【柊(ヒイラギ)の剪定時期110番!】柊は毒?魔除け?初心者にも分かる、自然樹形、生垣、トピアリーの剪定方法を伝授!

柊は丈夫で育てやすく、生垣にも使われ、四季折々の姿を見せてくれます。柊は艶がある葉と強靭な棘があるので、日本だけでなく海外でも魔除けとして、節分やクリスマスなどの飾りつけでよく見かけます。近年「柊」の文字は、強く丈夫に育ってほしいと赤ちゃんの名前に使われることも。

柊には、庭に植えてはいけない理由や毒はあるのか気になりますよね。初心者でも簡単な剪定方法や育て方も一挙紹介します。


この記事を読んで、「柊」剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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目次

柊とは

柊は日本や台湾など東南アジアで自生している、モクセイ科モクセイ属常緑小高木です。とげのある照葉と、香りのいい白い小さな花を咲かせます。葉の鋸歯(きょし)は若木の時だけで、老木になるとのっぺりとした葉になっていき、木質は密度が高く硬いので、くしや楽器、印鑑などに使われています。

柊の別名に「鬼の目突き」があり、節分の魔除けとして玄関に飾る風習がありますね。実は柊を魔除けにする風習は、日本だけではなく、ヨーロッパなどでも使われています。

下記はヒイラギの特徴や大切な情報をまとめた一覧です。ぜひチェックしてみてください。

基本データ詳細
学名Osmanthus heterophyllus
科属名モクセイ科・モクセイ属
英名Holly hiiragi Chinese holly false holly holly olive  holly osmanthus
別名鬼の目突き、疼木
原産地日本、台湾、東南アジア
園芸分類常緑小高木
樹高1m~6m
耐寒性強い
耐暑性普通
耐陰性ある
開花期10~12月
花の色
花言葉用心深さ、先見の明、保護、防衛、防御、家庭の幸せ
誕生花2/3、11/8、12/7、12/24、12/25

柊の名前の由来

柊は、葉にノコギリ状の棘があり、鋸歯で怪我しやすい植物です。傷口がヒリヒリと痛む様子を、古い言葉で「ひいらぐ」といい、ひいらぐ木が省略されて「柊」になったようです。また、傷口がズキズキとうずく事から「疼木」とも書きます。

柊の葉が鋸歯を持つようになった理由は、若木は樹高が低いので、シカなどの野生動物に葉を食べられないようにする為に、葉に鋸歯をつけたようです。老木になって樹高が高くなると、葉を守らなくてもよくなるので鋸歯が少なく、丸くなっていきます。

柊という魚もいる!

名前が「ヒイラギ」という魚がいるのを知っていますか?別名ギチやゼンメとも呼ばれています。柊に似た平たい体と、背びれと尻びれに強靭な棘があるのが特徴の小魚です。関東〜九州の海に生息していて、キス釣りをしているとよく掛かることがあります。

骨が固くぬめりがあり、取り扱いが不便なので、地元での消費が多いですが、あっさりしてうまみが強い白身の魚で、刺身や塩焼きはもちろん唐揚げ、煮付けにすると美味。

【風水】柊は魔除け?毒があるから植えてはいけない?

柊は庭に植えてはいけないのですか?

棘があるので、危ないですが植えてはいけないわけではありません。

柊の葉には棘がついているので、子供やペットがいる家庭では怪我をする危険性がありますが、魔除けや防犯に役立ってくれます。丈夫で育てやすく手間もかからないので、縁起物としても庭木として根強い人気があります。葉でリースを作ったり、花や実を愛でたりと一年中柊を楽しむことができます。

柊が魔除けの理由や毒性はあるのか、詳しく解説しますね。

魔除け・邪気払い

柊が魔除けに使われている理由は葉に付いた棘にあります。棘がついた植物は、悪い気を跳ね返したり、悪い物の侵入を防いでくれると信じられています。2月3日の節分に焼いたいわしの頭と柊の葉を飾る習慣は、鬼の嫌いな物を集めて近寄らせない効果を狙ったものです。柊鰯を飾る風習は、平安時代から現代まで受け継がれています。

諸説ありますが、「鬼」とは病気の事を指している説があり、節分に豆まきや柊鰯を飾ると、病気が逃げて風邪を引かないといった逸話もあります。柊を庭に植えるときは、鬼門の方角、北西の方角に植えるといいでしょう。

縁起が良く邪気を払うとされる柊は、西洋でも親しまれています。

毒はありません!植えてもOK!

トゲトゲして触ると痛い柊ですが、棘だけじゃなく毒性があるのか気になりますよね。日本原産の柊には毒性はないので庭に植えても問題ありません。紫の実にも毒はないので、誤って口に入れてしまっても大丈夫ですが、味は甘苦くあまり美味しくはありません。

柊に毒はないのに「毒がある」と言われるのは、別の種類のセイヨウヒイラギに毒があるからです。どちらも葉に強靭な棘があるので、取り扱いには注意が必要です。

柊に毒はないのに「毒がある」と言われるのは、別の種類のセイヨウヒイラギに毒があるからです。どちらも葉に強靭な棘があるので、取り扱いには注意が必要です。

育てる際にはトゲで怪我をしないように十分気を付けながらして行いましょう。

柊と混同しがちなよく似た植物は?

柊の種類はあまり多くないですが、白い斑が入るものや黄色い縁取りが入るものなど個性豊かで綺麗です。柊と名がつく植物はいくつかありますが、柊との交配種や似ているけどまったくの別物の植物もあります。

モクセイ科モクセイ属の柊と混同しやすい植物

  • ヒイラギモクセイ
  • ヒイラギナンテン
  • セイヨウヒイラギ

モクセイ科モクセイ属の「柊」と混合しやすい植物を3種類紹介します。香りが特にいいもの、観賞用に最適なものなど様々なあるので、気に入ったものを選んでくださいね。

ヒイラギモクセイ

ヒイラギモクセイは「銀木犀」と柊の交配種。柊譲りの棘とツヤはないですが、香りがいい白い花を咲かせるのが特徴です。公園や庭木に向いていて、柊よりも早く10月頃に開花し、爽やかで少し甘いような香りが楽しめます。ごく稀ですが斑が入った葉が出ることがあるそうです。

葉脈が丈夫なので、栞などに加工して楽しむことができますよ。

ヒイラギナンテン

ヒイラギナンテンはメギ科メギ属の常緑低木で、早春に小さくて黄色い花を咲かせ、初夏に黒っぽい実をたわわに実らせます。実の付き方が南天と似ている事から、この名前が付きました。

庭で一年を通して様々な姿を見せてくれるだけでなく、生け花にも使えます。ヒイラギナンテンは毒性はないので食べられないことはないですが、苦く薬臭いので、あまり美味しくないそうです。ヒイラギナンテンに含まれる薬用成分は咳止めや殺菌効果があり解熱剤や、にきびの治療に使われていたそうです。

セイヨウヒイラギ

セイヨウヒイラギはモチノキ科モチノキ属で日本の柊とは別物になります。

開花時期は4月〜5月で下向きに白い花を咲かせて、11月頃に赤い実を付けます。キリスト教とのかかわりが強いヨーロッパなどでは、クリスマスリースに使うため、庭によく植えられています。よく柊を庭に植えてはいけないと言われる理由に、毒があるからと言われますが、毒があるのはセイヨウヒイラギです。

セイヨウヒイラギの実はサポニンという毒があり、食べると嘔吐や吐き気など症状が出るので、注意が必要です。

柊の剪定の基礎知識

柊は丈夫で生育がゆっくりなので、放置気味でも形がまとまりやすい植物。手があまりかからないのは嬉しいですね。剪定は年に2回、春と秋に行うとよいでしょう。

いざ剪定をしようと思っても、柊の剪定は怪我をしそうで不安。道具はなにを使うの?といった疑問も生まれます。剪定に使う道具や剪定時期など詳しく解説します。

柊の剪定道具・準備は?

柊の剪定に使う道具は以下になります。

  • 剪定はさみ
  • 剪定用のこぎり
  • 丈夫な服
  • 厚手の手袋
  • ごみ袋

柊は葉にギザギザした鋸歯が付いているので、剪定する時は丈夫な長袖や長ズボンを着用しましょう。手袋をしないと手に棘が刺さったり、手が傷だらけになったりするので必ず着用してください。ビニール製の厚手の手袋がオススメです。

剪定はさみで葉や枝を刈り込んでいきます。太い枝を切る場合は剪定用ののこぎりがあると便利です。傷口が大きい場合は癒合剤があると雑菌が侵入できなくなるので安心ですよ。刈り終わった後にごみ袋に入れれば捨てる時に楽です。

柊の剪定の時期は?3月と10月です!

柊の剪定時期は年に2回、3月〜4月の春と10月〜12月の秋に行います。柊は春から夏にかけて元気に成長していくので、形が整えやすいですよ。夏時期に剪定してしまうと枯れやすくなるので、必ず春か秋に剪定しましょう。

生垣やトピアリーの場合は、遅くても梅雨明けまでには剪定を終わらせておくときれいに保てますよ。

花芽の分化時期は?

柊の花芽の分岐時期は4月に花芽をつけ始めるので、花芽を剪定してしまうと開花時期に花が咲かなくなってしまいます。4月頃に伸びた枝に花芽が付いていくので、刈り込みや強めの剪定は避けたほうが無難です。

花を楽しまないのであれば、強剪定しても大丈夫ですよ。春の剪定時期を過ぎてしまったら、秋になってから剪定をします。

初心者にもよくわかる柊の剪定方法3つ!

柊を楽しむ剪定方法はありますか?

自然樹形だけじゃなく、生垣やトピアリーにして楽しむことができます。

柊の剪定は初心者でも簡単に剪定できます。柊は自然樹形や生垣でもいいですが、丸やハート、可愛らしい動物の形に刈りこんでも楽しめますよ。

各剪定の目的とやり方

  • 自然樹形の剪定
  • 生垣の剪定
  • トピアリーの剪定

3種類のやり方をご紹介しますね。また、刈り込み方によって剪定時期が変わってきます。

目的剪定時期
自然樹形 3月~10月
生垣6月~7月
トピアリー3月~4月、6月、9月

刈り込みひとつで剪定の時期が変わるのは面白いですね。用途によって見せ方が違うので、剪定時期を意識して剪定してみましょう。剪定一つで印象がかなり違ってくるので、お気に入りのやり方で柊を楽しみましょう。

柊の自然樹形の剪定

柊は成長がゆっくりですが、芽吹くスピードが早いので、剪定しないと通気性が悪くなり病害虫の被害にあっいます。自然樹形の剪定の目的は形を整えるのと間引きです。

春か秋に内側に生えてる枝、間延びしている徒長枝などバランスを崩している枝は、間引きして風通しよくしておきます。樹高を低くしたい場合は思い切って、強剪定をしても大丈夫です。傷口が大きい場合は癒合剤を塗っておくと安心ですよ。

柊の垣根(生垣)の剪定

生垣の剪定は6月と10月の年二回行います。時間がなければ年に一回でも大丈夫です。新芽が伸び終わったタイミングで、刈り込んでいくと綺麗な状態がキープできて長持ちしますよ。

真夏や真冬の剪定は、木の負担が大きいので、避けたほうが無難です。無理して剪定してしまうと最悪の場合枯れてしまいます。葉が込み合っている場合は、古い枝を切って透かしていき、全体のバランスを整えていきましょう。

柊のトピアリーの剪定

柊は常緑小高木でよく芽吹くので、トピアリーに向いています。3月〜4月の春先と梅雨時期、9月に形を整える剪定をしていきます。ピアリーは古代ローマの庭師が自分の庭の生垣にイニシャルを刈りこんだのが始まりで、庭木をワイヤーなどで固定して動物など様々な形に刈り込んでいく技法

誘引と刈り込みを繰り返して形を作っていきます。おしゃれな公園や遊園地でよく見かけます。トピアリーはじっくり時間をかけて形を作っていくので、工程も含めてオリジナリティー溢れるものが作れますよ。

柊の育て方

防犯にもなり生垣やトピアリーにして楽しめる柊ですが、育ててみたいと思っても「育て方がわからない、どこに置いたらいいの?」と迷いますよね。柊の育て方は簡単なので、植物をあまり育てたことがない初心者でも、簡単に育てられる植物ですので安心してください。

日当たりや水やりはもちろん、使う土や増やし方、病害虫まで詳しく解説しますね。

日当たり

柊は耐陰性があるので、日当たりの悪いところでも育ちますが、よく日に当てると葉ツヤがよくなり、株が元気に育つのでなるべく日に当てましょう。日照時間が短いと葉が黄色く変色したり花付きが悪くなったりします。病気の原因にもなりやすいので気を付けましょう。

ただし、乾燥が苦手なので冷たくて乾燥している、北風が直接あたる場所は枯れてしまう場合があるので注意が必要です。

用土

乾燥が苦手な柊は水はけがよくて、適度な保水力があり肥料分が多い土を好みます。植え付けするときは土に堆肥と腐葉土を混ぜておくとよいでしょう。

自分で土を作るときは、赤玉土小粒7〜8、腐葉土3の割合で土を混ぜると良いです。市販の培養土も使えますよ。土壌のpHは5.5〜6.5が理想ですが、柊の場合は多少アルカリ性に偏っていても成長するのであまり気にしなくても大丈夫です。

植え付け(地植え・鉢植え)

地植えも鉢植えも植え付け時期は同じで、寒さが弱まり霜にあたる心配がない4月~5月に植え付けをします。気温が安定しない春先に植え付けると、株に負担が掛かり弱ってしまいますので気を付けましょう。

鉢植えの場合は、プランターに鉢底石と培養土を入れて、根を崩さないように株を置いて土を足せば完成です。柊は根張りがいいので年に1回、ひと回り大きな鉢に植えかえるとよいでしょう。

水やり・肥料やり

地植えの場合は、植え付けしてすぐは根が乾燥しないように水やりをしていきますが、根が張った後は、特に水やりをしなくても大丈夫です。鉢植えの場合は、表面の土が乾き始めたら鉢から水が出るぐらいたっぷりと水やりします。休眠期の冬は水をあまり欲しがりませんので、水やりの頻度を落としましょう。

柊は肥料がなくても育ちますが、植え付けの時に緩効性の肥料を元越えとして土に混ぜておきます。2月と8月に有機肥料を株の根元にまいておくとよいでしょう。追肥することで、開花した後の栄養分の補給と冬越しに必要な力をつけてもらいます。

挿し木

柊を増やしたい場合は、挿し木がオススメです。種をまいて増やすこともできますが、温度管理などが難しく、植え付けまで時間が掛かるので失敗しやすくなります。挿し木なら、柊の枝を水につけて、土に挿して置くだけで、手軽にできますよ。

挿し木をするときは6月~7月に元気に伸びた枝を切っておきます。剪定の時に出た枝を使うといいでしょう。枝の切り口を斜めに切り、枝をメネデールを入れた水に1日~2日程つけておきます。たっぷり、枝に水を吸わせたら培養土に差して、土が乾いたら水やりをすると根が生えてきます。

病気

柊がかかりやすい病気には炭疽病や褐斑病、立枯病があります。他にもカイガラムシの排泄物を媒介して、カビ菌が繫殖するすす病にもかかりやすいです。原因は剪定不足による風通しの悪さや日照不足、水はけが悪いなどがあります。

対策として病気になった枝を切り取り、ベニカスプレーなどの殺菌殺虫剤を散布しておきます。適度に剪定をして風通しよくし、日頃から異変がないか観察しましょう。

害虫

柊は鋭い鋸歯があるので、害虫に襲われないと思いがちですが意外にも害虫がつきやすいです。よくつく害虫としてカイガラムシ、ヘリグロテントウノミハムシ、ガの幼虫がいます。すす病を媒介するカイガラムシも厄介ですが、ヘリグロテントウノミハムシもとても厄介です。益虫のテントウムシに擬態し、葉を食い荒らし不規則な食痕を作って美観を損なっていきます。

ヘリグロテントウノミハムシは繫殖力が強く甲虫なので、オルトランやベニカスプレーはあまり効きません。退治したい場合はゴキジェットやキンチョールをかけると退治できます。

害虫をそのまま放置していた李、「ある程度まで駆除すればいい」と中途半端にしてしまうと、さらに増えてしまうことになりかねません。

害虫が住み着けば住み着くほど虫に取ってよい環境を与えることになってしまうため、必ず徹底して駆除するようにしてください。

【まとめ】柊の特徴を理解すれば初心者でも簡単に剪定できる!

柊は日当たりが良い場所で、乾燥しないように管理してあげましょう。強靭な鋸歯があるので、世界各地で魔除けとして重宝されています。節分の日に無病息災を願って、柊鰯を作って玄関やトイレに飾ってみてはいかかでしょうか。

また柊は、生垣やトピアリーに仕立てて楽しむことができます。かわいらしい動物や幾何学模様などオリジナリティー溢れる形に仕上げて柊を楽しんでください。

本記事でお伝えした情報を参考に、しっかりと柊を育てていきましょう。「柊の選び方が分からない」「大きく鳴りすぎてどうすればいいか分からない」などのお悩みがある方は、ぜひプロの力を借りてください。

費用や状況に合わせて、適切な対応をしてくれます。


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