回るような場所にも使われています。

夏の生育が旺盛な時期でも、葉茎の伸びるスピードが遅めなので、芝刈りの頻度は少なく済むのがメリットです。病害虫に強い点も、管理がしやすく扱いやすい芝生と言えるでしょう。

第2位 姫高麗芝

種類日本芝
耐暑性やや低い
耐陰性高い
踏みつけ弱い

密度の高さから観賞用におすすめ

姫高麗芝は、高麗芝を品種改良したものです。高麗芝と比較すると葉が柔らかく密集して生えるため、美しく見える点が特徴として挙げられます。日陰でも育つため、あまり場所を選ばない点もメリットです。

耐陰性があるといっても、水はけが悪い場所だと病害虫がつきやすくなります。また、高麗芝よりも成長スピードが速いので、芝刈りなどまめな手入れが必要です。

第3位 TM9

種類日本芝
耐暑性高い
耐乾性高い
踏みつけ強い

管理しやすく見た目も美しい

TM9は、トヨタ自動車が従来の高麗芝を品種改良して開発した芝生です。管理の手間が少なく、景観も美しいプレミアム品種として人気があります。

密集して生えるため緑が濃く、ふわふわと柔らかい芝が特徴です。芝刈りは、年1~2回程度で十分。元々の高麗芝よりも芝丈が短く、成長も遅いためお手入れが楽になります。

デメリットは、成長が遅いと傷んで短くなった時に、なかなか生え揃わないこと。また、値段も高くなりますが、後々のお手入れのことを考えたら、最初に奮発して投資するのもありでしょう。

第4位 野芝

種類日本芝
耐寒性高い
耐寒性高い
踏みつけ強い

いろいろな場所で使われる耐性の高い芝

野芝はもともと野山に自生している芝で、道路脇や公園など広範囲に使われることが多い芝生です。日本芝の中では、寒さや乾燥、病害虫に一番強い芝でしょう。

成長スピードはゆっくりで、あまり手入れを必要としません。葉の硬さや密度の粗さから美観には劣りますが、その分、踏まれてもヘタレない強さがあります。

第5位 ティフトン芝

種類西洋芝
耐暑性高い
耐寒性高い
踏みつけ強い

成長が速く初期費用を抑えられる

ティフトン芝は、暖地型の西洋芝です。とても丈夫な芝なので、サッカーグラウンドやゴルフ場などのスポーツ施設や公園などで、よく使われています。ふかふかで柔らかい葉は、子供を裸足で遊ばせてもチクチクしません。

成長が速く、少ない苗でも短い期間で広がっていくので、ほかの芝生と比べると初期費用は少なく済みます。しかし、伸びるのが速いため、頻繁な芝刈りが必須です。また、寒さに弱いので、冬は地上部が枯れて茶色くなってしまいます。

第6位 ケンタッキーブルーグラス

種類西洋芝
耐暑性低い
耐寒性高い
踏みつけ強い

濃く美しいグリーンが特徴

ケンタッキーブルーグラスは、寒地型の西洋芝です。暑さには弱いため、東北や北海道といった地域が適しています。日本芝と比べて緑が濃く、寒さに強いため冬枯れしにくいのが特徴です。

日当たりが悪い場所では成長しにくく、葉がきれいなグリーンにならないことも。景観のよい芝生にするなら、日当たりのいい場所を選びましょう。また、水はけがよく肥沃な土も必要条件です。

第7位 ベントグラス

種類西洋芝
耐暑性低い
耐寒性高い
踏みつけ弱い

高い草丈も低い草丈も楽しめる

ベントグラスは、寒地型の西洋芝です。暑さには弱いため、東北の一部地域や北海道の涼しい環境が適しています。横に広がるランナー状の茎で広がっていき、草丈は30~50㎝まで成長し、葉は細く柔らかいです。

短く刈り込んでも耐えるので、ゴルフ場のグリーンによく使われています。根が浅いため乾燥に弱く、水やりには注意が必要です。まめに刈り込みを行えば、密度が高くきれいな芝生になります。

第8位 トールフェスク

種類西洋芝
耐暑性高い
耐寒性高い
踏みつけ強い

環境をあまり選ばず育てやすい

トールフェスクは西洋芝の一種ですが、暑さ寒さに強く、北海道から九州にかけて広い範囲で使える芝です。冬でもきれいな緑の芝を楽しめます。ただし、30℃以上の暑さには弱いので、夏枯れのリスクは否めません。

根は株状に深く張るため、乾燥には強いですが、夏場は毎日の水やりが必須です。生育期には2週間に1回程度の芝刈りを必要としますが、お手入れはしやすいでしょう。

第9位 シャーク

種類西洋芝
耐暑性高い
耐寒性高い
踏みつけ高い

葉が繊細できめ細かい

シャークは寒地型の西洋芝ですが、耐暑性もあるため本州や九州でも生育が可能です。きめ細かく繊細な葉は生育が旺盛で、年間を通して密度の高い芝生を維持できます。管理の手間が少なく、緑化での景観向上でも評価の高い芝です。

30℃以上の真夏日が続くと夏枯れのリスクがありますが、その場合は秋に種を追い撒きすることで、またきれいな芝生が作れます。

あわせて読みたい
【プロの職人おすすめのブロワー15選】洗車や落ち葉に便利な人気商品を比較 ブロワーは強い風を吹き出す電動工具でブロア・ブロワとも呼ばれています。使い道が幅広いことから、購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし商品も...

芝生に関するよくある質問

最後に、芝生に関するよくある質問の回答を載せておきます。

お手入れが楽にできる強い芝生の種類は?

芝生の中で、もっともお手入れが楽なのはTM9です。日本芝の高麗芝を改良したもので、日本の環境にも適しています。芝刈りが年に1~2回程度でいいのは魅力大です。美しい芝生を維持したいし、手入れの手間も省きたいという方におすすめ。

次にお手入れしやすいのは、野芝です。TM9ほどではありませんが、成長速度が遅いので、芝刈りの頻度は少なく済みます。日本に自生している芝なので、日本の環境に適していて管理が楽です。

西洋芝から選ぶなら、ブルーグラス類のケンタッキーブルーグラスでしょう。比較的丈夫で成長も遅めなので、管理しやすいです。日当たりや水はけなど環境を選びますが、適した場所なら美しく密集した芝が楽しめます。

どうやって芝生を張ればいい?

芝生は、種から育てる方法と、すでに育っている芝のシートを張る方法とがあります。日本芝はほとんどがシート状で販売されているので、張り方を知っていればDIYでも芝生が作れますよ。

芝生を張るには、次の手順で進めていきます。

芝生の張り方

  1. 雑草を取り除き、土を耕す。小石も取り除いておく。
  2. 水はけのよい川砂などを敷き、その上に保水性のある培養土を敷く。
  3. スコップやレーキで、敷いた土をならして固める。
  4. 芝生を、敷きたい箇所に敷き詰めていく。
  5. 芝生の上に目土をかぶせ、ほうきなどで土をなじませていく。
  6. ローラーや板を使って、芝を上から圧着させていく。
  7. たっぷりと水やりをする。

芝生は、張ってから根付くまでにしばらく時間がかかります。その間に、芝生の上を歩いたり水やりを怠ったりすると、芝生がうまく育ちません。根付くまでは、たっぷりの水やりを欠かさず行いましょう。

芝生を張るには、時間や手間がかかります。自分でやるのは難しい、やりたいけれど時間がないという方は、植木屋に芝生張りを依頼するのもおすすめです。

あわせて読みたい
庭・ガーデンの外構施工の費用や内容を徹底解説【エクステリアの参考におすすめ】 家を新築するときやリフォームするときは、お家の方にばかり力を入れてしまいがちですが、庭やガーデンなどの外構も適当に決めてはいけません。どれくらいの費用がかか...

まとめ:気候や日当たりを考慮して芝生を選ぼう

芝生を美しく育てるためには、適した気候や日当たりを考慮することが大切です。芝生には、暖地に適したものと寒地に適したものがあります。まずは、お住いの地域がどのような気候なのか確認しましょう。

芝生の選び方は、お庭の環境や目的にもよります。芝生の種類はいろいろあるので、育てやすさや手入れのしやすさも考慮し、お庭に最適な芝生を選んでください。


植木屋さん選びでお悩みはありませんか?庭革命なら、web上からカンタンに無料相談・無料お見積もりをすることができます。

しつこい営業もないため、お客様からは簡単なお悩みでも気兼ねなくご利用頂いております。この機会に是非一度相談してみてください。

目次