【ユスラウメの剪定】ユスラウメの実が変?よくある失敗や詳しい育て方、収穫後のレシピも紹介!

ウメに似た可憐な花と赤く美しい実が特徴のユスラウメ。食用の実を楽しめる植物として、人気のシンボルツリーです。しかし「収穫を楽しみにしていたのに実があまりつかなかった」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?

本記事では、ユスラウメの「実がならない原因」や「上手な育て方」のほか、「収穫後のおすすめレシピ」についてもご紹介します。


この記事を読んで、「ユスラウメ」の植栽や剪定、年間管理を業者に依頼したいと思われた方は、お庭手入れのプロである庭師に相談することがおすすめです。

庭革命では、お庭造り・剪定・植栽などの、見積もりを無料相談することができます。その他、お庭・植物に関する悩みがあるお客様も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

目次

【赤い宝石】ユスラウメとは

ユスラウメは「赤い宝石」に例えられるほど華やかで美しい実をつけます。サクランボに似た鮮やかな赤い実をつけるため、シンボルツリーとしても人気です。また、 ユスラウメの実は目で楽しませてくれるだけでなく、食べられるのも魅力。毎年、鳥との争奪戦になりそうですね。

ユスラウメはウメに似た白っぽくて可愛らしい花をつけますが、赤花の品種も人気があります。庭の地植えだけでなく、鉢植えや盆栽としてベランダガーデニングでも育てることができるため、初心者でもチャレンジしやすい植物です。

項目詳細
分類落葉低木
学名 Prunus tomentosa
科属名バラ科サクラ属
別名梅桃、朱桜、梅桜、桜桃、山桜桃梅
英名Nanking cherry
花色白、ピンク
開花時期3~4月
収穫時期6~7月
原産地中国、朝鮮半島
誕生花4月28日

【郷愁?】ユスラウメの花言葉は?

ユスラウメの花言葉は「郷愁」や「輝き」です。「郷愁」が花言葉になっている理由は、庭先のユスラウメの実を幼い頃に食べた記憶がよみがえり、どこか懐かしい気持ちになるからだとされています。ユスラウメの実を食べた経験はなくても、幼い頃に庭や道端で、何かの実や花の蜜を口にした思い出があるのではないでしょうか。

輝き」の花言葉は、ツヤツヤと美しい光を放つ実が由来です。輝きある未来に向かって歩く、そんな前向きな気持ちにさせてくれる素敵な花言葉が ユスラウメにはつけられています。

【縁起が良い】ユスラウメの風水は?

ユスラウメは実がなる植物なため、南西の方角に植えるのが吉とされています。背の高い植物を植えるのは不適切だとされる南西ですが、 ユスラウメは成長しても樹高が低いため、まさに南西の方角に最適です。

可愛らしい白い花と、鮮やかな赤い実の組み合わせが紅白であることからも、 ユスラウメは縁起が良い植物として愛されています。

【よくある失敗】実がならないのはなぜ?

ユスラウメの実がならないのはなぜ?

夏以降に枝の切り過ぎ・根詰まりや根腐れ・肥料不足が考えられます。

ユスラウメを育てる上で大きな楽しみとなるのが、実の収穫です。しかし、せっかく楽しみにしていた実がならずに落胆するケースもあります。この章では、実がならない時に考えられる原因3つについて詳しく解説します。

①8月以降、枝を切りすぎ?

実がならないのは、8月以降に枝を切り過ぎているからかもしれません。定期的に剪定を行って、風通しを良くすることは大切です。しかし、 ユスラウメの花芽が形成される夏以降に枝を切り過ぎると、せっかくの花芽をすべて落としてしまい花が咲きません。

②根腐れ・根詰まり?

ユスラウメは日光を好むため、日当たりが悪くて湿気が多い場所では花がつきにくくなります。また、鉢植えで育てている場合、水をやり過ぎて根腐れを起こしているか、鉢が小さくて根詰まりを起こしている可能性もあるでしょう。

乾燥に強いユスラウメは、湿り過ぎた土壌では花や実が育たないため、表面が乾燥してから水を与えるように心掛けてくださいね。

③肥料の欠乏?

リン酸やカリウムといった肥料の不足も実がならない原因と考えられます。たくさん実を楽しみたい場合は、収穫後と2月下旬に即効性のある化成肥料を、そして10月下旬には有機質肥料を与えてあげましょう。

ユスラウメとよく似た植物3選!

ユスラウメには、よく似た植物が3種類あります。

ユスラウメと似ている植物

  • ニワウメ
  • ウメモドキ
  • ジューンベリー

ウメに似た可愛らしい花と赤い実が特徴のユスラウメ。この章では、ユスラウメに似た植物の特徴や見分け方について解説します。花や実が似ている植物を知ることで、庭木選びの幅が広がるでしょう。

①ニワウメ

同じくバラ科に属する「ニワウメ」は、ユスラウメに姿かたちが良く似ています。薄ピンク色の可愛らしい花を咲かせ、ユスラウメ同様に赤い食用の実を付けるニワウメ。両者を見分けるポイントは「葉」です。

ユスラウメの葉には凹凸があり、よく見ると産毛のような細かい毛で覆われています。それに対し、ニワウメの葉は毛や凹凸がなく、ツルっとしているのが特徴です。

②ウメモドキ

「ウメモドキ」は、トチノキ科の植物です。赤い実をつけることからニワウメに似ていますが、実をつける時期が異なります。ニワウメは夏に実をつけるのに対し、ウメモドキは冬に実をつけて寒い庭を彩ってくれる植物です。

また、ウメモドキの実は残念ながら食用にはなりません。

③ジューンベリー

バラ科の「ジューンベリー」。6月においしい赤い実がなることからジューンベリーという名が付きました。樹形が美しく、ユスラウメ同様にシンボルツリーとして人気の高い植物です。

春に清楚な白い花、初夏の赤い実をジャムにした後は、秋の紅葉と、1年を通して変化を楽しめます。ユスラウメとジューンベリー両方を育てて楽しむのもおすすめです。

ユスラウメの剪定のポイント

ユスラウメは、自然樹形の「株立ち」が魅力の木です。株立ちとは、茎の根本から数本の茎が立ち上がっている状態をいいます。1本立ちに比べて爽やかな雑木林のような風情になるのが株立ちの特徴です。

特に、株立ちは3本または5本など本数を奇数にすることで、さらにスタイリッシュに仕上げられます。

ユスラウメの剪定の時期は?

落葉樹であるユスラウメの剪定は、木が休眠に入る12月~3月の冬に行うのが基本です。休眠期間中に剪定すれば、ユスラウメにかかる負担を和らげます。

ただし、雪が多く降る寒冷地では、寒さが和らぎ始める2月~3月に行ってください。真冬に剪定すると枝が枯れる恐れがあるため、注意しましょう。

【実践編】ユスラウメの剪定の仕方

ユスラウメの剪定は、下記の手順で行いましょう。

ユスラウメの剪定手順

  • 不要な枝を切り落とす
  • 樹幹のラインで形を整える
  • ひこばえをカット

この章では、ユスラウメの上手な選定方法について手順を追って分かりやすく解説します。この3つの手順に沿って行うと、きれいに剪定できますよ。

①不要な枝を切り落す

ユスラウメの主な剪定は、冬の時期。落葉した後なので枝ぶりが分かり、切りやすくなっています。枝が混み合っている箇所を探し、不要な枝を切り落としましょう。

この時、全部を刈り込んでしまうとユスラウメの魅力である実がならなくなるため、切る枝と残す枝を見極めて間引くことがポイントです。内向枝、交差枝、下がり枝、徒長枝、古い枝を剪定すると上手に間引けるため、試してみてくださいね。

②樹幹のラインで形を整える

ユスラウメの一般的な樹高は2~3mですが、樹高が大きくなり過ぎた場合は、理想の樹幹ラインで形を整えましょう。また、実を収穫した後の6~7月は新枝が勢い良く伸びる時期であるため、伸びすぎている枝を見つけたら切り戻してください。

ただし、ユスラウメは短い枝に花芽が付きやすいため、短い枝は切り落とさずに残しましょう。

③ひこばえをカット

ユスラウメは株本にひこばえができやすいため、見つけたらカットします。ひこばえとは、切り落とした株などの根元から生えた、不要な芽のことです。

株立ち樹形にしたい場合は、ひこばえを全てカットせずに少し残して、その他は地際で切り取りすっきりさせるとスタイリッシュになりますよ。

ユスラウメの人気のレシピ3選!

実の収穫は、ユスラウメを育てる上で楽しいイベントのひとつです。

ユスラウメの人気レシピ

  • ジャム
  • ジュース
  • 果実酒

せっかく収穫した実は、おいしく味わいたいですよね。この章では、ジャムをはじめ手軽にできるおすすめのレシピをご紹介します。

①ユスラウメのジャムの作り方

甘酸っぱいユスラウメの実は、「ジャム」にするとより一層おいしさが引き立ちます。ジャムといえば手間がかかる印象がありますが、電子レンジを使えば簡単です。容器は煮沸消毒してから使用しましょう。

  1. 収穫したユスラウメを塩水でしっかりと洗う
  2. 1.を耐熱容器に入れ、少し水を加えて電子レンジで5分ほど加熱する
  3. 冷めたら実を潰して種を取る
  4. 砂糖とレモン汁を加えて電子レンジで2~3分さらに加熱した後、混ぜる

ただし、ユスラウメは凝固成分が少ないため、思うように固まらない場合は、食用ペクチンを加えてとろみをつけると良いですよ。ゆるいままコンフィチュールにしてもおいしくいただけます。

②ユスラウメのジュース(シロップ)の作り方

ユスラウメの実は「ジュース」にしても爽やかな味わいになり、おすすめです。

  1. 実と同量程度の氷砂糖と適量のレモン汁を容器に入れ、氷砂糖が溶けるまで待つ
  2. たまに容器をゆすると氷砂糖が溶けやすくなる
  3. 氷砂糖が溶けたら、濾した後に煮沸
  4. 冷やせばシロップの完成

シロップは、消毒した瓶などで保存すると良いでしょう。飲む時は、水で割るか、炭酸水で割ると甘酸っぱいユスラウメジュースができあがります。淡いピンク色で見た目も味も爽やか。ついゴクゴク飲んでしまうおいしさです。実がたくさん取れたら、ぜひジャムと合わせて作ってみてくださいね。

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③ユスラウメの果実酒の作り方

アルコールを加えるとユスラウメの「果実酒」も作れます。手順はシロップの作り方とほぼ同じで、

  1. 実と同量程度の氷砂糖を容器に入れる
  2. ジンやウォッカなど好みのアルコールを実がひたひたになるまで加える
  3. 冷暗所で1か月~半年ほど置いたら完成

氷砂糖ではなくグラニュー糖を使用する場合は、先に実をアルコールに浸した後に砂糖を加えます。入れるアルコールの種類によって味が変わるため、何種類か試して自分好みの果実酒の作り方を見つけてくださいね。

ユスラウメの育て方

たくさんの実を楽しむためにも、ユスラウメを健康に育てたいですよね。下記のポイントを抑えることでユスラウメを上手に育てられます。

ユスラウメの育て方

  • 日当たり・環境
  • 植え付け・植え替え
  • 水やり・肥料やり
  • 増やし方
  • 病害虫

この章では、ユスラウメを健康に育てるためのポイントや注意点をいくつか解説します。

日当たり・環境

ユスラウメは乾燥に強く、日光を好みます。そのため、よく日が当たる水はけが良い土壌で育てましょう。乾燥に強い一方で、土壌の過湿には弱いため、特に鉢植えで育てる場合は水の与えすぎに注意してください。

水を与え過ぎると根腐れして生育不良や枝枯れを起こしてしまい、花や実着きが悪くなってしまいます。ユスラウメの魅力である花や実を楽しむためにも、土壌選びや水やりは慎重に行ってくださいね。

植え付け・植え替え

植え付けや植え替えは、ユスラウメが休眠期に入る2月~3月に行います。日当たり・水はけが良い場所を選び、堆肥や腐葉土を混ぜた土に苗を植え付けましょう。

鉢を植え替える場合は、小粒の赤土と腐葉土を7対3の割合で混ぜた土を使うと水はけが良くなりますよ。土への植え付け、植え替え作業が終わったらたっぷりと水をやりましょう。

水やり・肥料やり

鉢植えで育てている場合、水のやり過ぎには注意しましょう。根腐れを起こしやすくなり、花つきや実つきが悪くなります。土が乾燥したタイミングで水を与えてください。

また、肥料不足も実着きの悪くなる原因となります。2月下旬と収穫後には速効性の化成肥料を施し、10月下旬には有機質肥料を与えてやると元気に育ってくれますよ。

増やし方

ユスラウメを増やす方法は、種まき・挿し木・取り木の3種類

「種まき」は、実を収穫し種を取ったら、湿らせた水苔、川砂に入れ冷蔵庫で保管。春になったら育苗ポットに種を1つずつまき、水やりをします。苗が15㎝程まで成長したら、地植えまたは鉢植えにしましょう。

挿し木」は、新しい枝を10㎝~15㎝程度カットし、1時間水につけた後に、挿し木用の土に挿します。

取り木」は、幹の皮を2cm幅でナイフで剥いで、湿らせた水苔で巻き、その上からビニールを巻きます。根が出たら切り取り、植え付けて完成です。

病害虫

ユスラウメは害虫がつきにくい植物ですが、

  • カイガラムシ
  • カリウム不足
  • 縮葉病
  • ふくろみ病

などに注意しましょう。「カイガラムシ」を見つけたら駆除してください。また、葉焼けを起こしている場合はカリウム不足が考えられるため、肥料を与えて様子をみましょう。

ユスラウメで特に注意したい病気は、以下の二つがあるので詳しく解説します。

【葉っぱが火ぶくれに?!】 不気味な「縮葉病

画像出典:Flickr(Photo by:jacinta lluch valero
葉っぱが変です!これは何?

縮葉病 」の恐れがあります。

ユスラウメで注意したい病気は、葉が赤く変色して火膨れを起こす「縮葉病」です。主に若い葉が、赤く不規則に縮れ、おぞましい火ぶくれ状になるのが特徴です。冬の休眠期に、石灰硫黄合剤やオーソサイド水和剤などで樹全体を洗い流すように散布することで予防できます。

【ユスラウメの実が変?!】「ふくろみ病」に注意

画像出典:Flickr(Photo by:Donald Hobern
ユスラウメの実が変な形に…これはなに?

「ふくろみ病」の恐れがあります。

ふくろみ病とは、実が膨らむ5月頃に発生する病気です。実が通常よりも大きく膨れ上がり、細長く奇形します。中は空洞で、やがて濃褐色になって落下してしまうため、予防が大切です。春の発芽前に石灰硫黄合剤などを散布して対策を施しましょう。

【まとめ】真っ赤なユスラウメを収穫して旬の味を楽しみましょう!

ユスラウメは、可愛らしい花と鮮やかで甘酸っぱい食用の実を楽しめる人気の植物です。剪定や育て方も難しくないため、初心者でもチャレンジしやすくおすすめです。毎年、収穫した実でジャムやシロップを作るのを楽しみにユスラウメを育ててみませんか?きっと夢中になりますよ。


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