【小松菜の育て方】プランター・土植えの栽培方法をわかりやすく解説!
暑さ・寒さに強い小松菜は、冬でも栽培できる野菜。半日陰でもしっかり育つため、家庭菜園でも人気ですが、中には「小松菜が大きく育たない」「虫に食べられて困っている」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?
今回はプランターや家庭菜園で小松菜を育ててみたい方に向けて、小松菜の種まきから収穫までの方法を紹介します。後半では注意したい病害虫についても紹介するので、美味しい小松菜を楽しみたい方は参考にしてください。
この記事を読んで、「小松菜」の育て方、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
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目次
小松菜とは?
- 小松菜とは?
小松菜はアブラナ科アブラナ属の野菜です。
味にくせがなくアクもない小松菜は、栄養価も豊富な野菜。おひたしや和え物・炒め物・汁物など、様々な料理で活躍する万能選手です。
耐寒性の強い小松菜の旬は冬。年中栽培されていますが、特に冬時期の小松菜は葉の色も濃く、食感も増します。
原産地は日本・中国で、日本では江戸時代に江戸川区で栽培が始まりました。当時の徳川将軍が小松川近くの神社で食べた青菜を気に入り、その地名から「小松菜」の名が付けられたという説があります。
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小松菜の栽培時期
小松菜は年中収穫できる野菜で、一年を通して栽培可能です。春・秋が栽培しやすい時期ですが、真夏・真冬は対策を施せば収穫できます。
ただし、栽培期間は種まきの時期によって変化するので注意してください。
種まきの時期 | 収穫時期(種まきからの日数) |
---|---|
春 | 90日前後 |
夏 | 30日前後 |
秋 | 90日前後 |
冬 | 110日前後 |
小松菜の栽培で準備するもの
暑さ・寒さに強く生長スピードの速い小松菜は、失敗の少ない野菜として初心者にも人気です。栽培前に以下のものを用意しておきましょう。
準備するもの
- 小松菜の種
- 培養土(野菜用)
- プランター
- 鉢底石
- 小さめの園芸用シャベル
- じょうろ
- 園芸用はさみ
- 化成肥料
- 防虫ネット
半日陰でも育つため、春~秋はベランダのプランターでも栽培可能です。害虫がつきにくいのは秋時期なので、初めての方は秋の種まきをおすすめします。
プランターのサイズは標準650型と呼ばれるものが適しています。鉢植えの場合、深さ15cm以上・幅40cm以上のものを選んでください。
小松菜の育て方・栽培方法
短期間で収穫できる小松菜は、育て方も簡単。以下のポイントを押さえて、せび種まきからチャレンジしてみてください。
小松菜の育て方・栽培方法
- 栽培環境
- 土づくり
- 種まき
- 水やり
- 間引き
- 追肥・土寄せ
- 収穫
ここからは、小松菜の育て方・栽培方法について解説します。
栽培環境は日当たり・風通しがよい場所
小松菜の栽培には、日当たりと風通しが良い環境が適しています。午前中や一日の半分程度日が当たる「半日陰」が適しており、木漏れ日程度の明るい日陰でも栽培可能です。
一日中日が当たる場所・直射日光や西日が当たる場所は避けてください。
また、夜間の街灯や家から漏れる照明によって、日照時間を野菜が勘違いして成長できないトラブルもあります。プランターの場合は、管理場所も工夫しましょう。
小松菜の土づくり
小松菜栽培の土は、プランター栽培と地植え栽培によって土づくりのポイントが異なります。
初心者は、野菜用の培養土からスタートするのも良いでしょう。
地植えに慣れてきたら、土づくりでさらに良質な環境を目指してみるのもおすすめです。
プランター栽培の土づくり
プランターに植える場合は、元肥入りの野菜用培養土がおすすめです。野菜用培養土は、ホームセンターや園芸用品で購入できます。
小松菜栽培は水はけの良い環境が大切です。土を入れる前に、プランターの底に鉢底石を敷いてください。
培養土はプランターの縁までたっぷり入れるのではなく、2~4cmくらいの深さにしておきます。
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地植え栽培の土づくり
小松菜は肥料も重要。地植えの場合は、土づくりの段階から肥料を混ぜ込みます。植え付け2週間前から準備を始めましょう。
まず、2週間前に、苦土石灰を土に撒いてしっかり耕します。1㎡あたり100gが目安です。
植え付け1週間前には、1㎡あたり堆肥1kgと・緩効性化成肥料100gを撒き、よく耕します。畝を作るのは植え付け直前です。畝の幅は70~80cm程度を目安にします。
小松菜の種まき
土の準備ができたらいよいよ種まきです。通常、小松菜は種から栽培します。種から育て、少しずつ間引きしながら育ててるのが基本です。
- 種まきの時期
- プランター栽培の種まき
- 地植え栽培の種まき
- 種まき後の管理
ここからは、上記の種まきのポイントについて紹介します。
種まきの時期
- 小松菜の種まきの時期は?
2月下旬~10月下旬が適しています。
前述の通り、時期によって収穫までの期間は異なるものの、真冬以外の時期であれば種まき可能です。小松菜の発芽温度は15~25℃なので、真冬であっても温度管理によっては栽培可能となります。
耐寒性のある小松菜は、初心者もシーズンを気にせずチャレンジできるものの、害虫の発生が少ない秋の種まきがおすすめ。春・夏に種まきをする場合は、虫がつかないように寒冷紗で保護してあげましょう。
種まきから3~4日で発芽します。
プランター栽培の種まき
プランターに用土を入れたら、種をまくための「まき溝」を作ります。以下の流れで行ってください。
- 指や棒で深さ1cm程度の溝を作る
- 溝で種同士が被らないようにしながら、1cm程度間隔をあけて種をまく
- 種の上から土を薄く被せ(5mm程度)、手で軽く押さえる
- プランターの底から水が漏れ出るまで、たっぷりと水を与える
プランターでまき溝を2列にしたい場合は、10~15cm程度距離を開けましょう。
地植え栽培の種まき
畑に地植えする場合は、畝にまき溝を作ります。以下の流れで行ってください。
- 棒や木の板で、幅1cm深さ1cm程度の溝を作る
- 溝で種が重ならないように、1cm程度間隔をあけて種をまく
- 5mm程度土を薄く被せ、手で軽く押さえてから水やりをする
まき溝を作るときは、間隔は10~15cm程度あけて、1つの畝に4列程度までにします。冬まきの場合は、ビニールトンネルで保護しましょう。
種まき後は適切な管理をしよう
発芽するためには、ある程度の水分が必要。種まき後の管理は、土の表面が乾燥しない程度に、適度な保湿を意識しましょう。水やりで種が浮いて流れてしまうこともあるため、様子を見ながら水やりします。
プランターでは、風通しと日当たりの良い場所での管理が適切です。5月~8月は、夏の日差し・高温から守るために寒冷紗(かんれいしゃ)という網のような覆いを被せます。防風・防虫の効果もあります。
冬時期は寒さから守るために園芸用のビニールトンネルで保護してください。
小松菜の水やり
発芽までは、土が乾燥しないように注意が必要です。発芽後の水やりはプランターと地植えで異なります。
ここからは、プランター栽培・地植え栽培の場合で、それぞれの水やりのポイントを解説します。
プランター栽培の水やり
プランター栽培の水やりのタイミングは、土の表面が乾いたとき。1日1回、朝・夕方の涼しい時間帯に水やりをします。底から水が漏れ出る程度に、たっぷりと与えてください。
特に夏場は土が乾きやすいため、必要に応じて水をやりましょう。
地植え栽培の水やり
地植えの場合、発芽後は基本的に水やりは不要。雨頼りで十分です。
ただし、夏場など雨の降らない日が何日も続いて土が乾燥する場合は水を与えてください。水やりは涼しい時間帯に行います。
小松菜の間引き
小松菜は間引き収穫をしながら育てていく野菜です。最初の間引きは、発芽後の双葉が開いた頃。種まきから2週間過ぎた頃です。株同士が3~4cm間隔になるように、育ちの悪いものを間引きます。
プランターの場合は1回の間引きで十分ですが、地植えの場合は本葉が3~4枚に増えた頃に2回目、5~6枚で3回目の間引きをしましょう。全体に日光が当たるようになればOKです。
間引きが遅れてしまうと、全体の生長が悪くなります。間引き菜は食べても大丈夫なので、間引きしながら小松菜栽培を楽しんでください。
小松菜の追肥・土寄せ
間引きと同時に追肥も行います。追肥後、周囲の土を軽く混ぜて、株の根元に軽く盛る「土寄せ」をします。生長した小松菜が根本から倒れないよう支えるためです。
追肥は化成肥料を与えます。プランターの場合は1株あたり5g程度、地植えの場合は1㎡あたり25g程度を土に巻いてください。与えすぎると、小松菜を食べた時に苦味が強くなります。
「葉の縁が黄色い」と感じた場合は、カリウム不足です。草木灰を土に混ぜ込むと改善します。
小松菜の収穫
収穫時期は種まきの季節によって異なります。草丈20cm程度になったら収穫しましょう。株ごと引き抜き、根をハサミでカットします。
収穫のタイミングが遅くなると、育ちすぎて葉が硬くなるため要注意。春・夏は植物が生長しやすいため、タイミングが大切です。
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小松菜の栽培で注意すべき病害虫
初心者でも育てやすい小松菜は、家庭菜園でも人気。しかし、病害虫被害に合いやすいため注意も必要です。
ここからは、小松菜で注意したい病害虫と、その対策について解説します。
病気
小松菜で注意したい病気は以下の5つ。梅雨時期の多湿や春・秋の天候不順によって発生します。
- 白さび病
- 炭疽病
- 萎黄病
- モザイク病
- 苗立枯病
上記の病気は、雨除け栽培セットやシートを使って予防可能です。また、風通しを良くするために間引きもしっかり行いましょう。
白さび病
アブラナ科野菜に感染しやすい病気で、葉の裏・茎にに白い斑点が発生します。糸状菌というカビが原因で、進行すると斑点が破れて胞子が飛び散り、感染が広がる病気です。
症状がひどくなると、葉全体が鉄さびで覆われたようになり枯れてしまいます。春・秋の天候不順時や、梅雨時期の多湿が続く時期は要注意です。
さび病の原因菌はアルカリ性を苦手とするため、石灰で感染の広がりを抑えます。病気の葉を見つけたら除去してください。薬剤の使用も有効です。さび病 殺菌剤さび病の原因菌はアルカリ性を苦手とするため、石灰で感染の広がりを抑えます。病気の葉を見つけたら除去してください。薬剤の使用も有効です。
炭疽病
炭疽病(たんそびょう)の原因も糸状菌(カビ)です。葉に褐色の斑点ができ、腐敗して穴が空いてしまいます。進行すると葉が黄色く枯れていく病気です。
感染の広がりを防ぐために、発病した葉は見つけ次第除去しましょう。
カビが原因なので、間引きで風通し・日当たりの良い環境を維持して予防します。
萎黄病
萎黄病(いおうびょう)は、カビ(細菌・糸状菌)を原因とする土壌障害で、アブラナ科の野菜に多く発生します。根から侵入して上の葉へと上がっていき、葉が黄色くよれて枯れていく病気です。
株が枯れても、土に残って他の植物に感染します。発病した場合は、株ごと抜き取って焼却し、土壌も消毒が必要です。
モザイク病
ウイルスが原因のモザイク病は、葉がモザイクのように斑模様になる症状が特徴です。進行によって葉が縮れ、生長が阻害されてしまいます。
モザイク病の原因ウイルスは複数ありますが、農作業道具や害虫・人の手を媒介に感染します。薬剤が効かないため、感染した株は抜き、焼却処分してください。
予防のため、作業用のはさみなどの農作業道具・手指を消毒します。アブラムシも原因の害虫の一つのため、アブラムシの対策を取りましょう。
苗立枯病
苗立枯病(なえたちがれびょう)は、発芽したばかりの苗が根本から倒れて腐敗し、枯れてしまう病気です。糸状菌が原因で、土壌から感染します。
予防として、水はけの良い土を選び、湿度が高くなりすぎない状態を維持してください。苗立枯病が一度発生した場所での小松菜の連作は避けましょう。
発病した株は抜き取って焼却処分し、土は消毒が必要です。
害虫
アブラナ科アブラナ属の小松菜は、害虫被害を受けやすい野菜です。種まきの後、防虫ネットや寒冷紗をトンネル掛けして、虫卵を産み付けられないように防護してください。
- モンシロチョウのアオムシ
- カブラハバチ
- キスジノミハムシ
- アブラムシ
- コナガ
- ハイマダラノメイガ
- ハスモンヨトウ
小松菜で注意したい害虫として、上記のものがあります。
アオムシ(モンシロチョウ)
春の訪れを感じさせるモンシロチョウですが、その幼虫は小松菜の天敵。大きくなると3cm程度になり、小松菜の葉を食害し、穴だらけにしてしまいます。
卵が産み付けられていないか、葉の表・裏をよく確認しましょう。幼虫は発見次第取り除きます。
モンシロチョウは、キク科の野菜を嫌うため、コンパニオンプランツとしてシュンギクやレタスを一緒に植えるのもおすすめです。チョウ目害虫に有効な薬剤もあります。
カブラハバチ
蜂の仲間であるカブラハバチは、アブラナ科の葉に産卵し、黒褐色の幼虫が食害します。
1~2cm程度の黒褐色で見つけやすいため、発見次第駆除するか、葉を切り落としましょう。動きが鈍いため、早朝時間帯の駆除がおすすめです。
散布型の農薬も効果があります。
キスジノミハムシ
キスジノミハムシは、3mmくらいの大きさの甲虫です。小松菜の葉を食害し、穴だらけにします。
見つけ次第、捕まえて駆除したいのですが、小さな甲虫のため捕獲が難しいのも難点です。感染が広がらないよう、ネットで保護してください。
ニラの匂いと反射光が嫌う性質があるため、シルバーマルチや光反射テープを張ったり、コンパニオンプランツとしてニラを近くに植えたりという対策も有効です。
アブラムシ
小松菜に限らず、多くの植物で吸汁加害する害虫です。吸汁して養分を吸うだけでなく、モザイク病のウイルスも媒介します。
アブラムシの排泄物は、アリを引き寄せ、すす病という二次被害にも繋がるので注意が必要です。
大量発生しやすいため、発見次第、粘着力の弱いテープで物理的に取るか、葉ごと処分しましょう。薬剤も有効です。
コナガ
1cmくらいの大きさの蛾の幼虫です。菜っぱにつくため「小菜蛾」と書きます。薄い緑色の幼虫は、葉を食害します。
農薬に強いため、種まきの後は防虫ネット等で産卵を防ぎましょう。
モンシロチョウと同じく、キク科の野菜の匂いを嫌います。コンパニオンプランツとしてシュンギクやレタスを近くに植えて、コナガが近寄らない環境づくりもおすすめです。
ハイマダラノメイガ
蛾の仲間で、トウモロコシで特に被害が大きい害虫です。褐色の幼虫は野菜の葉や実を食害します。
発見したら、早めに被害の部分を切り取って処分してください。薬剤の使用も有効です。
ハスモンヨトウ
ヨトウガの幼虫です。「夜盗虫」という字のごとく、夜に活動し、イモムシ状の幼虫が葉を食い荒らします。
昼間は株元に隠れているため、被害を発見したら、株の根元を掘ってみましょう。葉の裏の孵化直後の段階で駆除が望ましいので、小まめに葉の様子を確認してください。
薬剤は、幼虫が成長するほど効きにくくなります。小さいうちの駆除が重要です。
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正しい育て方で小松菜の栽培を楽しもう!
育てやすく収穫も早い小松菜は、プランター栽培にも向いており、園芸初心者おすすめの野菜です。病害虫被害に合いやすいため、間引きと防虫ネットでの対策は忘れないようにしましょう。
また、小松菜は収穫して食べ終わった後も、根本を残しておけば再生栽培が可能です。間引き野菜も食べられるため、無駄なく長期間楽しめますよ。
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