【水耕栽培とは?】始め方や管理方法を徹底解説|初心者でもチャレンジできる?

家庭でも簡単な水耕栽培が人気です。狭いスペースを使っての水耕栽培は、身近な道具で野菜・植物を収穫できます。

水栽培といえば定番は豆苗や観葉植物。しかし、実はアボカド、レタス、クロッカスや水耕栽培が可能で、家庭菜園も実現できます。

この記事では「水耕栽培をやってみたい!」という人に向け、水耕栽培のコツや管理方法・必要な道具を解説。後半では初心者向けの野菜・植物を紹介します。水耕栽培が気になっている人はぜひ参考にしてみてください。

目次

水耕栽培とは

観葉植物

水耕栽培とは、水・液体肥料で育てる方法。固形の土を使わない栽培は、ハイドロカルチャー(溶液培養)とも言われます。植物工場では、この水耕栽培がメインです。

水耕栽培は、工場やビニールハウスに限りません。庭や畑がなくても自宅で簡単に家庭菜園を作ることができます。

家にあるものを使って、狭いスペースで簡単にできる点も魅力。水耕栽培での家庭菜園は、インテリアも兼ねた密かな人気を持っています。

水耕栽培で植物が育つ理由

スポンジから伸びた葉

太古の昔、生命は海から来たと言われています。遺伝子の水の中で育っていた記憶が眠っているのか、水耕栽培によって弱った植物が復活することもあります。ミニトマトや多肉植物は、その最たるものです。

特に、イチゴは水耕栽培が活発です。ミニトマトは、水耕によって大量の収穫ができ、大きな株にまで育つ可能性もあるのです。

水耕栽培の3つのメリット

畑の土ではなく、あえて水耕栽培をするメリットとは?

土いじりが苦手な人でもできる点の含め、理由が3つあります。

水耕栽培のメリット①:土作りが不要

水耕栽培の苗

土づくりは手が汚れるのが嫌、後片付けが大変だから嫌という人は少なくないはず。

水耕栽培は、最低限必要なものは、水と液体肥料のみ。重たい腐葉土を買って、せっせと運んだり、残った土を管理する場所を用意する必要もありません。

地植えは、連作障害もあり、育てる植物や土壌の改良など対策が必要になります。

水耕栽培のメリット②:害虫が発生しにくい

水耕栽培のヒヤシンス

屋外の家庭菜園で悩ましいのは害虫の発生。虫が苦手だから畑作業もしたくないという人もいることでしょう。

土を使わず室内で育てる分、水耕栽培は衛生的です。害虫も付きにくいというメリットがあります。

害虫がいない分、農薬も不要。安全・安心の収穫を楽しめます。

水耕栽培のメリット③:室内でも育てられる

伸びたニンジンの葉

水耕栽培は、コップやペットボトル、タッパーなど、自宅にあるものでスタートできます。

窓際や空いたスペースなど、狭いところで育てることができます。また、気候に左右されず、冬でも温かい室内でできる家庭菜園はそれだけで癒しになります。

水耕栽培の2つのデメリット

大きなメリットがある反面、水耕栽培にもデメリットが当然あります。室内だからこそ発生するデメリットを解説します。

水耕栽培のデメリット①:日光が不足しやすい

暗い部屋の窓

室内に置きっぱなしの場合、温度は管理しやすくても、日照不足がネックになります。

昼間は光が当たりやすい窓際に置いたり、植物栽培向けのLEDライトを使う方法もあります。

水耕栽培のデメリット②:根菜を作るのは難しい

発芽したサツマイモ

水耕栽培はどんな野菜でも育つわけではありません。当然、向き不向きがあります。

特に向かない野菜は、「根」を食べる根菜。水に直接接していると生長が難しい植物です。根菜の水耕栽培は、初心者にはハードルが高くなります。

しかし、完全に不可能ではなく、成功例もあります。諦めずにチャレンジする価値はあるので、水耕栽培で数多の野菜栽培に成功した上級者は、ぜひ高みに挑んでみてください。

水耕栽培に必要な物

ペットボトルに入れたアボカドの種
  • 容器
  • 液体肥料
  • 根腐れ防止剤

ヒヤシンスの水栽培で連想するような、専用の道具は不要。水耕栽培は鉢や特別な道具を用意する必要はありません。家庭にある身近なもので十分育ちます。

容器はタッパーやプラスチックの空き容器にスポンジを使ったり、ペットボトルを使った方法もあります。半分に切り、切り離した上部を逆さにはめ込むと完成。根だけが水に接触し、葉・茎は水に触れずに伸びていきます。

また、ペットボトルには収まらない大物を育てたい場合は、水耕栽培用のポットと、バケツの組み合わせを使ったやり方もあります。

水耕栽培を始める手順

水耕栽培は種から始める方法と、苗から始める方法があります。苗を買ってきて育てても良し、種からでも管理さえしっかりしていれば初心者でも簡単です。

種からと苗から、それぞれの方法を解説します。

種から育て始める場合

スポンジと種

種からスタートする場合は、容器以外に、スポンジが必要です。スポンジは食器を洗う用の一般的なスポンジで十分。100均のものでOKですが、硬いメラミンスポンジは使えません。

種は店頭で販売されてるもので問題ありません。初めての人は、強くて育ちやすいハーブからのスタートもおすすめです。

  1. スポンジに2cm角の格子状になるように切りこみを入れ、種を入れる。
  2. スポンジを容器に並べ、水を入れる(容器の1/3程度)。
  3. 明るい日陰に容器を設置し、毎日水を交換する。
  4. 発芽してある程度大きくなったら、スポンジを苗1つ分ずつ切り離し、水耕栽培容器に移す。

苗から育て始める場合

水耕栽培のスポンジに植えた苗

ホームセンターで売っているような野菜の苗からスタートすることもできます。野菜・植物の種類によって容器・やり方に違いはあります。基本は下記の流れです。水をはったバケツを用意しましょう。

  1. 苗のポットから苗を取り出し、バケツの水で苗についた土を落とす。
  2. 根をカットして短くする。(成苗の場合は1/2、幼苗の場合は1/3程度)
  3. 根腐れ防止剤を入れる(容器の底が見えなくなる程度)。
  4. 容器に水を入れる(根が下から1/3が水に触れる程度)。

水耕栽培の管理方法

ビギナーにとっては、容器の置く場所や水替えのタイミングも知っておきたいところです。

ここでは水耕栽培の主な管理方法の他、水耕栽培のトラブルの1つ、根腐れ対策も解説します。

水耕栽培の管理方法:設置場所

窓際で育てる豆苗

室内での水耕栽培の場所は、明るい日陰が鉄則。根は日光に弱いため、直射日光が当たらないようにしましょう。日光によって水が温まると、不純物が発生しやすくなります。

日当たりの良い窓際に置く場合は、レースカーテン越しが適しています。

水耕栽培の管理方法:水替え

スポンジに挿した茎

衛生面を保つために、定期的な水替えが必要です。冬場は2日に1回、夏は毎日行うことで腐敗を防ぎます。

水は並々と入れるのではなく、根の下から1/3程度まで。根が全部水に入っていたほうがいいのでは…と思うかもしれませんが、全て水に接していると根が呼吸できなくなり、結果、枯れてしまいます。水の入れすぎには要注意です。

水耕栽培の管理方法:根腐れを防止するコツ

水耕栽培中の根

水を使った栽培は、根腐れも心配の1つ。根腐れ防止剤(ミリオンA、ゼオライトなど)を水に入れることで対策できます。

根腐れ防止剤の交換の頻度は半年に1回程度です。根腐れの原因になる水中の不純物を取ってくれます。

水耕栽培に向いているおすすめの野菜

水耕栽培で育つ野菜といえば、豆苗ですが、実は意外なほどたくさんあります。

一例をリストアップしたので、いろいろ試してみてくださいね。

ミニトマト

ミニトマト

家庭の水耕栽培用キットが販売されているミニトマトは、育て方によっては、地植えよりも収穫量が期待できるミラクルがあります。

水耕栽培で適度な栄養を与えることで、収穫量も増え、甘いトマトが収穫できます。

豆苗

豆苗

スーパーで買ってきた豆苗を切り落とし、種とスポンジ部分を水に漬けて育てるとあと2回ほど収穫できます。種が漬からない程度に水を入れて管理するのがポイントです。

スーパー店頭に並んでいる豆苗は、元々水耕栽培で育てられたものです。

アボカド

アボカド

食べ終わって残った種を使います。種につまようじや串を挿して落ちないように固定し、コップや瓶で育てることができます。

芽が出て真っすぐに伸びると、観葉植物にもなり、目で楽しめるのもアボカドの水耕栽培の特徴です。

ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウト

ブロッコリーの新芽がブロッコリースプラウトです。ぴりりと苦く、栄養価が高いことでも注目されています。

スポンジで種から育て、上手くいけば数日で収穫できます。短期間で収穫できるのも初心者にはうれしいところです。

アイスプランツ

アイスプランツ

アイスプランツは食べられる多肉植物。スーパーでもパックに入って売られており、葉の表面に水滴のようにも見える塩分の塊がびっしりとついています。

ほんのりした塩味が美味しいアイスプランツは、サラダに入れるのもおすすめです。

レタス

レタス

知らない人には驚きですが、家庭でもレタスは水耕栽培で育てることができます。

種から育てて収穫までだいたい1~2ヶ月ほど。環境によっては年中育つため、じっくりと家庭菜園を楽しめます。

長ネギ

長ネギ

長ネギは、スーパーでスポンジと根のついたものを買って、使った後のものを再生栽培してみましょう。種からも育ちますが、再生栽培のほうが初心者向けです。

パクチー

パクチー

パクチーはタイ料理などでおなじみのハーブ。コリアンダーとも呼ばれ、独特の香りを持つ香味野菜です。

スポンジで種から育て、摘心しながら育てましょう。2ヶ月ほどで収穫できますが、花が咲くと味・香りが落ちていきます。開花前に収穫するのがポイントです。

ルッコラ

ルッコラ

ルッコラはイタリア料理のサラダに出てくるぴりっと辛みを持つハーブ。1ヶ月~2ヶ月弱で収穫できるほどに育ちます。

サラダや付け合わせに、彩りに使える便利さがあります。

バジル

バジル

生長の速いバジルは水耕栽培におすすめ。2週間で根がしっかり張って、約1ヶ月で収穫できるほどにぐいぐいと育っていきます。

切った茎を水に挿しておくだけで、新しい株として育っていくほどの強さを持っているため、増やすのも簡単です。

水耕栽培に向いている観葉植物の種類

水耕栽培は野菜だけではありません。十分な管理で観葉植物も育てることができます。

ここからは水耕栽培で育つおすすめの観葉植物を紹介します。

サボテン

サボテン

サボテン=鉢というイメージですが、実は水耕栽培でも育ちます。サボテンの根は、鉢では見ることができませんが、水耕栽培なら根が育つ姿も鑑賞できます。

ホームセンターでサボテンの鉢を買ってきたら、鉢から抜いて根っこについている土を綺麗に落としましょう。根を切って乾燥させたら口の狭いガラスやペットボトルに根を入れます。水は、根が1/3ほど浸るくらいまで入れておきましょう。

クロッカス

クロッカス

球根植物のクロッカスやヒヤシンスは、水耕栽培の定番。育てやすく開花もしやすいことから、初心者にもおすすめの植物です。

春に咲くクロッカスは、寒い期間を経験しなくては花芽をつけません。栽培を始める前に、球根を冷蔵庫に2ヶ月ほど入れて冷やします。また、真夏と寒い時期は向かないため、球根が売りに出される9月~10月の間に栽培をスタートしましょう。

アイビー

アイビー

観葉植物で人気のアイビーは、暑さ・寒さ・乾燥に強く、安心して育てられる植物です。

土に植えるのと同様に、水耕栽培でもしっかりと根を伸ばし、這うように茎が伸びて広がります。吊り鉢のようにしても楽しめるので、素敵なインテリアになります。

ポトス

ポトス

ハート型の葉っぱが特徴のポトスは、水挿ししておくだけで根が伸びていくので、育てるのも簡単です。

アイビーと同じく、ガラス瓶に入れて飾っておくだけでインテリア性も抜群。水に付け過ぎると根腐れやカビの原因となるため、水の管理が重要になります。

多肉植物

多肉植物

乾燥に強く湿気を嫌う多肉植物の中には、水耕栽培でも育つ種類のものもあります。

水耕栽培で人気の多肉植物には、バラの花のような形のグラプトペタルムやエケベリアがあります。カビの発生を防ぐために、鉢から植え替えする際にはしっかりと乾燥させましょう。

ワイヤープランツ

ワイヤープランツ

ワイヤープランツは、茎がワイヤーのようにも見える蔓性の観葉植物。丸い葉っぱとともに蔓が旺盛に伸びていきます。

アイビーやポトスと同じく、切った茎を水挿ししておくだけで育ち、お部屋のインテリアにもぴったりです。

まとめ

難しいようで簡単な水耕栽培。思った以上にたくさんの野菜が育つので、慣れて来たらいろいろな野菜を試してみたくなることでしょう。水の管理さえしっかり守れば、観葉植物もぐんぐんと増えていきます。

土を使わず、お部屋の空いたスペースで、身近な道具で気軽に試せる水耕栽培。ぜひ試してみて、家庭菜園として、インテリアグリーンとして活用してください。

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