植木屋・造園業を独立開業したい！メリット・デメリットと独立を失敗しないためのポイントとは？

作業着を着て華麗に庭木を整える職人の姿は、かっこよくて憧れますよね。ある程度仕事をこなせるようになったら、独立開業したいという夢を持つこともあるでしょう。

しかし、「失敗したらどうしよう？」「独立して食べていけるのだろうか？」と不安もありますよね。

この記事では、植木屋・造園業として独立開業するメリット・デメリットをご紹介します。また、失敗しないためのポイントについても触れます。

植木屋・植木職人とは？

植木屋・造園業は、どんな仕事をするのか知っていますか？簡単に言うと、「庭を作る仕事」です。お客様の要望に合わせて、庭に石や池・芝や植木などを配置していきます。

日本庭園を想像してもらえれば、分かりやすいのではないでしょうか。大きなお屋敷の庭園をつくるだけではなく、一般家庭の樹木の手入れをするのも仕事です。

とてもクリエイティブな仕事ですが、自分の好きなように庭をつくるのではありません。お客様の理想を叶えるのが、植木職人の仕事です。

植木屋・植木職人の独立で失敗したくない！

多くの植木職人が独立を目指します。しかし、独立後、失敗して廃業というパターンも少なからずあります。

営業がうまくいかず仕事が取れない、雑務に追われて本来の仕事まで手が回らない、というのが大きな理由です。

それでも独立して成功を納めている職人もたくさんおり、生涯にわたるやりがいのある仕事として取り組んでいます。

独立前から十分な情報収集と準備・対策を行い、夢に向かってスタートしましょう！

植木屋・造園業・庭師が独立開業するメリット

独立開業して、失敗するのでは？という不安は誰しもが抱くものです。そこで、まず初めに夢のある話し・メリットからご紹介します。

植木屋・造園業・庭師が独立開業するメリットとは？

・年収が増える可能性がある
・スケジュールを自分で決められストレスが減る
・定年がなく好きなだけ働ける

以上3点です。

植木職人の仕事が好きで、どんどん働いていきたい！という方には嬉しいメリットですね。それでは、それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

植木屋独立後に年収が増える可能性がある

植木職人の仕事は、キツイわりに給料が低いと感じている人が多いです。しかし、独立すれば年収が上がる可能性があります。

独立開業すると一人で仕事をこなすこともあり、支払われた料金を従業員と分けるということがなくなるからです。

その分、細かい事務作業なども自分でやらなければなりませんが、とても夢のある話ですよね。

スケジュールを自分で決められストレスが減る

独立開業すると、自分のペースで仕事ができるようになります。たくさん稼ぎたい！という方は多くの仕事を請け負い忙しくなりますが、それも自分のペースですよね。

反対に、生活していけるだけでいいと考える方は、たくさん仕事を受けないという選択もありでしょう。

会社員だと、どうしても自由に働くことができません。色々と我慢をすることもあるでしょう。その点、独立開業すればマイペースに仕事ができ、ストレスが減ります。

定年がなく好きなだけ働ける

植木職人の仕事が好きな方は、定年後も働きたいなと思いませんか？会社員だと定年がありますが、独立開業すれば好きなだけ働くことができます。

病気も怪我もせず、身体が元気な限り続けられるのは嬉しいですよね。

植木職人は若いときは「本当に大丈夫なの？」と不安に思われますが、年齢を重ねるにつれ熟練の職人だと認められるようになります。年を取るほど、やりやすくなる仕事なのです。

植木屋・造園業・庭師が独立開業するデメリット

独立開業は、よいことばかりではありません。自分一人で仕事をするわけですから、すべての責任を負わなければなりません。

植木屋・造園業・庭師が独立開業するデメリットとは？

・天候により仕事が左右される
・事務作業も一人でこなさなければならない
・常に危険と隣り合わせ

以上3点です。

それでは、詳しく見ていきましょう。

天候により仕事が左右される

屋外での作業は、どうしても天候に左右されてしまいます。小雨程度ならよいのですが、大雨や雪・台風など悪天候が続く時期もありますよね。

天候が悪く作業が滞ってしまうと、売り上げにも影響されてしまいます。スケジュールも狂ってしまうため、プライベートの予定が立てづらいというデメリットがあります。

天候に大きく左右される職種であり、月収も不安定です。

事務作業も一人でこなさなければならない

独立開業すると、すべて一人でこなさなければなりません。スタッフを雇うという方法もありますが、独立したばかりなら現実的ではありませんね。

会社員のときはほかのスタッフが行っていた細かい雑用や見積もりの計算も、自分で行うことになります。

最近では、無料見積もりが一般的になっています。無料の見積もりばかり取って仕事が取れないということもあり得、思うように稼げないということもあるでしょう。

常に危険と隣り合わせ

植木職人の仕事は、小さな樹木の剪定だけではありません。脚立に乗って背の高い木の剪定も行いますし、機械を使って刈り込みをするなど常に危険と隣り合わせです。

会社員であれば休めば代わりのスタッフがいますが、独立するとそうはいきません。病気やケガをしても簡単には休めませんし、休んだだけ収入が減ってしまいます。

植木屋・造園業は繁忙期こそ体力勝負

造園業の仕事は、樹木の成長期に合わせて忙しくなります。

繁忙期は、4月～お盆前・年末が特にピーク。この時期は朝早くから剪定をする職人の姿が、あちこちで見られます。

真夏の炎天下での作業は、体力を削られます。熱中症に注意しながらの連日の作業は、体力維持も大切です。

年末は剪定の依頼も多く、雪深い地域では雪吊りの依頼が多く入ります。寒い中の屋外作業なので、風邪をひかないよう徹底した体調管理が必要になります。

植木屋・造園業の独立を失敗する原因

独立開業するときは、失敗するなんて考えないだろうと思います。しかし、現実にはなかなか上手くいかず植木屋・造園業をたたんでしまった職人さんも多くいます。

失敗する原因は人それぞれですが、主な原因を挙げました。それでは、さっそく見ていきましょう。

植木屋の横のつながり・下請け業者としての仕事がない

独立開業したら、いきなり仕事が入ってくるわけではありません。自分で営業をする必要があります。しかし、営業してもすぐに生活できるだけの仕事があるとは限りませんよね。

横のつながりがなく独立開業してしまうと、まったく仕事がなく収入もゼロという恐ろしい現実が待っています。大切な庭の木の世話をまったく知らない人に任せたくないですからね。

知識・技術不足でお客様に満足してもらえない

植木職人になるには、何年間か植木屋でスタッフとして働き経験を積むのが一般的です。しかし、それ以外にも通信教育や講習会を受けて職人を名乗ることも、不可能ではありません。

植木職人や庭師は資格が必ず必要というわけではなく、極端な例ですが「今日から植木職人です！」と名乗れば植木職人なんです。

しかし、それでは仕事も取れないし、取れたとしても知識・技術不足で満足してもらえませんよね。満足してもらえなければ、次の仕事にもつながりません。

営業力がなく暇を持て余す

植木職人には、知識や技術が非常に大切です。知識や技術がなければお客様のニーズに応えることができず、満足してもらえないからです。

しかし、その前に仕事を受けないと知識も技術も披露することができませよね。

それには、営業力が必要になってきます。自分から積極的に営業をかける姿勢がないと、待っていてもお客様は来てくれません。

植木屋・造園業として独立開業を失敗しないために

独立開業するときは、失敗するとは思いませんよね。絶対にうまくいくはず！と思って独立するのだろうと思います。

必ず成功する方法なんて、無いに等しいです。しかし、失敗をしないように努力をすることは誰でもできることです。ここでは、植木屋・造園業として独立開業を失敗しないためのポイントをご紹介します。

親方のもとで修業を積む

前項目でも解説しましたが、植木職人・庭師になるのに資格はいりません。通信講座で、植木屋について学ぶことはできます。

しかしそれは座学であって、知識は得ても技術を得ることにはなりませんよね。植木職人として独立開業したければ、まずは何年間か親方のもとで修業を積みましょう。

遠回りに思えるかもしれませんが、長い目で見て成功するための近道になります。実績を積めばセンスも磨かれますし、横のつながりもできます。

また、営業方法や人とのかかわり方など礼儀についても学ぶことができますよ。これは、通信講座などでは得られない大きな財産です。

植木屋として独立する前に開業資金・倉庫を準備しておく

植木屋の開業資金は多くはかからないため、独立開業もそれほど難しくはありません。作業に必要な職人道具に、軽トラで約70万ほど。

それらの道具や、仕事で出た廃材・ゴミを置く保管場所も必要です。自宅に置くスペースがあれば問題ありませんが、倉庫をレンタルするのもあり。

事務所・倉庫を借りる場合は、さらに賃料が固定費として発生します。

資格を取るなど勉強して植木職人としてできることを増やしていく

どんな仕事にも通じますが、常に勉強し続けることが大切です。庭を作ってほしいというお客様のなかには、昔ながらの伝統的なデザインを好まれる方もいるでしょう。

反対に、今風の新しいデザインの庭を好む方もいます。新しいデザインや新しい技術は、自分から求めなければ学ぶことはできません。

植木職人はその道のプロですから、お客様よりも知識・経験がなくては仕事になりませんよね。

独立開業した後も、時代のニーズに応えるために資格を増やしたり情報を求めたりして、向上心を持ち続けましょう。

丁寧に仕事をし営業も欠かさない

ひとつ仕事を終えたら、そこで終わりではありません。植木の手入れは何年にもわたって管理することも多く、同じ職人に世話をしてもらいたいとお客様は考えます。

そんなとき、横柄な態度をとられたり仕事ぶりが雑だったりすると、どう感じるでしょうか？もう二度と、庭を任せたいとは思いませんよね。

職人も人間ですから、その日の体調や気分によってコンディションが変わることもあるでしょう。しかし、その場しのぎの仕事をするのではなく、丁寧な仕事を心がけましょう。

また、メールや電話などで様子を伺ったりチラシを配るなど、営業も欠かせない仕事です。

植木屋・造園業の独立で成功するには営業・集客スキルが必須

独立後の成功は、職人の腕はもちろんですが、仕事を獲得するための営業・集客力がものを言います。

実際、お客さんの中には、「腕はそこそこでいいから人柄や料金が安いほうがいい」という感覚の人もいます。

新規顧客を呼び込むための集客力。一度お世話になったお客さんには、リピーターになってもらえるよう、信頼関係を築く営業力を磨きましょう。

植木屋フリーランスの飛び込み営業は意外に効果的

営業をしたことがない人にとってはハードルが高い「飛び込み営業」ですが、植木屋として独立後失敗したくないなら避けることはできません。

植木屋を探すのが面倒でなんとなくほったらかしにしている人、ホームページや電話帳を見ない高齢のお客さんは、飛び込み営業をきっかけに快諾してくれることもあります。

また、造園業のチラシの成約率は、他の業種に比べるとかなり高いのも特徴です。飛び込み営業の際は、必ずチラシを持参しましょう。庭木のある家の人に、チラシを直接受け取ってもらえるだけでも十分成功です！

植木屋ホームページならほったらかしでも自動集客！

独立後は、植木屋本来の仕事もあるため、飛び込み営業ばかりに時間を割いてられません。そんな時、強力な集客力を発揮するのがホームページです。ほっておいても自動で集客してくれます。

若いお客さんは、チラシや電話帳よりもスマホで植木屋を検索するもの。お客さんの目に止まるような、料金・サービスがわかりやすいホームページを用意しましょう。

お問い合わせフォームやLINE、メールがあれば、問い合わせは24時間対応。電話よりも時間を気にせず問い合わせできる分、お客さんも気軽に連絡してくれます。

植木屋独立後はブログ・SNSで施工事例を紹介してweb集客

SNSや植木屋ブログを開設し、日々の仕事の様子を投稿する職人も増えています。

ブログ・SNSのメリットは、植木屋の仕事の内容をリアルに伝えることができる点。日々の施工写真のビフォーアフターは、職人の腕前のアピールにはピッタリです。

「草刈りは静音設計のこんな道具を使っています」「こういうお手入れに気を使っています」「こんな仕上がりになりました」という、コメントとともに写真を投稿すれば、人柄も伝わり、好感度にもなります。

植木屋・造園業の独立を失敗しない方法まとめ

植木屋・造園業として独立開業するメリット・デメリットを解説しました。また、失敗しないためのポイントについてもご紹介しました。

ある程度の経験を積んだら、自分一人でやってみたい・独立したいと思い始めますよね。何も計画せずに独立をしてしまうと、失敗してしまう可能性が高くなります。

植木職人という好きな仕事をずっと続けるためにも、この記事を参考にして挑戦してみてくださいね。