【杏の剪定方法】正しい時期と育て方をわかりやすく解説!

実も花も美しい杏の木。食用としても鑑賞用としても人気です。しかし、「花が前々咲かない」「収穫を楽しみにしていたのに実ができなかった」という悩みを抱えている方もいるでしょう。

そこで今回は、杏の木の正しい剪定方法を紹介します。花を咲かせたい場合と実を収穫したい場合の剪定のコツについても解説するのでぜひご覧ください。


この記事を読んで、「杏」剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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目次

杏の木の剪定時期

杏の木の剪定はいつ行う?

杏の木の剪定時期は12月~2月の冬です。

冬に剪定することで、春に新芽が出て成長しやすくなります。杏の木を効率良く成長させたいなら、寒くなる冬の時期に剪定しましょう。

ただし、樹木自体が成長しすぎている場合は、夏の時期にも剪定する場合があります。育てている杏の木の様子を見つつ、年1回の剪定にするか2回の剪定にするか選択してください。

杏の木の剪定方法

杏の木の剪定方法は一種類ではありません。何を重視して杏の木を育てるのかによって剪定方法は異なります。杏の木の剪定方法は主に以下の3つです。

【杏の木の剪定方法】

  • 花をつけたい場合
  • 実を収穫したい場合
  • 剪定しない場合

理想とする杏の木の形によって、剪定方法を選択しましょう。次の章ではそれぞれの方法について詳しく解説します。

花をつけたい場合の剪定方法

杏の木に花を付けたい場合は、弱めの剪定をします。剪定する前にまず、完成イメージを固めておくのがおすすめです。完成イメージがぼんやりしていると、仕上がりもはっきりしません。

剪定ではまず、傷んでいる枝や葉を切り落とします。不要な葉や枝を落とすことで、根から吸収した栄養が効率良くいきわたり元気な木に育てることが可能です。

また、杏の木は葉に栄養が蓄えられていなければ花が咲かないため、葉を過剰に切り落とさないよう注意してください

実を収穫したい場合の剪定方法

杏の実を収穫したい場合は、花を咲かせないようにする必要があります。なぜなら、花に栄養が渡ると、実の収穫量は減ってしまうからです。

まず、仕上がりをはっきりとさせるために、全体の完成イメージを固めてから傷んでいる枝や葉を切り落とします。不要な枝葉を切り落とすことで、必要な部分に栄養を行き渡らせることが可能です。その後、花の量を減らすように剪定しましょう。また、杏の実は短い枝になることが多いため、枝の長さを10cm程度にするのがおすすめです。

杏を剪定しない場合の影響は?

杏の剪定をしない場合はどのような影響があるのでしょうか?ここでは、杏を剪定しない場合の以下の2つの影響を紹介します。

【剪定しない場合の影響】

  • 黒星病
  • 害虫被害

杏の木に影響が及ぶ大きな原因は、剪定を行わないことで風通しや日当たりが悪くなることです。次の章で詳しく解説するので、チェックして適切な対応を確認しましょう。

黒星病

黒星病とは

黒星病とは、黒い星のような斑点が杏の葉や果実の表面にできる病気のことです。

黒星病にかかることで、葉や実の成長は妨害され杏の成長に大きく影響します。実の収穫量が減るだけでなく、花が咲かなくなって見た目が悪くなるのが特徴です。

黒星病の原因はカビの菌であり、湿気の多い梅雨の時期に発症しま。冬場の剪定をしないと梅雨時期に葉が生い茂り、風通しが悪い黒星病の温床になるでしょう。

害虫被害

杏の木は、剪定しないことで害虫被害に合うことがあります。杏の木の害虫として多いのが、コスカバの幼虫やアブラムシです。コスカバは5月から9月ごろに成虫が木に卵を産み、孵化した幼虫が樹木の革の中に入り込み食害します。

また、アブラムシは春頃に発生して、杏のつぼみや葉から栄養を吸い取ります。害虫から杏の木を守るためにも、適切な時期に剪定しましょう。また、害虫を発見したらすぐに対処することも重要です。

杏の木を仕立てる方法

杏の木を上手く育てるためには、仕立てる方法も重要です。仕立てとは樹形のことであり、目的に合わせて枝をどう伸ばすか決めます。

杏の仕立て方として主流なのは「開心自然形」と呼ばれる方法です。正面から見た時にメインの枝が鹿の2本の角のようになります。主枝から外側に向かって枝を伸ばし、樹高を抑えることで手入れや収穫しやすくなるのが特徴です。

杏の木の育て方

杏の木は、適切な方法で育てることが大切です。初めて杏の木を植える場合は、その育て方に迷うこともあるでしょう。ここからは、杏の育て方を以下の6つの項目に分けて紹介します。

【杏の育て方】

  • 栽培環境
  • 水やり
  • 肥料
  • 受粉
  • 摘果
  • 根詰まり

それぞれの項目については次の章で徹底解説。正しい育て方を知って立派な杏の木を育てましょう。

雨が少なく、涼しい環境が最適

杏の木は、雨が少なく涼しい環境を好みます。鉢植えで育てる場合は、梅雨の時期に場所を移動するなどして対応するのがおすすめです。地植えの場合は、できるだけ湿気をため込まないよう、水はけの良い土を用意しましょう。

また、日光を好む樹木のため日当たりと風通しの良い場所に植え付けるのがおすすめです。ただし、地域によって育てやすさは異なるため環境によって植え方を決めてください。

植木鉢の表面が乾いたら水やりしよう

鉢植えの場合は、植木鉢の表面が乾いてきたタイミングで水やりをしましょう。水の量は鉢から水が浸み出す程度が適量です。水をやりすぎると根腐れを起こす可能性があるため、注意してください

また、地植えの場合は基本的に水やりは不要です。しかし、夏場など雨が降らない日が数日続き、乾燥している場合は適度に与えてください。

肥料のタイミングは4月・8月・12月

杏は肥料を与えてあげることで、成長が良くなります。与えるタイミングは、鉢植えの場合4月・8月・12月の3回です。地植えの場合は4月と12月の2回となります。

与える肥料は、どの時期も有機質肥料がおすすめです。定期的に肥料を与えて杏の花や実を楽しみましょう。

大量の実が欲しい場合は人工授粉しよう

杏の木にどれくらいの実がなるかは、環境や気温によって左右されます。そのため、大量に実を収穫することを目的として植える場合は、人工授粉も視野にいれましょう

杏は自家受粉できる果樹ですが、1品種だけでは受粉不良を起こす可能性があります。そのため、別品種の杏やウメ・桃・スモモなどの木を受粉木として植えておくのがおすすめです。また、人工授粉用の花粉は通販サイトなどでも購入できます。

杏の実が増えすぎたら摘果しよう

収穫量を増やしたいからと人工授粉をしすぎると、実が多すぎて成長しにくくなる可能性があります。生育の悪い実を放置しておくと樹木自体にも負担がかかるため、定期的に摘果しなくてはなりません。

摘果は、枝の長さが10cm~15cmに対して実が一つになるようにします。摘果することで立派な実が収穫できるので、実が増えすぎた場合はぜひやってみてください。

植え替えで根詰まりを防止しよう

鉢植えで杏を育てる場合は、根詰まりに注意しなくてはなりません。根詰まり防止には植え替えが有効的。定期的に植え替えを行うことで空気のとおりがよくなり、土から効率良く栄養を吸収できます。植え替えは以下の手順で行いましょう。

  1. 木を持ち上げる
  2. 根を切り取る
  3. 新しい鉢に植える

適切な方法で植え替えを行うことで根詰まりは防げます。次の章で植え替えのポイントについて詳しく解説。ぜひチェックしてください。

杏の木を持ち上げる

まずは、杏の木を持ち上げてください。杏の木の根と土がくっついていると鉢に密着し、持ち上げにくい場合があります。その場合は土を手でほぐして土と植木鉢を離してあげましょう

持ち上げた杏の木には、たくさんの土がついています。古い土は植え替えの時に新しい土に変えるため、半分くらいは払い落してください。

痛んだ根を切り取る

植え替えを行う杏の根は、痛んでいる場合があります。土を払い落すことで根が見えるため、痛んでいたり長く伸びすぎていたりした場合はカットしましょう

根を切り落とした杏をどこかに置く場合は、新聞紙などを引いておくのがおすすめです。二人以上で作業する場合は、一人が手に持った状態で作業しても問題ありません。

新しい鉢に植える

植え替える杏の木の用意が整ったら、新しい鉢に植えます。新しく用意した鉢の底一面に軽石を敷いてから土を入れてください。土の量は鉢底から3cmを目安にしましょう。

土を入れた鉢に杏の木を入れます。その後、鉢全体の8割り程度まで土を入れれば植え替えは完了です。植え替え後は水やりもしてください。

杏の木の収穫時期

杏の実の収穫時期は6月~7月。生の杏の旬は非常に短く2週間程度となります。この時期だけ楽しめる味なので、収穫時期を見逃さないように注意してください。

また、杏の実を収穫する時は、落として傷つけてしまわないように丁寧に扱います。手で杏を支えながら慎重に杏の実を枝から切り離しましょう。

杏を楽しむ方法

杏の実の収穫期間は短く、より長く楽しむには工夫する必要があります。ここでは、生で食べる以外の楽しみ方である以下の3つをご紹介。

【杏の楽しみ方】

  • 保存方法
  • ジャム
  • 種も使える

次の章でそれぞれ詳しく解説します。杏の実を最大限に楽しむためにもぜひチェックしてください。

杏の保存方法

生の杏を保存する場合は、ラップに包むのがおすすめです。保管場所は風通しが良い涼しい場所を選択しましょう。気温が高くなりそうな場合は冷蔵庫で保管してください。

生で食べきれない量が収穫できた場合は杏の実をミキサーにかけてピューレ状にするのがおすすめです。また、杏の実を日本酒につけて作る杏酒を作ってみるのもいいでしょう。

杏でジャムを作ってみよう

杏の実はジャムにすることもできます。杏の甘酸っぱさが美味しく長く保存できるのが特徴です

杏ジャムを作る時は、まず杏の実を良く洗い二つに割ってからへたを取り除きます。小さめにカットした杏を鍋に入れ、杏の約3分の1の砂糖と一緒に火にかけてください。

続いて、水分と一緒に灰汁が出てくるので取り除きます。灰汁を丁寧に取り除くことが美味しいジャムを作るコツです。その後1時間程度煮詰めて水分が減り泡が少なくなったら完成です。熱いうちに消毒した瓶などに入れて粗熱を取ってください。

杏の種は杏仁豆腐におすすめ

杏を余すことなく使いたいなら、種を杏仁豆腐に使いましょう。種を2つに割ることで現れる白いものが杏仁です。

杏仁と水をミキサーに入れて砕き、漉したものを牛乳・生クリーム・砂糖・寒天・ゼラチンなどの材料と合わせることで杏仁豆腐ができます。

種から杏仁を取り出すのに手間はかかりますが、本格的な杏仁豆腐を作ることが可能。この機会にぜひ作ってみて下さい。

まとめ:正しい剪定方法・育て方で杏を楽しもう!

今回は杏の正しい剪定方法と育て方について紹介しました。杏の木の剪定は、花を楽しみたいのか実を収穫したいのかによって方法が異なります。希望に合わせて剪定しましょう。

また、綺麗に剪定できる自信がなかったり、時間がなかったりする場合は業者に依頼するのもおすすめです。定期的な手入れが必要な杏は、業者に剪定を依頼することで育てやすくなるでしょう。


この記事を読んで、「杏」剪定を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

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