【枯山水庭園】庭全体が一つの宇宙!?その構成と魅力を徹底解説

室町時代の禅宗の影響を受けて誕生した『枯山水/かれさんすい』。石と砂で風景を表現した日本庭園の様式の1つです。

枯山水という言葉を知らなくても、模様の描かれた白砂の庭園といえば、イメージできる人も多いはず。

枯山水の歴史や石・砂の意味を知れば、庭園鑑賞がますます楽しくなる!今回はその構成や由来、京都・東京の有名な枯山水庭園をご紹介いたします。

この記事を読んで、「枯山水」の様な庭園を、ご自宅に作ってみたいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、庭造りなどの見積もりを無料相談することができます。
その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

庭革命で見積もりを依頼する

目次

枯山水庭園とは?

枯山水(かれさんすい)とは、その読み方の通り、水のない庭園のこと。池や川などの水を用いず、砂や石、石組(いわぐみ)の組み合わせによって山水の自然景観を表現しました。

また、枯山水は禅宗寺院で発達し、「この世と死後の世界を繋ぐ庭」という意味を持っています。庭園にあの世(死後の世界)を作り、あの世を思いながら瞑想することで、極楽浄土へと導かれるというものでした。

岩や砂によって山や生き物を表現する枯山水は、庭園全体が一つの宇宙という抽象的なもの。それぞれの意味を考えることで、禅の魅力の理解へと繋がっています。

枯山水庭園の歴史

枯山水の庭

その起源は遡ること古代まで。自然崇拝の時代からある磐座(いわくら)・巨石信仰から神社が発祥したとされています。巨石は動かせないため、平安時代には庭の隅に石組を造る庭園へと発展したと言われています。

鎌倉時代には、禅宗の宗教観を表現するべく、石・砂で水を表現するようになりました。

有名な京都の枯山水庭園

室町時代から江戸時代にかけて、変化を取り入れながら多くの枯山水庭園が誕生しました。

庭園も当時の時代背景とともに考えると、その表現方法などとても興味深く、より深い魅力を味わうことができるもの。

ここからは京都を代表する枯山水庭園をご紹介いたします。

【建仁寺方丈庭園】

出典:kenninji.jp

京都最古の禅寺であり、鎌倉時代に建てられた臨済宗建仁寺派の大本山。石庭「大雄苑(だいおうえん)」と「潮音庭(ちょうおんてい)」など、複数の枯山水庭園を拝観することができる寺院です。

潮音庭は、現代の庭師・植熊(うえくま)が手掛けたもので、一面に広がる白砂を海に見立て、四方向から眺めてそれぞれの表情を楽しむことができます。

庭園の他、歴史的絵画も多く貯蔵されている他、江戸時代中期に建築された法堂は京都府指定有形文化財となっています。

【正伝寺】

その完成度にデヴィッド・ボウイが涙したと言われる庭園。

その背景にある山を、庭園を表現する世界観の一部として取り入れる「借景(しゃっけい)」という技法が秀逸と言われています。

庭には白砂と計算されつくした刈り込み。そして背景には荒々しい比叡山の山。その対比に注目して見てみましょう。

【妙蓮寺】

鎌倉時代後期に建てられた大本山妙蓮寺は、戦による移転や火災による消失・再建を経て、現在へと至ります。

桂離宮に似た意匠も有名ですが、見どころは十六羅漢石庭(じゅうろくらかんせきてい)です。

涅槃像を表現した涅槃石を中心に、16の石(羅漢)が並ぶ…はずなのに、実際にあるのは15。実際に拝観すると、その解説がされています。

【西芳寺】

原点にして頂点。枯山水を代表する作家・夢窓疎石(むそうそせき)が手掛けた傑作です。

日本最古の枯山水の庭園であり、金閣寺や銀閣寺の構成も、この西芳寺の庭園がルーツと言われています。

自然に苔がむした美しさと、岩による荒々しさ。別名「苔寺」とも呼ばれる西芳寺は、「庭園自体が禅の精神修練の場」という夢窓疎石の悟りが表現されています。

【圓光寺】

出典:enkouji.jp

徳川家康が様々な人材を集めて文化発展に寄与したという「洛陽学校」がその始まり。洛北にある寒さ故に、紅葉の色づきは美しく、錦に染まる秋の圓光寺は圧巻の一言です。

圓光寺の奔龍庭は、平成に作られたもので、雲海を漂う龍をイメージしたものとされています。

有名な東京の枯山水庭園

東京は江戸時代に池を中心に作られた大名庭園で多く残り、枯山水庭園を見ることができる庭園はごく少数。ここでは東京に現存する日本の美・枯山水庭園をピックアップしました。

【玉堂美術館】

出典:gyokudo.jp

東京都青梅市御嶽にある美術館。明治~昭和を代表する日本画家・川合玉堂(かわいぎょくどう)の美術館です。その開設のため、昭和天皇の皇后が支援に尽力しました。

敷地内の枯山水は、都内では非常に珍しいもの。その造園を手掛けたのは、元総理大臣・吉田茂や田中角栄邸の庭を任された名造園家・中島健です。

どこから見るかによって、その庭園は見る表情を変えます。「霰崩し」の延段(石張りの通路)は、入れ子になったデザインが現代的です。

【玉林寺】

室町時代初期に建てられた臨済宗建長寺派の寺院です。

幕末に活躍した画家・藤原善信の作品「天井絵 四十八枚一組」が、市指定文化財として本堂の格天井に存在し、本堂裏に巨大な達磨像があります。

その境内には静かに佇む枯山水の庭園があります。

【高尾駒木野庭園】

高尾駒木野庭園(たかおこまぎのていえん)は、枯山水だけでなく、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)、露地(茶庭)も鑑賞できる公園です。

昭和初期に病院の自宅として建てられ、その後平成に八王子市に寄贈。戦前日本家屋の趣を残しながら、周囲に本格的な日本庭園が整備されました。

「日本庭園の創造と発信」をテーマに運営され、駒木野地域の発展に寄与しています。

枯山水庭園を構成するもの

水を使わず、白砂や岩で山水などの自然の風景を表現するという枯山水庭園。砂や石を何かに「見立てる」という抽象的な世界観で成り立っています。

その見方を知れば、枯山水の魅力がさらに深まる!ここからは枯山水を構成する要素について解説いたします。

方丈:枯山水の中心になるもの

方丈は、住職が住む禅寺の中心にあたる建物。

元は儀式のために作られた白砂の庭でした。その後、儀式に使用されることがなくなり、石組や植栽が成されるようになりました。

借景:外の山などと組み合わせる

庭だけでなく、その背景にある山や風景までもその構成に取り込んで、1つの世界を造ることです。

借景(しゃっけい)は元は東アジアから発祥していた造園技法と言われており、「借景」という用語は中国庭園から生まれました。

石庭で有名な龍安寺も、かつては借景が魅力でしたが、近年では電線や現代的な建物が入り込んでしまい、借景の景観が崩されていることもあります。

白砂:水の流れを模様で表現する

枯山水といえば、この白砂を連想する人も多いのではないでしょうか。

白砂を平に敷き、砂紋引きで優雅に描かれたいくつもの線。美しく整えられた模様は、水の流れを表現しています。

この砂紋は寺のお坊さんが朝早くから引いており、禅宗の修行にも通じています。

苔:枯山水には欠かせない植物

同じように見えて、実は日本に2000種類以上存在するといわれている苔。色や質感は、季節やその環境によって大きく変わり、枯山水の表現に欠かせない存在です。

主にヒノキゴケやオオスギゴケ、コスギゴケが使われています。

堀:枯山水庭園を際立たせる効果がある

枯山水の世界が絵と例えるなら、堀は額縁。低めに作られた築地塀で造られており、枯山水という庭園世界を引き締めています。

枯山水庭園のまとめ

禅宗の宗教観から死後の世界へと繋がる枯山水。構成する石や砂は、1つ1つに深い意味があり知れば知るほどその魅力が味わいを増しますよね。

枯山水庭園に行く歳は、ぜひ今回のポイントを押さえて、宗教的宇宙観を感じてください!

この記事を読んで、「枯山水」の様な庭園を、ご自宅に作ってみたいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
庭革命では、庭造りなどの見積もりを無料相談することができます。
その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

庭革命で見積もりを依頼する

目次
閉じる