【ブルーベリーの剪定方法】夏・冬の剪定時期や失敗しないための注意点と併せて育て方もご紹介

お菓子の飾りやジャムなどによく使われている、ブルーベリー。背もさほど高くならず初心者でも比較的育てやすいため、シンボルツリーとしても人気のある果樹です。

しかし「剪定は必要?」「失敗しないためにはどうしたらいいの?」と悩む方も多いと思います。

この記事では、ブルーベリーの時期や年数に合わせた剪定方法と失敗しないための注意点を解説しますので参考にしてくださいね。

この記事を読んで、「ブルーベリー」の剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。
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目次

ブルーベリーの特徴

ブルーベリー

ブルーベリーの原産は北米で、落葉低木樹です。品種は大きく2つに分かれ、暖かい土地に強く2本以上で実をつける「ラビットアイ系」と、寒い土地に強く1本でも実をつける「ハイブッシュ系」があります。

高さは成長しても1~3メートルほどにしかならず、一般家庭の庭で育てやすいサイズです。

4月から5月にかけて、小さくて可憐な白い花を咲かせます。実は、ハイブッシュ系は6月から9月、ラビットアイ系は7月から9月頃に熟します。

ブルーベリーの育て方の中で剪定は必要?

ブルーベリーは、自然のまま育てても形が崩れにくい樹木です。しかし、安定して花を咲かせ実をつけるためには、剪定は必要です。

剪定の目的は樹木の形を整えることですが、余分な枝を切り風通しをよくすることによって病気を防ぎますまた、枝の成長を促し花を咲かせることで、結果的に実も多くつけるようになりますよ。

樹木の形を整えるだけではなく花も実も楽しみたい方は、必ず剪定を行うようにしましょう。

ブルーベリーはいつ剪定する?剪定時期は2回

ブルーベリーの剪定時期はいつ?

ブルーベリーの剪定時期は、夏と冬の2回です。

ぐんぐん成長する夏と成長が止まる冬に剪定することで、健康な木に育ちますよ。木が健康なら、安定して花と実を楽しむことができます。

それでは、夏と冬の剪定時期について詳しく見ていきましょう。

ブルーベリーの夏剪定:5~7月

夏は、ブルーベリーがよく成長する季節です。5月~7月頃の花芽がつく前に行います。伸び過ぎて長くなった枝を3分の1ほど切りましょう。伸びすぎた枝のほか、細く弱々しい枝・病気の枝・内側に向かって生えている枝も、剪定してください。

伸び過ぎた枝・弱った枝を切ることで、栄養が行き渡りやすく、光も奥まで届いて光合成しやすくなります。また、混みあった部分が解消されるので収穫時も作業が楽です。

これらの枝を残してしまうと、残しておきたい枝の成長を妨げてしまいます。花芽もつきにくくなってしまうため、こまめに剪定するようにしてくださいね。

ブルーベリーの冬剪定:1~2月

ブルーベリーの花芽

冬は、1月~2月頃が剪定時期です。ブルーベリーは、夏の間は葉を使って光合成をして冬になると葉を落とし休眠期になります。

枝だけの状態が、冬剪定をするタイミング。葉が落ちてしまえば枝がよく見えるので、剪定もしやすいですよ。休眠期は剪定によるダメージを抑えられるため、この時期に剪定しておきましょう。

寒冷地でブルーベリーを育てている場合は、雪や霜の影響で枝が折れてしまうこともあります。積雪シーズンに入る前に剪定をするなど、育てている土地の気候に合わせて剪定時期を調整してください。

ブルーベリーの剪定に必要な道具

園芸が初めての方はまずは以下の道具を揃えましょう。

  • 剪定ばさみ
  • 手袋(軍手・園芸用手袋)
  • 剪定用のこぎり(剪定ばさみで切れない太さの枝)

剪定作業は剪定ばさみと手袋が必須。「剪定ばさみは用意したけれど、手袋を忘れていた!」というのは初心者あるあるです。剪定した枝で手を傷つけないための手袋ですが、軍手では小さな枝が網目を貫通することもあります。園芸用の手袋であれば指先までしっかり保護してくれるのでおすすめです。

枝が太い場合は剪定ばさみではカットできないこともあります。傷を作って植物を傷めてしまう危険もあるので、太い枝や幹を切るときは剪定用のこぎりも用意してください。

剪定ばさみを購入する前に、枝がどれくらいの太さなのかを確認しましょう。剪定ばさみを購入する際に、最大切断径の表記をチェックして選びます。

ブルーベリーの剪定方法

ブルーベリーの剪定方法とは?

ブルーベリーの剪定は、おもに

  • ひこばえを剪定する
  • 交差する不要な枝を取り除く
  • 枝先を切りつめる

この3つを頭に置きながら剪定をすれば、失敗は少ないですよ。それでは、剪定方法について詳しく解説します。

①ひこばえを剪定する

ひこばえとは、木の根元から生える枝のことをいいます。ブルーベリーはどんどん生えてしまうため、適度に剪定しましょう。

すべて取り除いてしまうのではなく、株が込み合わない程度に残します。残したひこばえの4分の1から5分の1程度切り詰めて、新しい枝を発生しやすくしましょう。

ブルーベリーが毎年安定して実をつけるためには、定期的に木を若返らせる必要があります。残しておいたひこばえは、1~2年もすれば花や果実をつけるようになります。

古い株は根元から切られ、成長した木がメインになるというわけです。

②交差する不要な枝を取り除く

ブルーベリー

枝が交差して混みあっていると、日当たりが悪くなるだけではなく風通しが悪くなってしまいます。枝が弱ったり病気の原因になりますから、不要な枝は取り除きましょう。

弱い枝や病気の枝・内側に向かって生えている枝だけではなく、太く伸びた枝も根元から切ります。

また、花芽がついた短い枝も間引きます。そうすることで残った枝に養分がいきわたり、のちに実らせる果実が大きく成長し甘くなりますよ。

③枝先を切りつめる

ブルーベリー

ブルーベリーはさほど大きくならないとはいえ、樹木なので成長はします。サイズを手入れしやすく調整するために、枝先を切りつめましょう。

30センチ以上伸びた枝やのこしたひこばえは3分の1から4分の1程度切りつめます枝を切りつめることによってサイズを維持するだけでなく、見栄えもよくなります。

花芽は枝先につくため、切りつめすぎないことがポイント。花芽が少ないと、実も少なくなってしまうので注意してくださいね。

ブルーベリーの年数に合わせた剪定方法

ブルーベリーの剪定は、植えてからの年数で剪定方法が変わります。1~2年目までは形を整えるために、2~3年目までは横に広がるのを防ぐための剪定をします。年数に合わせた剪定ができるように、心がけましょう。

それでは、それぞれの年数の剪定の仕方を解説します。

【1〜2年目】形を整える剪定

ブルーベリーの花芽

ブルーベリーを植えて1~2年目までは、形を整えるための剪定をしていきます。花芽がついた枝先を、数センチだけ切ってください。

花芽を減らしてしまうと果実はあまりつきませんが、枝を成長させることを優先します。花芽を切ると芽が出てきますが切らないように注意しましょう。

早く花を咲かせ実をつけたい気持ちをぐっと我慢して、まずは形を整えていきましょう。

【2年目以降】横に広がるのを防ぐ剪定

ブルーベリーの花芽

ブルーベリーは背が高くなりにくい樹木ですが、横に枝を広げる特徴を持っています。枝はぐんぐん成長し、放置していると横に広がってしまい、見栄えもよくありません。風通しを良くするためにも、植えてから2年目以降は、横に広がるのを防ぐための剪定をしましょう。

剪定は、太くて大きな花芽を残して細くて小さな花芽を取り除きます。横に伸びている枝や根元の枝に弱い花芽がついていることが多いです。また、混みあっている枝の花芽も取り除いてください。

剪定する枝はどの部分?

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ブルーベリーの剪定は、枝・花芽・葉芽・株が基本です。年数によって取り除く部分は異なりますので注意してくださいね。

枝のどの部分を切るかどうかは、何を目的にするか、どんな枝を剪定するかによって変わります。株や強い枝は、ハサミを使って根元から切りましょう。

内側に向かって生えている枝や株付近の枝・混みあっている枝は、葉芽付近で切ります長く伸びた枝なら、3分の1か2分の1くらいまで切りましょう。

ブルーベリーの剪定を失敗しないための3つの注意点

剪定は、切ればいいというものではありません。適当に切ってしまうと枯れてしまったり、花や実をつけなくなってしまう恐れがあります。剪定を失敗しないために、

・花芽を切り落とさないようにする
・強剪定をしすぎない
以上2点に注意してくださいね。

それでは、それぞれの注意点を詳しく解説します。

①花芽を切り落とさないようにする

ブルーベリーの花芽

花芽は、のちに花が咲き実がつく部分です。残しておけばたくさん実がなると思いがちですが、ひとつひとつに行き渡る養分が少なくなるため取り除きましょう。

しかし、切り落としすぎには注意が必要です。花芽を間引くと甘く大きな実をつけますが、その花芽がなくなってしまうと花も実もつけてくれません

花芽を間引くときは、混みあっている枝や花芽がたくさんついている枝に絞って切り落としましょう。

②強剪定をしすぎない

強剪定とは、太い枝を短く切ったりたくさんの枝や芽を切ることです。樹木の背丈を調整するために強剪定することもありますが、切り口が大きいため木へのダメージも多いです。

樹木そのものに力がないと回復できず、そのまま枯れてしまうこともまた、強剪定した後はひょろひょろと長い枝「徒長枝」が生えやすく、樹形を乱す原因にもなります。

剪定するときは、バランスを見ながら行うことが大切です。

③芽の向きを見極める

芽から5mm程度枝を残して、その先を切り落とします。その際に注意したいのが芽の方向です。木に対して下向き・外側を向いた芽の先を剪定してください。

果樹の内側や上側を向いた芽をポイントに切ってしまうと、バランスの悪い方向に伸びる枝となり、生長の妨げになりかねません。

ブルーベリーの剪定をプロに依頼したときの費用相場

ブルーベリーを剪定するときの費用相場は、3,000円前後が目安となります。

しかし、業者によって木の高さや本数で料金が決まる場合と、職人の作業時間や人数で料金が決まる場合があります。業者により費用はさまざまですので、剪定を依頼する前に見積もりを取るとよいでしょう。

また、切り落とした枝の処理や消毒などのオプションがついている場合もあります。見積もりを取る際は、サービス内容も確認するようにしてください。

ブルーベリーの育て方

ブルーベリーはガーデニング初心者にも育てやすい果樹です。まずは育て方の基本をチェックしておきましょう。

  • ブルーベリーの水やり
  • ブルーベリーの肥料
  • ブルーベリーの収穫
  • ブルーベリーの増やし方
  • ブルーベリーの病害虫
  • ブルーベリーは鉢植えでも楽しめる

ここからは上記のブルーベリーの育て方の流れを解説します。

ブルーベリーの水やり

じょうろ

植え付け最初の年と、2年目以降で水やりの頻度が異なります。

最初の年の春~夏の終わり(4月~9月)の水やりは、週に2回ほどです。2年目以降は土の表面が乾燥してきたときに水やりします。

注意したいのは水切れ。ブルーベリーは水切れを起こすと回復が難しい植物です。特に夏の暑さには要注意。乾燥を防ぐために、株本にもみがらやバークチップを敷くなどの対策も有効です。

ブルーベリーの肥料

ブルーベリー栽培では、元肥と追肥がポイントです。

3月までの芽が出始める前に、元肥を施します。ゆっくりと効果を発揮する有機質肥料(骨粉・油かす)がおすすめです。根に栄養が行き渡るように、ブルーベリーの葉が広がる範囲全体に均一に施すのがポイントです。

5月~6月には美味しい実を付けやすくするために、追肥として速効性の高い化成肥料を施します。収穫後の9月頃にもお礼肥の追肥を与えてください。

ブルーベリーの収穫

収穫時期はブルーベリーの品種によって異なります。

  • ハイブッシュ系 6月~7月
  • サザンハイブッシュ系 5月~6月
  • ラビットアイ系 7月~8月

収穫のタイミングは、ブルーベリーの実が果実の柄になっている部分までしっかり染まっているときです。乾燥気味にしつつ、しっかりと太陽の光を浴びたブルーベリーは糖度がぐっと増します。

ブルーベリーの増やし方

ブルーベリー栽培に慣れてきたら、株を増やしてみましょう。ブルーベリーは枝を使って増やすことができ、休眠枝ざしや緑枝ざしなどの方法があります。

緑枝ざしのタイミングは6月です。新しい枝を10cm程度に切り落とし、先端に葉が2枚残った状態にして残りの葉は取ります。残った2枚の葉も半ばから半分切り落とし、枝の一番下(根本に近かった部分)は吸水しやすくするために斜めに切ってください。

差し枝として植木鉢の土にさし、乾燥を防ぐためにビニール袋で鉢を覆います。土の表面が乾かないように霧吹きで湿らせながら、日陰で管理しましょう。約1ヶ月で根が出てきます。次のシーズンに育苗ポットに移植してください。

ブルーベリーの病害虫

ブルーベリーで注意したい病気には、以下のものがあります。

うどんこ病ウドンコカビが原因です。葉や茎がうどん粉をかけたように白いカビで覆われます。
葉がカビで覆われると光合成ができず、栄養不足になり、花・葉が枯れていきます。
黒星病カビ(糸状菌)が原因です。葉に黒・褐色の斑点ができ、徐々に黄色く変色して葉が枯れ落ちてしまいます。果樹の場合は果実にもカビが広がるので食べられなくなります。
灰色かび病カビ(糸状菌)が原因です。花・つぼみ・葉が黒く変色します。
湿気で増えるため、適度な剪定で予防になります。
斑点病カビや細菌が原因です。葉に黒・褐色の斑点が広がり、葉が枯れてしまうため生長不良に繋がります。

ブルーベリーで注意したい害虫には、以下のものがあります。

ケムシ類ブルーベリーで最も被害が多い害虫がケムシ類です。見つけ次第駆除が必要ですが、ケガを防ぐためにも長手袋で対策してください。日陰の風通しの悪い場所に発生するため、適度な剪定が予防になります。
コガネムシコガネムシは土の中の幼虫は根を食害し、成虫になると葉を食べます。成虫は夏に飛来してくるので、捕まえて除去する、または忌避スプレーも有効です。ブルーベリーの株が急に元気がなくなったときは、周囲の土を少し掘って幼虫がいないか確認してみましょう。
カイガラムシ葉や枝に白い粒が複数見つかったときはカイガラムシを疑います。大量発生すると被害が大きいため、発見次第歯ブラシなどでこすり落とします。風通しの悪い場所に発生するため、適度な剪定が予防の第一歩です。
ハマキムシブルーベリーの葉がくるりと巻いていたら、中にハマキムシの幼虫がいるかもしれません。発見次第、葉ごと除去しましょう。

上記の病害虫対策として、園芸店で殺虫殺菌剤や予防薬・予防治療薬などが販売されています。適度な剪定で風通しを良くしておくのも予防対策のひとつです。

ブルーベリーは鉢植えでも楽しめる!

ブルーベリーの鉢植え

ブルーベリーは、株も幹もそれほど大きくありません。成長しても1~3メートルほどにしかならず、強剪定でサイズを調節することもできます。ですから、鉢植えにして花や実を楽しむことができますよ。

鉢植えが可能なら移動させられるので、寒い時期は家の中に入れられますね。また、ベランダで育てることもできますのでおすすめです。

ブルーベリーの剪定はプロに依頼するのがおすすめ

植木屋

ブルーベリーは初心者でも育てることができ、比較的手入れもカンタンです。

しかし、年数によって剪定のやり方が違うことや樹形づくりが、少し難しいと感じるかもしれません。それに、せっかく育てるなら安定して花を咲かせ実をつけたいですよね。

でしたら、プロの業者に依頼するのがおすすめです。ブルーベリーの基礎が出来上がる4~5年は、定期的に業者に手入れをしてもらうとよいでしょう。

庭革命では無料で複数の業者から見積もりをとることができるので、是非ご利用ください。

ブルーベリーの剪定まとめ

ルーベリーの時期や年数に合わせた剪定方法と、失敗しないための注意点について解説しました。初心者でも育てられるとはいえ、放置すれば木は応えてくれません。

正しい時期に正しい方法で剪定すれば、毎年安定した花と実をつけてくれるようになりますよ。また、長い間元気な木でいてくれることでしょう。

とはいえ、慣れない方が剪定するのは不安も大きいですよね。植え始めてから数年は、プロの業者の手を借りるのもよいでしょう。健康で美しいブルーベリーの木を育て、花と実を楽しんでくださいね。

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