ユッカの剪定ではどこを切ればいい？剪定時期や冬の剪定の注意点から切り戻しの方法まで詳しく解説

「ユッカを剪定したいけれど、どこを切ればいいのかわからない」「ユッカの剪定時期がわからない」と悩んではいませんか？

ユッカは「青年の木」とも呼ばれるシャープな葉が魅力的な観葉植物ですが、放置すると2メートルから5メートルまで成長してしまいます。適切な剪定を行わないと葉が伸びすぎて樹形が乱れたり、葉が垂れたりして見た目が悪くなってしまうでしょう。

本記事では、ユッカの剪定について基本的な時期から具体的な方法まで詳しく解説します。冬の剪定で注意すべきポイントや切り戻しの正しい手順、葉が垂れる原因と剪定での解決法についても詳しく紹介します。

正しい剪定技術を身につけて、コンパクトで美しいユッカを長く楽しんでいきましょう。

ユッカ（青年の木）の特徴

ユッカは「青年の木」とも呼ばれ、観葉植物のなかでも特にポピュラーな存在です。おしゃれなカフェやインテリア雑誌などでも、目にする機会が多いのではないでしょうか。

ユッカの原産地は、北アメリカから中央アメリカにかけての乾燥した地域で、昼夜の気温差が大きい過酷な環境でも育つ強い植物で、その丈夫さから初心者にも育てやすいとされています。原産地では5～6メートルほどの高さにまで成長する大型の植物ですが、剪定を行えば室内でもコンパクトに育てることが可能な点も人気の秘訣と言えるでしょう。

白く清楚な花を咲かせ、「勇壮」「爽快」「偉大」といった花言葉をもつユッカは、鋭く上に向かって伸びる葉が印象的で、贈り物としても人気があります。

ユッカにはさまざまな種類があり、代表的なものにユッカ・エレファンティペスやユッカ・ロストラータがあります。なお、ユッカによく似た観葉植物として、ドラセナも知られています。

ユッカの剪定時期とは

ユッカの剪定を成功させるためには、適切な時期を選ぶことが非常に重要です。剪定時期を間違えると株にダメージを与えてしまい、回復が遅れたり枯れてしまったりする可能性があります。

ユッカの剪定時期はいつ？

ユッカの剪定時期は、5月下旬～8月上旬です。

5月〜8月が最適な剪定時期

ユッカの剪定に最も適した時期は、5月から8月にかけての暖かい季節です。この期間はユッカの成長期にあたり、剪定によるダメージを受けにくく、切り口からの回復も早くなります。特に5月下旬から8月上旬までが理想的な時期といえるでしょう。

この時期に剪定を行うことで、2から3ヶ月後には切り口の少し下から新しい芽が出てきます。新芽は時間をかけて枝へと成長し、より美しい樹形を作り上げてくれるでしょう。

また、挿し木を併せて行いたい場合も、6月から8月頃が適期となります。剪定と挿し木を同時期に行うことで、切り取った枝を無駄なく活用できます。

冬の剪定で注意すべきポイント

冬期間中のユッカ剪定は基本的に避けるべきですが、やむを得ない場合は十分な注意が必須。ユッカは寒さに弱い植物のため、冬の剪定は株に大きなストレスを与えてしまいます。

12月から2月にかけての厳寒期は、ユッカの活動が最も低下している時期です。この時期に剪定を行うと、切り口の治癒が遅れて病気感染のリスクが高まるでしょう。

どうしても冬に剪定が必要な場合は、室内の暖かい場所で管理し、切り口に癒合剤を必ず塗布してください。また、剪定後は水やりを控えめにして、株の負担を軽減することが大切です。

枯れた葉の除去程度であれば冬でも問題ありませんが、幹や大きな枝の剪定は春まで待つことをおすすめします。

避けるべき剪定時期

ユッカの剪定には絶対に避けるべき時期があります。まず、真夏の猛暑日はユッカの剪定を控えてください。気温が35度を超えるような日は、株が高温ストレスを受けているため、さらなる負担をかけるべきではありません。

梅雨の時期もユッカの剪定には適していません。湿度が高く雨が多い時期は、切り口から病原菌が侵入しやすく、炭疽病などの感染リスクが高まります。

植え替え直後や、株が弱っている時期の剪定も避けましょう。ユッカが環境の変化に適応している最中に剪定を行うと、回復力が低下して枯死の原因となる可能性があります。

季節の変わり目で気温が不安定な時期も、剪定は見送った方が安全で、安定した気候条件で作業を行うことが、ユッカの剪定成功の重要な要素となります。

ユッカの剪定方法とは？どこを切るべきか

ユッカの剪定方法とは？

基本的には余分な枝を切る「間引き剪定」をします。必要なときだけ、切り戻しや強剪定をするとよいでしょう。

ユッカの基本的な剪定方法

ユッカの基本的な剪定では、まず枯れた葉を優先的に除去しましょう。黄色や茶色に変色した葉を剪定バサミで切り落とし、株全体の風通しを改善します。

枝を剪定する際は、幹から生えている枝を3から5センチ程度残して切ります。切り口の少し下から新しい芽が出るため、枝を生やしたい位置の少し上あたりで切ることがポイントです。

剪定する位置を決める時は、全体のバランスを考慮してください。重心が上に偏らないよう、適度に枝を間引いて安定した樹形を目指しましょう。

切り口は必ず斜めにカットし、雨水が溜まらないようにします。剪定後は癒合剤を塗布して、切り口を保護することが重要です。清潔な道具を使用し、病気の感染を防ぐよう注意してください。

幹を切る場合の正しい手順

ユッカが高くなりすぎた場合は、思い切って幹を切ることも必要でしょう。理想の高さを決めてから、その位置で幹を水平にカットします。太い幹を切る際は、園芸用ノコギリを使用してください。剪定バサミでは切り口が潰れてしまい、株にダメージを与える恐れがあります。

幹を切る前に、切り口から新芽が出ることを想定して位置を決めましょう。一般的に、切り口から2から3本の新芽が出てくるため、将来の樹形をイメージすることが大切です。

切り口が大きい場合は、特に丁寧に癒合剤を塗布してください。傷口が大きいほど病気感染のリスクが高くなるため、しっかりとした保護が必要です。幹切りは株への負担が大きいため、アフターケアを怠らないようにしましょう。

葉が伸びすぎた時の切り戻し方法

ユッカの葉が伸びすぎて樹形が乱れた場合は、切り戻し剪定を行います。間延びした枝を根元で切り取り、新しい芽の成長を促進させましょう。

切り戻しを行う際は、全体の3分の1程度までに留めてください。一度に多くの枝を切りすぎると、光合成能力が急激に低下して株が弱ってしまいます。

枝分かれしている部分から5センチほど残してカットするのが基本です。この位置で切ることで、新しい芽が出やすくなり、より良い樹形を作れるでしょう。

切り戻し後は、株の負担を軽減するため水やりを控えめにし、新芽が出始めたら徐々に通常の管理に戻し、適切な肥料を与えて成長をサポートしてください。

ユッカの剪定の注意点と対策とは

ユッカの剪定では様々な問題が発生することがあります。適切な対策を講じることで、これらの問題を解決し、健康なユッカを維持できるでしょう。

葉が垂れる原因と剪定での解決法

ユッカの葉が垂れる主な原因は、日光不足と根腐れの2つです。葉が黄色くなって垂れてきた場合は、まず日照不足を疑いましょう。

日光不足による葉垂れの場合は、混み合った枝を剪定して光の通りを良くします。内側に伸びる枝や交差している枝を除去することで、全体に光が当たりやすくなるでしょう。

根腐れが原因の場合は、葉が黒くなったりしおれたりします。この場合は剪定だけでなく、植え替えも必要になることが多いです。腐った根を除去してから新しい土に植え替えてください。

剪定により風通しを改善することで、湿度を下げて根腐れの進行を防げます。適度な間引き剪定を行い、株の健康状態を回復させましょう。

木質化した部分の剪定方法

古いユッカでは茎や幹が木質化することがあります。木質化した部分は硬くなっており、通常の剪定バサミでは切りにくくなっているため、適切な道具選びが重要です。

木質化した太い枝は、園芸用ノコギリを使用して切除します。切り口が滑らかになるよう、ゆっくりと丁寧に作業を進めてください。

木質化した部分からは新芽が出にくいため、できるだけ若い緑色の部分を残すようにします。完全に木質化した枝は思い切って除去し、株の若返りを図りましょう。

木質化部分の剪定後は、特に念入りに癒合剤を塗布してください。硬い組織は治癒に時間がかかるため、しっかりとした保護が必要です。

剪定後のケア方法

剪定後の適切なケアは、ユッカの回復を左右する重要な要素、剪定直後は直射日光を避けた半日陰で管理してください。

水やりは土の表面が乾いてから行い、過湿にならないよう注意します。剪定により葉の量が減っているため、水の需要も少なくなっています。

新芽が出始めるまでは肥料を控えめにしてください。株が回復してきたら、薄めた液体肥料を与えて成長を促進しましょう。

切り口の癒合剤は自然に剥がれるまでそのままにしておきます。無理に剥がすと傷口を再び開いてしまう可能性があるため、注意が必要です。定期的に株の様子を観察し、異常がないか確認してください。

ユッカの育て方を解説

ユッカは育て方も簡単で、神経質になる必要はありません。気をつけたいのは、水やりのタイミング。ユッカの水やりは、時期により異なります。

しかし、ポイントさえ押さえれば難しくはないですよ。また、肥料についても解説します。それでは、水やりと肥料について詳しく見ていきましょう。

水やりや肥料の頻度とタイミング

ユッカの水やりの仕方は、時期により異なります。

4～10月は、土の表面が乾いたら水を与えるタイミングです。11～3月は、土の表面が乾いたなと思ってから4～5日後に水やりをするとちょうどいいです。

寒くなると、ユッカの根が水を吸収する力が弱まるため、水を与えすぎないようにするためです。水を与える際は、時期にかかわらず鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。

室内で育てていて乾燥しやすいなら、定期的に霧吹きで葉を濡らしてツヤを保ってくださいね。

肥料は、ユッカをホームセンターなどで最初から鉢に入っているものを購入したなら、すでに肥料は含まれています。そのため、追加の肥料を与える必要はありません。

植え替えなどで土を変える場合は、5～10月の間は10日に1回の頻度で液体タイプのものを与えるとよいでしょう。

液体タイプ以外なら、植え替えの際に固形の化学肥料を混ぜておくのも効果的です。

植え替えのタイミングと方法

ユッカを庭に直接植える「地植え」ではなく、鉢植えで育てているなら植え替えという作業が必要です。

ユッカの成長は幹や葉だけではなく、根も成長します。小さい鉢に植えたままだと根詰まりを起こしやすく、最悪の場合は枯れてしまいます。

ですから、定期的に成長に合わせて植え替えをしてあげましょう。

植え替えのタイミングは、鉢の底から根が出てきたとき。だいたい、3～4年のペースです。植え替えに適した時期は、5～10月です。

植え替えの仕方は、事前に水やりを控えて土を乾燥させましょう。ユッカを鉢から引き抜き、根についた土を手で優しくほぐしながら落とします。

土を入れた新しい鉢に植え替え、土を足します。水を与え、涼しい日陰で1週間ほど管理して完了です。

ユッカが枯れる原因と対策

初心者にも育てやすいといっても、まったく枯れないわけではありません。葉が垂れたり黄色くなったりしてユッカに元気がないときは、早めに対処するようにしてくださいね。

ここでは、ユッカが枯れてしまう原因と対策について解説します。

日当りがよすぎた・悪すぎたことが原因で枯れる

日光に当てようと、一日中日の当たる場所に置いていませんか？観葉植物は太陽の光を好みますが、日に当たり過ぎるのはよくありません。

とくに、夏の直射日光に当たり過ぎると葉焼けをして黄色くなり枯れてしまいます。7～8月の西日が当たるような場所に置くのは、避けましょう。

西日の当たるような場所にしか置くスペースがない場合は、窓にレースカーテンをつけるなどして直接光が当たらないように工夫してください。

日当たりが悪すぎるのも、よくありません。適度に日光の当たる場所を選んで、ユッカを育ててくださいね。

害虫被害や病気によって枯れる

害虫被害や病気が原因で、枯れてしまうこともあります。元気のない葉っぱの裏や幹・株元に小さな虫がいたら、害虫被害を疑いましょう。

ユッカにつく害虫は、カイガラムシ・ハダニが挙げられます。

カイガラムシは葉や枝の養分を吸う害虫で、そのまま放置すると木を枯らしてしまいます。見つけ次第、殺虫剤で駆除するようにしてください。

カイガラムシの排泄物が原因で、すす病を引き起こす危険もあります。

また、ハダニは乾燥すると発生しやすいです。カイガラムシ同様、見つけたら殺虫剤で駆除するようにしてください。

剪定時期や剪定を失敗した

ユッカは生命力が強く、初心者でも育てやすいです。そのため、剪定もよっぽどのことが無ければ失敗はしないでしょう。

しかし、前項目で解説した通り、枝を切り過ぎると回復が追い付かずに枯れてしまいます。

細かい枝や葉を取り除くのはかまいませんが、太い枝や幹を切る際は切り過ぎないように注意してください。

また、剪定時期を間違えるのも、ユッカにとって負担となります。剪定時期や剪定カ所は、間違えないようにしてくださいね。

ユッカの剪定枝を挿し木で活用する方法

ユッカの枝を剪定したら、挿し木として再利用しましょう。挿し木をつくるのに最適な時期は、5～8月です。適切な方法で行えば、高い成功率で株を増やせるでしょう。

挿し木に適した枝の選び方

挿し木に使用する枝は、健康で病気のない若い枝を選びましょう。木質化が進んだ硬い枝よりも、まだ緑色の柔らかい枝の方が発根しやすくなります。

枝の長さは8から10センチ程度を目安にし、節が含まれるようにカットします。太すぎる枝は発根に時間がかかるため、鉛筆程度の太さがちょうど良いでしょう。

切り口は斜めにカットして表面積を大きくし、水分吸収を促進します。清潔なカッターナイフや剪定バサミを使用して、切り口を潰さないよう注意してください。

病気や害虫の被害を受けた枝は避け、健全な成長をしている部分から採取することが成功の鍵となります。複数の枝を準備することで、失敗のリスクを分散できるでしょう。

挿し木の手順と管理方法

ユッカの挿し木の作業は6月から8月の暖かい時期に行うのが最適です。まず、切り取った枝の切り口に発根促進剤を塗布して、発根を早めます。

新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れ、その上に挿し木用の土を入れます。市販の挿し木用培養土や、赤玉土とピートモスを混ぜた土が適しているでしょう。

土を軽く湿らせてから、割り箸などで穴を開けて挿し穂を植え込みます。挿し穂が倒れないよう、土をしっかりと固めてください。

挿し木後は明るい日陰で管理し、土の表面が乾かないよう適度に水やりを続けます。約1ヶ月程度で根が出始め、新芽が確認できたら成功のサインです。

ユッカの風水効果があるおすすめの置き場所

ユッカの葉は、上を向いて成長します。そして、成長が早く生命力があることから「青年の木」という別名を持っています。

また、風水には陰陽の考え方があり、上を向いて生える葉は「陽」の気を持っているといわれています。ユッカは、風水の世界では仕事運や金運を上げる観葉植物として知られています。

ここでは、ユッカをどのような場所に置けば風水の効果が得られるのかをご紹介します。

邪気を払うなら「玄関」

よい気は、明るい場所を好みます。人が出は入りする玄関が暗くなりがちなら、ユッカを玄関に置いて明るくしましょう。

ユッカの尖った葉は、強い気を流すといわれています。ユッカを玄関に置くことで運気の向上につながり、邪気を払いのける効果がありますよ。

玄関があまりにも暗い場合は、ランプと一緒にユッカを置くとよいでしょう。

集中力を高めたいなら「仕事場・書斎」

集中を高め仕事運や勉強運を高めたいなら、仕事場や書斎に置くとよいでしょう。

風水では、東は春を意味する方角です。物事を決める場所といわれており、ユッカは東に置くのが最も効果的です。集中力が高まり、仕事や勉強がはかどるでしょう。

また、穂規制は主人を意味する方角です。家長の運気を上げるなら、北西に置くのも効果的です。

金運アップなら「南東」

金運に効果的な方角は、南東です。ユッカは玄関に置いても金運を上げる効果がありますが、室内に飾るなら南東をおすすめします。

風水では水はお金の意味があります。鉢を透明なものにして水が見えるようにすると、より効果的です。

金運を上げるためには、いつもきれいに整理整頓されていることと明るい場所というのもカギになります。部屋を綺麗に保ち、明るい南東にユッカを置いてくださいね。

ユッカ（青年の木）の剪定をプロに依頼した場合の費用は？

ユッカは初心者にも育てやすい観葉植物ですが、剪定に自信がない方は業者に頼るのもひとつの手です。

また、忙しくて手入れが間に合わない場合も、プロの業者を頼るとよいでしょう。

そこで気になるのは費用ですが、料金は職人一人あたりで費用を計算する場合や樹木1本で計算する業者などさまざまです。

たとえば、職人一人あたりの日当なら15,000円～30,000円が相場となります。樹木の高さで料金が決まる場合は、3メートル未満の樹木なら5,000円です。

株の数にもよりますが、費用相場は数千円程度とみておけばよいでしょう。

見積もりは複数の業者でとるのがおすすめ

見積もりの算出方法やサービス内容は、業者により異なります。実際に剪定を依頼する前に、見積もりをとって確認しておきましょう。

見積もりは1社ではなく、3～5社の複数社からとることをおすすめします。自宅に来てもらう場合や持ち込みなど、状況によって金額が異なるからです。

見積もりをとって、あなたに合った業者を選んでくださいね。

なお、庭革命では無料で複数社から見積もりをとることができます。ぜひ利用してください。

ユッカの剪定まとめ

ユッカの剪定時期や方法について、解説しました。

ユッカは勢いよく成長してくれる木なので、神経質にならなくても育ってくれるのが嬉しいですね。その反面、まったく剪定をしないと育ち過ぎてしまい、見栄えが悪くなってしまいます。

正しい剪定時期に正しい剪定方法で、美しくユッカを育ててくださいね。

また、ユッカは風水にも効果があるとされる観葉植物です。運気を上げるためにも、手入れをしてあげてください。