【プロの庭師おすすめの鍬(くわ)11選】正しい選び方や5つの種類も完全解説

畑や庭など、土を耕す際に欠かせない道具が鍬(くわ)です。土起こしや土寄せ、雑草処理用の鍬など、目的によって使う適した鍬があります。しかし、造園業に慣れていない方、初めての方にとっては、どの鍬を選べばいいか迷うことでしょう。

この記事では、使うシーンに合わせた鍬の選び方を紹介します。後半ではプロの庭師が選んだ実際の商品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

鍬(くわ)の選び方

鍬とは?

農地や庭の土起こし・土寄せに使われる農具のひとつです。柄の先端に平坦な金属板がついた状態の農具で、土に深く刺さり掘り起こします。

    鍬を選ぶポイント

    • 作業内容に合わせた種類
    • 刃の材質
    • 柄の材質
    • 作業姿勢に合わせた柄の長さ

    手軽に使える鍬は狭い土地を耕すのに適した道具です。ここからは、鍬の購入を検討中の方に向けて、鍬の選ぶポイントを解説します。

    作業内容に合わせて種類で選ぶ

    鍬と一言で言っても、種類は多岐に分かれます。土寄せや掘り起こし、雑草取りなど、鍬の形状ごとに向いている作業があります。作業内容に応じて、合う鍬を選びましょう。

      鍬は大きく分けて4種類

      • 幅広い用途の「平鍬」
      • 土起こしをするなら「唐鍬」
      • 土をほぐすなら「備中鍬」
      • 雑草処理には「草刈り鍬」
      • 家庭菜園・ガーデニングには「片手鍬」

      鍬は大きく分けて4種類あります。ここからは、上記4種類の鍬とそれに適した作業を紹介します。

      幅広い用途の「平鍬」

      「鍬」ときいて真っ先にイメージするのが、この平鍬ではないでしょうか。

      柄に平たい長方形の金属が付いており、耕す面積も広いのが特徴。柔らかい土を掘り起こす作業に適しており、土寄せや畝立てで活躍します。

      使いやすい形状で、どの農作業でも活躍する鍬です。

      土起こしをするなら「唐鍬」

      出典:amazon

      厚く幅広の金属が取り付けられた唐鍬は、土起こしに最適です。切れ味の良い肉厚の刃を持ち、硬い土も軽々と掘り起こします。荒地や根の張った土でも活躍する鍬です。

      ただし、金属部分が分厚い分、重量がデメリットになることも。女性や高齢者には扱いが難しいと感じることもあります。

      土をほぐすなら「備中鍬」

      フォークのように先割れした形状の備中鍬は、水分を含んでかたまった土や粘土質の土をほぐすのに適しています。

      その形状をいかして、刺す・ほぐす・耕すができるため、別名「万能鍬」と呼ばれ、あらゆる作業に向いている農具です。最初に鍬を買う時には、まず備中鍬から選ぶのもよいでしょう。

      雑草の刈り取るなら「草刈り鍬」

      鍬は土を耕すだけではありません。植物を植えるのではなく、雑草処理に重宝するのが草刈り鍬(別名「三角ホー」)です。文字通り、先端の金属は二等辺三角形に近い形状で、土に深く食い込んで雑草の根を掘り起こします。

      雑草処理では草刈り鎌も有効ですが、草刈り鍬のメリットは、柄が長いのでかがまずに立った姿勢で使える点です。腰の負担が軽減される分、長時間の雑草処理作業に向いています。

      ガーデニングや家庭菜園には「片手鍬」

      家庭菜園や自宅の小さな花壇といったコンパクトなエリアの作業であれば、ハンドサイズの片手鍬の使用がおすすめです。備中鍬と同じく先端が分かれており、土ほぐし・畝立て・草削りなどの幅広い作業にも対応しています。

      片手鍬の中には画像のような「イカ型片手鍬」という種類もあります。備中鍬のようなフォーク状の刃と、長方形の平鍬が上下についており、両方の機能を果たす万能選手です。ちょっとした家庭菜園や花壇であれば、これ1本で十分と言えます。

      刃の材質で選ぶ

      鍬の刃の材質によって、重さやメンテナンス面に差が出ます。刃の材質は、造園作業に使う頻度や持ち運びするか否かで検討してください。

        刃の材質で選ぶ

        • サビに強い「ステンレス製」
        • 耐久性が高い「スチール製」

        ここからは、刃の材質について解説します。

        サビに強い「ステンレス製」

        出典:amazon

        鍬といえば鋼(スチール製)と思う方もいるかもしれませんが、錆びてしまうと長く使えません。サビに強いステンレス製の刃は、軽量で女性や高齢者にも扱いやすく、メンテナンス面からも人気です。

        ただし、ステンレス製はスチール製の鍬よりも軽い分、硬い土では耕しにくいこともあります。硬い土を耕す際には、重量のあるスチール製の鍬がおすすめです。

        耐久性が高い「スチール製」

        出典:amazon

        スチール(鋼)製は硬くて重い分、硬い土の掘り起こしや根切りにも使えます。スチール製はステンレス製より耐久性が高い分、作業中に石にぶつかっても欠けにくく、荒い扱いでもダメージを受けません。

        ただし、サビやすいというデメリットもあり、使用後は水洗いして乾燥させるなどのメンテナンスが大切です。

        柄の材質で選ぶ

        柄の材質は、使用時の重さの負担や安定感に関わります。

          柄の材質で選ぶ

          • 力が加わりやすい「木製」
          • 軽量で扱いやすい「アルミ製」

          木製とアルミ製のそれぞれのメリット・デメリットを知って選びましょう。ここからは木製・アルミ製の柄の特徴を紹介します。

          力が加わりやすい「木製」

          木製といえば軽いイメージがあるかもしれませんが、金属刃を支える1mサイズの柄の重量はかなりのものです。その重さを利用して力強く土を耕せます。

          また、木独特の質感があり、作業中に手が滑りにくく、衝撃も和らげてくれるというメリットも。木の温かみで冬時期に握っても冷たくないという点も、木製が愛される理由のひとつです。

          軽量で扱いやすい「アルミ製」

          出典:amazon

          軽量のアルミ製は女性や高齢者でも扱いやすいのが特徴。小規模な家庭菜園やガーデニングであれば、メンテナンスも簡単なアルミ製で十分でしょう。

          ただし、金属製のため、冬時期に握ると手がダメージを負うリスクもあります。グリップ付きを選ぶか、作業用手袋を付けて扱うなどの対策が必要です。

          作業姿勢に合わせて柄の長さで選ぶ

          材質と同様に、柄の長さでも、作業者への背中・腰への負担が変わります。

          座っての農作業・園芸作業であれば、柄が短い片手鍬がおすすめです。逆に、広い場所を耕したいのであれば立作業になるため、柄の長い鍬のほうが負担が軽くなります。

          腰痛持ちの場合は、長さ1m以上の柄の製品を選びましょう。

          プロの庭師おすすめの鍬(くわ)11選

          ここからは実際に販売中の商品から、プロの庭師が厳選したおすすめの鍬を紹介します。

          悩まずに道具を選びたい方は、ここから探してみてはいかがでしょうか。

          1.浅野木工所 ラクホリ四本鍬 15113

          スチール製の四本鍬で、強度も耐久性も抜群。庭の土堀りや畑の土起こし、穴掘りなどで力を発揮する備中鍬です。

          雑草や小石が多い土でもしっかり刺さり、耕すには柄の長さも十分。丈夫なスチール製なので、使うたびに刃が曲がるというトラブルもありません。

          種類備中鍬
          刃の材質スチール製
          柄の材質木製
          柄の長さ1050mm
          重量2kg

          2.浅野木工所 手打全鋼 唐鍬 15020

          スチール製の唐鍬です。重めのしっかりした刃が特徴で、土堀り、土寄せ、土ならし、土起こし、溝掘り、うね作り、穴掘りに使えます。

          口コミでは「ほど良い重みで、力を入れなくても上から落とすだけで鍬が土に刺さる」と高評価でした。

          種類唐鍬
          刃の材質スチール製
          柄の材質木製
          柄の長さ900mm
          重量1.1kg

          3.浅香工業 金象印 バチ鍬1050樫柄付 075485

          幅の狭い一枚刃が特徴のバチ鍬です。他の鍬よりも細身で軽量なため、耕す・掘り起こす以外にもタケノコ堀りや細かい作業にも適しています。

          本商品は頭部は焼入れ(強度が上がる、磨耗に強くなる)・焼戻し(弾力性が上がる)の熱処理を施しており、強度の高さも特徴。柄部分は手に馴染みやすい天然の樫材を使用しています。

          種類バチ鍬
          刃の材質スチール製
          柄の材質木製(樫)
          柄の長さ1050mm
          重量1.7kg

          4.浅香工業 金象印 片手三角ホー 鋼付 150363

          安心の国産の草刈り鍬。両辺に刃を付けているので使い易く、斜面の除草作業に便利です。

          複合材を使用した刃先は熱処理で切れ味アップ。耐磨耗性に優れており、刃研ぎも可能なので長く愛用できます。

          「切れ味抜群」「これまで三角鎌を使っていたけれど、仕事効率10倍くらい上がりました」との口コミも見られました。

          種類草刈り鍬
          刃の材質スチール製
          柄の材質木製(天然木)
          柄の長さ420mm
          重量220g

          5.藤原産業 千吉 ミニ片手鍬

          国産園芸道具の老舗ブランド「千吉」のミニ片手鍬です。ミニサイズながら刃部分は幅広。軽量小型で、女性や高齢者にも扱いやすいサイズになっています。

          柄部分は椎を使用しており、土起こし、穴掘りなどのちょっとした園芸作業や土いじりにも最適です。

          種類片手鍬
          刃の材質スチール製(S45C)
          柄の材質木製(椎)
          柄の長さ265mm
          重量‎180g

          6.藤原産業 千吉 かがみ鍬 レーキ

          レーキは落ち葉やゴミをかき集めたり、地面をならしたりする農具です。ツメ部分を活用して、庭作業では土の中のものをかき出す、かき混ぜる、という作業にも適しています。

          小型・軽量の本商品は、全長約800mmのミドルサイズ。しゃがんだ状態でも使いやすく、狭い場所でも取り回し楽々で、お庭や家庭菜園などにもおすすめです。

          楕円形のアルミパイプを採用しており、掴みやすく扱いやすいのも特徴。女性や腰の曲がった高齢者にも使いやすい設計です。

          種類レーキ
          刃の材質スチール製(S50C)
          柄の材質アルミパイプ(楕円形)、全鋼
          柄の長さ750mm
          重量530g

          7.DAISHIN(大進) ステンレス楽々備中鍬

          大きな特徴は、柄と頭が固定式で打ち付け不要という設計。頭部ステンレス・柄部アルミ製の超軽量備中鍬です。

          本体が軽い分、力の弱い女性や高齢者にも軽々使えます。ただし、重量がない分、開墾・硬い土を耕す・深く穴を掘るなどの力が必要な作業には不向き。

          ステンレスとアルミ製なので、さっと水で洗って拭くだけというメンテナンスの簡単さも人気です。

          種類備中鍬
          刃の材質ステンレス
          柄の材質アルミパイプ
          柄の長さ1050mm
          重量‎798g

          8.カネコ総業 大金 ステンレス家庭鍬 200711

          軽くてメンテナンスも簡単なステンレス製の平鍬です。柄の部分は手に優しい天然木なので、手滑りも抑えられ、長時間作業や冬の作業でも手を傷めません。

          「少し軽すぎるかも」という口コミもありますが、軽い分、力のない女性や高齢者にとっては取り回しやすい製品と言えます。

          柄が1050mmと少し短めなので、女性や小柄な方におすすめです。

          種類平鍬
          刃の材質ステンレス特殊鋼
          柄の材質木製(天然木)
          柄の長さ1050mm
          重量1400g

          9.キンボシ GS 備中鍬(小) 4063

          田・畑・果樹園等農芸作業向きの備中鍬。特殊刃物鋼使用の鍛造手造り品です。500g以下と非常に軽量ながら、刃はしっかりしており、根の張った土にもサクッと入ります。

          軽くてメンテナンスも簡単なので、初めて鍬を扱う方にもおすすめです。

          種類備中鍬
          刃の材質特殊刃物用鋼
          柄の材質木製(天然木)
          柄の長さ1080mm
          重量449g

          10.キンボシ 兼次 片手バチ鍬 1435

          片手で使うためのバチ鍬です。軽さとコンパクトさのバランスが良く、狭い場所での耕す・掘り起こす・根切り・掘削にも使いやすい大きさとなっています。

          実際に購入した方の口コミでは「程よく重く、刺すような形で土を砕ける。先端に土が残ることも少なくとても扱いやすい」という評価も見られました。

          家庭菜園や花壇での使用におすすめです。

          種類バチ鍬
          刃の材質スチール
          柄の材質木製
          柄の長さ385mm
          重量450g

          11.高儀 村国 団地鍬

          園芸用品や工具で有名な「高儀」の団地鍬(平鍬)。軽量タイプのため、家庭菜園などのコンパクトな畑を耕す作業に向いています。

          使用中に壊れたときのために、ステンレス部分・柄のパーツ部分だけの販売もあり。替えのパーツを購入できるので、長く愛用できます。

          種類平鍬
          刃の材質スチール製(SK-5)
          柄の材質木製(ラミン)
          柄の長さ247mm
          重量1100g

          鍬(くわ)のお手入れ情報

          農業・造園作業には欠かせない道具だからこそ、正しいお手入れの方法も知っておきましょう。

            鍬(くわ)のお手入れ3STEP

            • 使用後はクリーナーで洗う
            • 洗浄後にサビ止めスプレーを塗布する
            • 直射日光を避けて保管する

            ここからは、鍬を長く愛用するためのお手入れの流れについて解説します。

            使用後はクリーナーで洗う

            使用後にまず行うのはクリーナーで洗う作業です。クリーナーもいろいろありますが、刃物専用のクリーナーをおすすめします。

            土や草がついたまま放置しておくと、サビて切れ味が悪くなり、作業効率にも影響するので注意してください。使用後はまずクリーナーで汚れを落としましょう。

            洗浄後にサビ止めスプレーを塗布する

            洗った後の水分はサビの原因です。クリーナーで鍬を洗った後は、乾いた布で拭き、水分を取ります。

            拭き上げたあとは、サビ止めスプレーを噴霧してください。機械油でも良いでしょう。

            サビ止めを使わない方もいますが、一手間かけることで、長く愛用できます。

            直射日光を避けて保管する

            洗った後乾かすために屋外に放置…というのはNG。炎天下放置しておくと、熱で金属部分が変形するかもしれません。また、蒸し暑い場所での保管はカビや劣化の原因にもなります。

            拭き上げ後・さび止めスプレー後の鍬は、直射日光の当たらない冷暗所で保管してください。

            まとめ:鍬(くわ)を使って丁寧な土作りを!

            耕す・掘り起こす・畝立てなど、土を扱う際には鍬は欠かせない道具です。

            鍬には平鍬・唐鍬・備中鍬・草刈り鍬などの種類があり、それぞれ適した作業があります始めて購入する方は、備中鍬または平鍬がおすすめです。

            また、刃や柄の材質によっても、作業能率やメンテナンスの手間が変わります。自分の作業の内容に合わせて、適した鍬を選んでくださいね。

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