庭革命

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【三大庭園】有力大名が威信をかけた傑作!日本を代表する名庭園を紹介

全国の庭園図鑑

2020.11.22

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

日本が世界に誇る「三大庭園」。江戸時代の大名庭園の趣を残し、当時の歴史を感じさせてくれる名園です。

茨城県水戸市の『偕楽園/かいらくえん』、石川県金沢市の『兼六園/けんろくえん』、岡山県岡山市『後楽園/こうらくえん』の3つの総称であり、明治時代にはすでにこの名称は誕生していました。

その素晴らしい景勝は、日本人ならば一度は訪れてみたい場所。今回は、その三大庭園の見どころをご紹介いたします。

三大庭園とは?

兼六園

江戸時代に作られた大名庭園で、地方の有力大名たちがその威信をかけて造り上げたものです。

共通点は、大名庭園に多い「池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)」という形式であること。

人工的に作られた池=大泉水(だいせんすい)を中心に、人工的に作った山(築山)や林、小庭園を回遊し、様々な景色を楽しむことができます。当時の造園技術の粋を集めた庭園から、当時の芸術や技法、歴史の裏側まで知ることができるのです。

偕楽園(かいらくえん)

徳川御三家の城下町である茨城県水戸市。茨城県屈指の観光名所・偕楽園(かいらくえん)は、最後の将軍・徳川慶喜公の実父であり、水戸藩第9代藩主・徳川斉昭公が造営した庭園です。

1842年に完成した庭園は、2015年には日本遺産にも認定されました。

約13haという広大な敷地は、日本庭園の定番とされる滝も石組もありません。だからこそ、庭園全体がおおらかさを感じさせる空間に仕上がっています。

偕楽園の見どころ1:下から見ても圧巻「孟宗竹林」

孟宗竹林

表門から一ノ木戸を抜けたそこは、幽遠閑寂とも言える「陰の世界」。

涼し気であり幽玄な世界観を造る孟宗竹(もうそうちく)は、その数なんと数千本!竹林の間から漏れる光が、陰の世界を一層深いものにしています。

弓の原料ともなる孟宗竹は、現在の岩清水八幡宮から移植されたもの。立ち並ぶ孟宗竹は、下から見るとまさに圧巻で、無限の静寂に圧倒されます。

偕楽園の見どころ2:地形を利用した「吐玉泉」

湧水が多く、高低差のある地形を利用して作られたのが湧水泉「吐玉泉(とぎょくせん)」です。

泉石は大理石で作られており、その水は後述の「好文亭」の茶の湯として利用されました。湧水を集められたこの水は、眼病にも効果があると言われています。

泉石は江戸時代から続くものではなく、1987年に入れ替えられた現在4代目とのことです。

偕楽園の見どころ3:内部の見学も可能!「好文亭」

徳川斉昭公自ら設計したと言われる別邸「好文亭(こうぶんてい)」。梅の異名である「好文」から名づけられています。

木造2層3階建ての徳川斉昭のこだわりを端々に感じさせる建物で、かつては詩歌や養老の会が開催されていました。

昭和20年、戦火で全焼し、昭和30年に復元。四季の花が描かれた色鮮やかな襖絵や、三階の展望室・楽寿楼から見える千波湖の眺望は必見です。

偕楽園の基本情報

【アクセス】
自動車の場合
・常磐自動車道 水戸ICから約20分
・北関東自動車 道茨城町東ICから約20分
・北関東自動車 水戸南ICから約20分

電車を利用する場合
・JR常磐線水戸駅から水戸駅北口偕楽園行きバスで約20分

【営業時間】
偕楽園本園
2月20日~9月30日:午前6時~午後7時
10月1日~2月19日:午前7時~午後6時
※17:00以降の入園は東門のみ

好文亭
2月20日~9月30日:午前9時~午後5時
10月1日~2月19日:午前9時~午後4時半

【入園料】
偕楽園本園
大人300円、小中学生・70歳以上150円

好文亭
大人200円、小中学生・70歳以上100円

兼六園(けんろくえん)

加賀藩5代藩主・前田綱紀が、金沢城の隣の傾斜地に別荘を建て、その周辺を庭園として造り始めました。

その後、何代もかけて現在の形となり、2009年のミシュラン観光ガイドでは最高評価に選ばれました。その広さは約11.7ha。国の特別名勝に指定されています。

「宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望」の6つの景観(六勝)を兼ね揃えたことから、老中・松平定信が名づけたとされています。

兼六園の見どころ1:美しい雪吊りのライトアップ「唐崎松」

唐崎松

冬の兼六園といえば、なんといってもその雪吊りのライトアップ。花が少ない冬であっても見どころになってしまう点は、さすが六勝を兼ね揃えた名園と言えます。

金沢の雪の重みから木の枝を守るための「雪吊り」は、園内54カ所で行われています。

最も有名な雪吊りは「唐崎松」。枝張り21m、幹回り2.6mという巨木を、約800本の縄と高さ最大16mの柱5本で支える様は大迫力です。兼六園は行ったことがなくても、この風景はテレビで見たことがある、なんて人も多いのではないでしょうか?

兼六園の見どころ2:四季を楽しめる「花見橋」

花見橋

兼六園は金沢でも随一の桜・梅・紅葉の名所。日本さくら名所100選にも選ばれています。

兼六園の有名な木製の橋「花見橋」からの眺めは、特に素晴らしいと言われています。

春は桜、初夏はカキツバタ、夏の新緑、紅葉深まる秋~冬の雪景色と、四季で橋の景色が変わります。季節ごとの美しさを満喫してください。

兼六園の見どころ3:最も有名な「徽軫灯籠」

徽軫灯籠

兼六園のシンボルとも謳われる「徽軫灯籠(ことじとうろう)」。

池のほとりの二本脚の灯籠は、観光写真でも有名で、兼六園に行ったからには絶対に外せないスポットです。

徽軫灯籠と灯籠手前の虹橋とモミジの風景は、三位一体の完成された風景で、毎年たくさんの観光客が写真撮影を楽しんでいます。

兼六園の基本情報

【アクセス】
自動車の場合
・北陸自動車道 金沢東ICから約30分
・北陸自動車道 金沢西ICから約30分
・北陸自動車道 金沢森本ICから約20分

バスを利用する場合
・JR金沢駅から北鉄バスで約20分、バス停「兼六園下・金沢城」下車後、徒歩約5分

【営業時間】
3月1日~10月15日:午前7時~午後6時
10月16日~2月末日:午前8時~午後5時

【入園料】
大人320円、6歳~18歳未満100円

岡山後楽園(おかやまこうらくえん)

岡山藩主・池田綱政によって造られた元禄文化を象徴する庭園です。

その広さは4万坪(13.3ha)。岡山城対岸に14年の歳月をかけて完成し、岡山城やその周辺の山々を借景(しゃっけい=背景)とした壮大な世界観の池泉回遊式庭園となっています。

城の背後に存在することから、江戸時代は御後園(ごこうえん)と呼ばれていましたが、明治時代から現在の後楽園(こうらくえん)の名になりました。

岡山後楽園の見どころ1:昔は接待などで使用していた「能舞台・栄唱の間」

築庭した池田綱政は能楽を好み、自身も優れた能の舞手でした。池田綱政の指示により作られた能舞台の有名な観客席が「栄唱の間(えいしょうのま)」です。

能舞台に作られた観客席=見所(けんしょ)で、この栄唱の間は、正面席に当たります。

室内からは美しい庭園を眺めることができ、後楽園で2番目に大きな池「花葉の池」の眺めは絶景。夏時期、大輪の白い蓮が水面一面に浮かぶ様は特におすすめです。

岡山後楽園の見どころ2:「延養亭」園内外の景勝が一望できる

後楽園でも最も重要な施設とされる「延養亭(えんようてい)」は、御茶屋として建てられ、歴代藩主が居間として利用していたものです。

水路に沿って建てられた延養亭からは、庭園の景勝をここから一望することができます。かつての歴代藩主たちも、ここから同じ景色を見てきたのでしょうね。前述の能舞台・栄唱の間は、延養亭後方に作られています。

戦火によって消失し、昭和35年に再建されています。

岡山後楽園の見どころ3:建物中央に水路が!?「流店」

流店

「流店(りゅうてん)」は、藩主や賓客が訪問した際の休憩所として利用されたものです。

開放的な建物中央に水路が走っており、夏場はこの水路に素足を入れて涼むことができます。

青・赤・紫と、色彩に富んだ奇石6つを配した建物は、全国的にも大変珍しいと言われています。

岡山後楽園の基本情報

【アクセス】
自動車の場合
・岡山ICから約20分

バスを利用する場合
・JR岡山駅から約15分

【営業時間】
3月20日~9月30日:午前7時半~午後6時(入園は午後5時45分まで)
10月1日~3月19日:午前8時~午後5時(入園は午後4時45分まで)

【入園料】
大人410円、シニア(65歳~)140円、高校生以下無料

三大庭園のまとめ

江戸時代の有力大名が、その威信をかけた創設した大名庭園。その中でも特に優れた景勝を誇る代表的な庭園・三大庭園をご紹介いたしました。

日本三名園「偕楽園」「兼六園」「岡山後楽園」は、テレビや写真で一度は見たことがあり、日本が世界に誇る名所です。

雄大な景観や作られた意味を知ると、当時の有力大名の偉大さを知ることができますね。

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