【プロの庭師おすすめの土壌水分計11選】後悔しない5つの選び方や自作する方法も徹底解説

お庭の花や植木にどれくらい水を与えていいのか、与えすぎていないか迷うことはありませんか?そんなとき活躍するのが土の水分量を計る「土壌水分計」です。土壌水分計はたくさんの種類があり、初めて選ぶ方にとってはどれがいいのか悩むかもしれません。

この記事では、水不足や根腐れ防止に役立つ土壌水分計の選び方を解説します。記事後半では、プロの庭師が選んだ実際の商品を紹介するので、チェックしてみてくださいね。

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目次

土壌水分計とは?土壌の水分量を測定できるガーデニング用品

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土壌水分計とは?

土の水分量を計測し、適量な水やりをサポートしてくれる道具です。

土壌水分計は、農業だけでなく、趣味の家庭菜園やガーデニングまで、さまざまなシーンで活躍しています。

植物の成長には水が不可欠です。しかし、過剰な水やりは根腐れや害虫の発生などを引き起こすリスクがあります。しかし、土の表面が乾燥していても、実際には土の中に余分な水分があることもあり、水やりの難しいところです。

土壌水分計で適切な水量を把握することで、植物の健康な成長に繋がります。

土壌水分計の5つの選び方

土壌水分計を選ぶ際のポイントは5つあります。無理に全てを網羅するのではなく、自分が使いやすそう、これなら理解できる、と思うポイントを考えてみましょう。

    土壌水分計の5つの選び方

    • 測定方法で選ぶ
    • 数値の表示方式で選ぶ
    • 測定時間で選ぶ
    • 水分計測以外の付加機能で選ぶ
    • 使用する電池の種類もチェック

    ここからは、上記5つのポイントについて解説します。

    ①測定方法で選ぶ

    土壌水分計のメジャーな測定法は2つあります。

      測定方法で選ぶ

      • 土壌の水分量が知りたいなら「誘電率測定法」
      • 水やりのタイミングを知りたいなら「テンシオメータ法」

      ここでは上記2つの測定方法について解説します。水分量か水やりのタイミングか、自分が重きをおく方法を選んでください。

      土壌の水分量がわかる「誘電率測定法」

      誘電率測定法とは?

      土壌中の水の比誘電率を測定し、それに基づいて水分量を計算する方法です。水分量を正確に知りたい場合は、「誘電率測定法」を用いた土壌水分計が適しています。

      土壌には水・土粒子・空気などが含まれており、水の比誘電率は土粒子や空気に比べて大きい性質があります。この違いを利用して土壌の水分量を推定します。

      誘電率は、金属のセンサーを地中に挿入すると、具体的な含水率の数値がわかります。土壌が「DRY」や「WET」などであるかの目安も同時に表示されるため、水やりの量が適切かどうか判断できるのです。

      誘電率測定法による土壌水分計は、水分量を正確かつスピーディに把握できるというメリットがあります。

      水やりのタイミングがわかる「テンシオメータ法」

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      テンシオメータ法とは?

      土壌に専用の素焼きの容器(ポーラスカップ)を挿しこんで水分を計測する方法です。適切な水やりのタイミングを把握したい時に役立ちます。

      地面に挿入したポーラスカップの中には、あらかじめ水が入っており、圧力センサーでその水がどれだけ減ったか(土壌に吸収されたか)を測定します。

      土壌に含まれた水分だけでは、植物が十分に水を吸収できないケースがあります。例えば、粘土質の土壌は水分量が十分であっても、植物への吸収は良くありません。

      テンシオメーター法の土壌水分計では、土壌中の水分が植物にとって利用可能な状態かどうかを判断し、適切な水やりのタイミングが判断可能です。ただし、乾燥した土壌では正確な測定が難しいというデメリットも知っておいてください。

      ②数値の表示方式で選ぶ

      体温計や時計と同じく、土壌水分計にもデジタルとアナログ表示があります。好みにもよりますが、だいたいの値を直感的に把握できればよいのであればアナログ式、はっきりとした数字でデータ化したければデジタル式を選ぶと良さそうです。

        数値の表示方式で選ぶ

        • 直感的に読み取れる「アナログ表示」
        • 数字で明確に表示できる「デジタル表示」

        ここからは、アナログ表示とデジタル表示の特徴と違いについて解説します。

        直感的に読み取れる「アナログ表示」

        アナログ表示はメーターの針や色表示でだいたいの水分量を確認できます。見やすく直感的に水分量が把握できる点がアナログ表示のメリット。自宅の花壇など、だいたいの目安がわかればいい場合には、アナログ表示の土壌水分計で十分です。

        また、アナログ式は細かい数値はわかりませんが、電池不要で使える点も大きなメリットです。必要な時に電池切れという煩わしさがありません。

        数字で明確に表示できる「デジタル表示」

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        デジタルの土壌水分計はわかりやすく数値として表示される分、水分量が客観的に確認できるメリットがあります。データ化して管理したい方には最適です。

        ただし、体温計や時計とは異なり、計測器によって表示方法が異なる点は要注意。「13.9%」「140%」と機器によって表示が異なる分、その意味を理解しづらいと感じるかもしれません。

        商品によっては、数値ではなく「WET」や「DRY」などの表記を採用しているものもあります。「具体的な数値はいいから、水が足りてるのか不足しているのかだけわかればいい」という方には、この表示方法タイプがおすすめです。

        ③測定時間で選ぶ

        体温計がモデルによって測定時間が異なるように、土壌水分計も測定時間に差があります。デジタルで数秒で表示されるものから、1時間前後の時間が必要なものまでさまざま。前述のテンシオメーター法を使ったポーラスカップの場合は、計測できるまでに時間が必要です。

        結果をすぐに知りたい方は、購入前に測定時間も確認しておきましょう。

        ④水分計測以外の付加機能で選ぶ

        土壌水分計は、モデルによっては水分計測以外の便利機能が搭載されたものもあります。

        土壌水分だけでなく、土壌の温度や日照、pHなど、植物の成長に必要な要素を合わせて計測したいという方におすすめです。

        ⑤使用する電池の種類もチェック

        デジタル表示の土壌水分計は、電池が必要です。モデルによって単3・単4・9Vなど必要な電池が異なるため、手持ちの充電式電池を使いたい場合は規格も確認しておきましょう。

        アナログ表示の土壌水分計は、電池なしで使用可能です。

        また、テンシオメーター法を使ったポーラスカップの場合も、測定時間はかかるものの、電池は必要ありません。

        プロの庭師おすすめの土壌水分計11選

        「選ぶポイントは理解したけれど、手っ取り早く実際にプロが使っているものを紹介してほしい」という方に向けて、おすすめの土壌水分計をピックアップしました。

        どれもプロの庭師が厳選した商品です。土壌水分計選びの参考にしてください。

        1.キャビノチェ SUSTEE 水やりチェッカー C-0013-WH

        電池を使わず、土に挿すだけで使える土壌水分計です。世界で初めて家庭用水分計で「pF値(有効水分域=根が水を吸う力)」を採用したモデルで、栽培農家などプロが使うクオリティが特徴。根腐れや水枯れなど、水やりの失敗を防ぎます。

        水が充分にある時はインジケーターが青色に、水が足りなくなると青色が白色に変化し、直感的に扱える点がメリットです。

        中芯の寿命の目安は、有機培養土で約6-9ヶ月、無機培養土で約9-12ヶ月、ハイドロカルチャーや水苔、バークは約1-2年となっています。中に入っている芯材は天然繊維100%で、土のなかのバクテリアにより分解するエコ素材。中芯が寿命を迎えた際は、別売りのリフィルに交換が可能です。

        測定できる項目pF値(有効水分域)
        表示方式アナログ表示
        測定時間
        電池の種類電池不要

        2.藤原産業 セフティー3 簡易土壌水分計 SKS-2

        電池不要の簡易土壌水分計。電極を利用して計測するので電池は不要で、設定や計算の必要もありません。誰でも簡単に土壌水分を測定できます。

        水分表示はメーター式なので、直感的に現状がわかります。花や野菜の生育管理に適した土壌水分の測定に最適です。

        測定できる項目土壌水分
        表示方式アナログ表示
        測定時間
        電池の種類電池不要

        3.藤原産業 セフティー3 簡易土壌酸度計&土壌水分計 SKS-3

        土壌酸度測定と土壌水分測定が同時にできる簡易メーター。最適な土壌環境となるべく測定・管理できるため、植物を枯れ・根腐れから守ることができます。

        電極を利用した測定なので、電池は不要。土壌に挿すだけで簡単に測定できるエコタイプです。

        測定できる項目土壌酸度、土壌水分の測定
        表示方式アナログ式
        測定時間30分
        電池の種類電池不要

        4.高森コーキ デジタル土壌酸度計 SPM-002

        土壌酸度と水分を同時に計測するモデルです。

        電池不要で、水分0~10、pH3.0~10.0まで測定してくれます。140種類の農作物に最適な土壌pHの目安表付きなので、園芸初心者や土壌水分計が初めての方にもおすすめの商品です。

        同じシリーズには、土壌酸度計に限定したモデルや、デジタル表示の土壌酸度計もあります。

        測定できる項目土壌酸度、土壌水分の測定
        表示方式アナログ式
        測定時間30分
        電池の種類電池不要

        5.シンワ測定 デジタル土壌酸度計 A-2 大文字 72730

        データ化におすすめのデジタル土壌酸度計。液晶画面は大きな数字で読みやすいだけでなく、バックライト機能付です。

        正面にスイッチがあり、簡単モード切り替えで土壌温度、照度、土壌水分、塩分濃度が簡易的に測定可能。

        エラストマーで滑りにくく、土壌に挿しやすい形状です。

        測定できる項目土壌温度、照度、土壌水分、塩分濃度
        表示方式デジタル式
        測定時間
        電池の種類単4アルカリ乾電池 3本

        6.IC(アイシー) サーモ901 土壌水分計

        植物の育成に必要な水分が一目でわかる土壌水分計。10段階で土の湿り具合を表しており、グリーンのエリア(3.5~4)が目安なので、一目で必要な水分量がわかる仕様です。

        電池は不要なので、電池切れの心配もなく安心して使用できます。

        ただし、防水ではないため、挿しっぱなしでの使用はできません。お庭管理の仕事でその都度使うのであれば十分な機能です。

        測定できる項目土壌水分
        表示方式アナログ式
        測定時間
        電池の種類電池不要

        7.IC(アイシー) サーモ902 土壌酸度計・水分計

        「NHK趣味の園芸」などのテレビ番組や雑誌でも紹介された人気の計測器です。

        2本のセンサーで土壌の水分と酸度を計測します。表示の切り替えは、切り替えスイッチを押すだけなので扱いも簡単。野菜の栽培や芝生、草木、草花の管理など、農業・園芸に最適な計測器です。

        測定できる項目土壌水分
        表示方式アナログ式
        測定時間
        電池の種類電池不要

        8.高儀 土壌酸度計 水分測定機能付き

        国産工具メーカーとして有名な高儀(タカギ)の土壌水分計です。土壌酸度測定・土壌水分測定ができる2Wayタイプ。土壌に挿しこんでから約10分で植物の計測結果を確認できます。

        注意点は防水タイプではないことです。雨中・水のかかる場所では使用できません。

        測定できる項目土壌酸度、土壌水分
        表示方式アナログ式
        測定時間約30分で数値が安定
        電池の種類電池不要

        9.佐藤計量器製作所 土壌用酸度計(水分計付) SK-910A-D

        測定器のヒットメーカー佐藤計量器製作所の土壌用酸度計(水分計付)です。

        土壌水分に加え、酸度(pH値)も同時に測定可能。水分/酸度計の切り替えスイッチで、メーター表示が切り替わります。

        適量部分はグリーンで表示されており、ひと目で適量かどうかがわかる使いやすさも特徴です。

        測定できる項目土壌酸度、土壌水分
        表示方式アナログ式
        測定時間
        電池の種類電池不要

        10.竹村電機製作所 土壌水分計 DM-8

        テンションメーターを採用した土壌水分計です。水が土の中へ染み出ていこうとする力を圧力計で測定しており、pF値(水分張力)で表示しています。測定範囲は0~2.6pFです。

        緑・黄色・赤のメーターの色分けで水分が必要かどうかが一目でわかる仕様で、緑が最適水分量となります。土壌の乾燥状態でpF値は上がり、水分が増えるとpH値は減少するので、土壌の乾燥状態が一目で判断可能です。

        注意点として、土壌水分計を挿した直後は数値が安定するまでに一晩かかります。その後は挿しっぱなしでリアルタイムで経過観察できる点は大きなメリットと言えます。

        測定できる項目土壌水分
        表示方式アナログ式
        測定時間一晩(その後は安定してリアルタイムで測定可)
        電池の種類電池不要

        11.FUSO ペン型土壌水分計 PMS-714

        マイクロプロセッサー搭載のデジタル式ペン型土壌水分計で、相対水分率の高精度計測が可能です。

        大きな特徴は、長期使用に耐える強度な素材を使用した防水構造(IP65)であること。汚れたら水洗いできるので、後片付けも簡単です。

        また、デジタル式なので土壌水分量のデータ化にも最適。精度も高く、農業以外では材料の含水比測定にも使われています。

        測定できる項目土壌水分
        表示方式デジタル式
        測定時間
        電池の種類単4乾電池×4本

        土壌水分計に関するよくある質問

        実際に土壌水分計を購入する前に、よくある質問も知っておきましょう。

        ここでは、土壌水分計のよくある疑問・質問を集めました。

        土壌水分計は挿しっぱなしでOK?

        土壌水分計は挿しっぱなしでOK?

        挿しっぱなしでも大丈夫ですが、測定するときだけの使用が理想です。

        土壌水分計を土に挿した状態で長期間放置すると、緑色のサビが機器について正確な測定が難しくなることもあります。測定が終わったら地面から回収し、水分と汚れをよく拭いてから保管してください。

        土壌水分計は自作できる?

        土壌水分計は自作できる?

        可能です。ホームセンターで販売されている材料で自作できます。

          土壌水分計の材料

          • 抵抗を測定するためのテスター
          • 金属製の細い棒(針金でもOK)×2本
          • パテ(エポキシ樹脂製)

          エポキシ樹脂製のパテは100円ショップでも購入可能です。2本の金属棒を平行に並べ、触れ合わないように電気を通さないエポキシ樹脂製のパテで固定します。

          金属棒を土壌に挿し、金属部分にテスターを繋いで抵抗値を測定してください。

          まとめ:土壌水分計を使って栽培の質をUP!

          土壌水分計は、プロから一般家庭のお庭でも活躍するツールです。測定方法や測定時間はモデルによって異なるため、自分の環境に合わせて使いやすいものを選んでください。

          水分量だけでなく、pHや照度など、植物に必要な要素も合わせてチェックできる機能がついているとさらに便利です。

          土壌水分計を活用して、植物の成長サポートに役立てましょう。

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